2022年8月例会

2022820日 空知川 例会報告
(報告:植竹淳さん)

今回は息子、湧(小6)の初めての例会参加。これまでにパックラフトでアラスカのclass1を、北海道に移住した去年からは千歳川、歴舟川などを私と一緒にパドリングしてきた。最近はパワーもついてきたので、次なるレベルを目指す時が来ていた。しかし親子2人でのパドリングでは、どうしても不足の事態には対処しにくい。妻からの『安全は100%確保できているのか』という非常に強いプレッシャーに耐えて、レベルを上げていく力を持ち合わせない我々は、次の一歩を踏み出せないでいた。そんな状況だったので、クラブに参加させてもらった当初から息子のレベルアップを、という気持ちがあった。しかし、今季はしばらく出張のため例会への参加が難しく、ようやく満を辞しての参加となった。

当初の予定はシーソラプチ川と空知川。通常であれば、美しい流れの中、瀬を超える楽しみを覚えるというシナリオであった。しかし、数日前に記録的な豪雨で見舞われ、土砂災害などにより、日勝峠をはじめとした峠の閉鎖が相次いだ。そんな状況なので、どこも水量がかなり多い。しかし空知川の国体コース下からなら行けそうだとのことで皆が動き始めたので、渡月橋下流のラフトのテイクアウトポイントに移動し、まじまじと川を眺める。流速は早いもののたしかに不可能ではない水量と判断。下流に待ち構える噴水の瀬はポーテージで回避するということでリーダーの承認を得て、準備を着々と進める。

しかし、ここで妻がラフトガイドより『この流れでパックラフトは無謀』とのアドバイスをいただいてきて、安全性に対して強烈に疑問を投げかけてきた。心が半分以上折れかけたが、30人もの人数で一緒に降るという数の安全性がある状況以外に彼にチャレンジをさせることは不可能。不仲覚悟で出廷することとする。それでもエディキャッチできなければただの無謀なので、まずはこの流れでフェリーグライドさせてみた。勢いが強いので流され気味だったが、しっかりパドリングして目標まで漕げている。これなら問題ないだろうと一気に確信を強めて、皆と一緒にダウンリバーを続けた。一度流れに乗ってしまえば、先行者のラインをしっかりトレースして下っている。不安を感じていたが、半年前から始めた剣道で棒を持つ力がアップしたのか、私の想像よりも早い成長に感心した。最年少参加者に、みなさん親切にパドルの持ち方を教えてくれたり、励ましてくれたり、とてもありがたかった。

彼の乗るパックラフトは簡易スプレースカートで着脱が容易。水は入りやすいが、沈すると即脱するので、艇から抜け出せないという心配がない。前半で大きなウェーブを横から食らって沈するが、すぐに出てきた。これだけの水量のところで流されるのも彼にとっては初体験。しばし怖さと楽しさが入り混じったような表情をしていたが、これがまさに私の味わってもらいたかった感情だ。『どうだ、楽しいだろう』と、さらに下っていくと楽しさが優っていったようで、噴水の瀬の右岸側をトライするという。ウォータースライダーのように表層をスーッと流れる水流にうまく乗り、狙った通りに下ることができた(翌日の同ルートはよりラインの見極めが必要な中央を突破することができた)。最後には私も躊躇するような大きめなウェーブを正面突破して、一端のパドラーという雰囲気になっていた。思惑通りに瀬を漕ぐ楽しさを覚えたようで、次の例会への参加も楽しみにしている。サポートしていただいた皆さんに大感謝!親離れするまで連れてくるつもりなので、親子共々これからもよろしくお願い致します。