じぶんがしんごうきに(小学2年)
教材名:じぶんがしんごうきに
内容項目:B 感謝
ねらい:日頃お世話になっている人に感謝する心情を育てる。
教材の活用方法
『じぶんが しんごうきに』は、目の前で小さな女の子がはねられる事故を見て、その翌日から25年も毎朝交通整理をしている仲野さんが中心の話である。同価値で行ったこれまでの授業(教材)との違いは、“教材中の中心人物が地域の人”だということである。本教材は、主人公の気持ちに寄り添って考えた後に、そんな主人公に対する周りの人々の気持ちを想像させることで価値理解が可能となる。実際に学校でも見守りや読み聞かせをしてくださる方々がいるので、そことつなげることで、自分事として捉えられるであろうと考えた。以上の理由から、支えてくれている人が身近にたくさんいることに気付かせ、そうした人々への感謝する心情を育てるのに適した教材であると考える。
展開例
●導入
普段、どんな人にお世話になっているかを考える。
本時のテーマについて知る。
●展開前段
P.85 l.10までの範読を聞く。
おじさんが、どんな気持ちから交通整理を始めたかを考える。
P.86 l.3までの範読を聞く。
「ものずきな人もいるものだ。」と言われたおじさんの気持ちを考える。
最後までの範読を聞く。
周囲の声が優しいものに変わっていったのはなぜかを考える。
「どうして優しい言葉に変わったのだろう?」
●展開後段
「感謝する」とはどういうことか考える。
これから感謝をどう表していくかを考える。
●終末
本時の学習を振り返る。
ワンポイントアドバイス等
・導入部で児童に普段どんな人たちにお世話になっているかを考えさせ、出させたものをグルーピングしていく中で、「地域の人」や「町の人」というワードを出すことができた。本教材では、感謝の対象が地域の方であり、その視点は持ち続けさせたいなと考えていたので、効果的な導入だったのではないか。
・展開前段で、仲野さんが交通整理を始めたきっかけについて整理した際、「25年間」も続けたという部分を強調した。9000日を超える日数、それも善意で毎日続けたということに目を向けさせ、仲野さんの続けた思いの強さに気付かせることができた。
・展開後段で、普段お世話をしてくれている地域の方を出させるなどしておくと、感謝の表現・体現についてもっと具体的に考えられたかもしれない。