TOP>道徳資料室>山田貞二先生の学習会レポート>第44回テーマ:「いのち」を扱った授業の在り方
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第44回
テーマ:「いのち」を扱った授業の在り方
今回は、絵本を教材として「いのち」を考える模擬授業を行いました。
絵本や作者の朗読に力があり、強烈なメッセージが込められており、今回の授業の大きなポイントとなりました。
問いを立てて展開するという授業で、最後には哲学対話にも挑戦されました。
会の冒頭において内容項目について確認しました。右図を参照ください 。
★「命」 生命的・身体的生命
★「いのち」 社会的・文化的生命(関係性や精神性)
上記の内容をしっかりと把握したうえで、授業に臨むと良いということを確認しました。
続いて、絵本を教材とした場合の留意点について確認しました。
右図のようになりますが、特に(1)がポイントになります。様々な道徳的価値を含んだ教材ですので、授業の中で何を話し合うかをはっきりさせる必要があります。
教科書は場面を限定しているので、そんなに広がることはありません。
★ 教材 「6さいのおよめさん」(絵本教材・鈴木中人)
★ 対象 中学生
★ ねらいとする内容項目 D-19 生命尊重
導入
〇景子ちゃんの写真をみてどう思うか
・景子ちゃんの病気についての補足説明
展開
・鈴木中人さんの朗読動画の視聴
〇(視聴後)気になったことは何か?
・「問い」の設定・・・多数決で決定
●景子ちゃんは幸せだったか?
●家族にはどのような願いがあったか
●皆さんにとって「幸せ」とは何ですか?
終末
・岩崎宏美の「いのちの理由」の視聴
・動画はインパクトがあり、「自殺予防」に意識がいってしまうのではないか。
・事前に読んでおく方法もあるのではないか。
・主体的な学びの視点からは、素晴らしい取り組みと感じる。
・学級経営がうまくいっていないと難しいのではないか。
・実際に子どもたちだけで作れるのかどうか心配。
・「問い」ははじめだけでなく、途中や最後にも生まれてくるのではないか。
・小単元化すると時間的にもゆとりをもってできる。
・事前読みをしておき、感想をICTで共有しておくと時間が短く済む。
・発問と発問がつながっていないように感じたので、考えるのが難しかった。
・抽象的な発問が多くて難しいものが多かった。
・発問数が多く、広がりはあったが、深めるのが難しかったと思う。
・意見を出しただけで終わっていたのではないか。
・景子ちゃんから突然自分を考えるのは、突然出てきた感じがする。
・一般化する発問として面白い試みであるが、唐突な感じがして、生徒が考えるには難しすぎる。
・景子ちゃんの心情をしっかりあぶり出してから、一般化してはどうか。
・終末の曲は、朗読のインパクトが強く、あまり響かなかった。
・板書の構成が勉強になった。
・「いのち」を扱った授業を見ることができて勉強になった。先生の準備の素晴らしさに感心した。
・ゲストティーチャーの大切さも感じた。
自我関与が難しいが、そのストーリーや感動を分析するという指導展開にすると少しずつ非日常に近づいていこうとする。(感動・分析的な活用)
まずは、じっくりと教材に描かれている人物やストーリーを分析する中で、その教材に浸らせる(地上戦)。そして、一般化を図る発問へと思考のレベルを上げていく。(深い学びへの入り口=空中戦)
様々な道徳的価値とつながりながら自分の生き方を見つめる時間にするため、プライバシーへの配慮を大切にする。
(文責:山田貞二)