講演者:北畑 裕之さん(千葉大学 大学院理学研究院)
日時:2024年3月8日(金)15:00から17:00まで
場所:物質・材料研究機構(NIMS)千現地区 本館居室棟 1階 小セミナー室
アクセス:外部から来られる方は、守衛所で入構手続きが必要です。世話人の名前『分子機能化学グループ / 高井』を伝えて、入構カードをお受け取りください。TXつくば駅および筑波大から来られる方は、NIMS定期便をご利用いただけます。
タイトル:自己駆動粒子・液滴系の運動と変形の関係
概要:樟脳やアルコールなどの界面活性を持つ物質を含む粒子や液滴を水面に浮かべると、分子が水面に放出され、化学物質の濃度場が生成される。この濃度場の空間不均一性に起因する表面張力勾配によって粒子または液滴が駆動される現象が知られている。円形の粒子または液滴では、濃度場は重心に対して等方的であるはずであり、そのような場合には、粒子または液滴の運動は自発的な対称性の破れにより起こる。すなわち、粒子または液滴の運動方向は揺らぎによって決まる。一方、粒子または液滴が円以外の非対称な形状をもつ場合には、動きの方向は形状により影響を受ける。そこで、我々は、楕円形や三角形など円からの微小変形として記述できる形状の粒子、およびそのような形状に変形する液滴が表面張力勾配によって駆動される場合に、形状と運動がどのように影響しあうかを実験及び理論の両面から調査した。さらには、円形から大きく変形した液滴の場合についても実験的に調査し、理論的なアプローチの方向性を探った。