気象・気候データ解析
拙著『Pythonによる気象・気候データ解析』が、朝倉書店さんから近日発売予定です。
本書は、とにかく「気象・気候データ解析に興味を持ったら初めに読む本」を意識して書きました。機能が多くて便利だけど複雑なモジュールや関数は意図的に避けて、平易なプログラムでデータ解析の本質を理解することのみに焦点を絞りました。それゆえ、「Pythonの使い方の教科書ではなく、データ解析手法の教科書である」という点にだけ注意していただければ、現在どの知識レベルにある方にも、購入して後悔はさせないと思います。
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(I巻。通称:赤本。主な対象:意欲的な高校生〜社会人)
I巻(赤本)は、意欲的な高校生や大学1年生から楽しめる仕上がりとなっています。気象や気候はもちろん、季節変動する売り上げデータなどの取り扱いに興味がある大学生やビジネスパーソンが、最初に学ぶべき基礎を詳述しています。また、必ずしも気象や気候に興味がなくても、教養としてのプログラミング・可視化・データ解析の初等的な教材として、気象という身近な具体例を交えながら楽しく学んでいただける内容になっています。
(II巻。通称:青本。主な対象:大学生〜博士持ち)
II巻(青本)は、これから気象学や物理気候学を修めようとする大学生や大学院生はもちろん、博士持ちの方にも必携の内容に焦点を絞りました。ただし、必携の内容とはいえ、玄人目線でも色々と目新しいことが書いてあるはずです。これが大気海洋分野のスタンダードな教科書になると、我が国の気象・気候データ解析のレベルが上がるだろうと自負しています。
特に研究を始めたばかりの学生さんにとっては、これまでは指導教員による口頭伝承になってしまっていた内容がかなりあると思います。大学の研究室における初歩の学習や教育を本書によって効率化し、リソースを温存することで、我が国の気象や気候に関する卒業研究・修士論文のレベルアップを図りましょう!そして本書で体系的に学んでいただいた結果、さらに飽き足らない方には、発展的な他書に進んでいただけることを目指しています。
本書の文量は、I巻II巻ともに、以下の授業資料で公開している内容の約二倍ほどとなっています。I巻は、導入部分を中心に、初学者にも分かりやすいように書き直しました。II巻は、内容を見直して網羅的にしたり、本書のために書き下ろした節や章も数多くあります。本書のサンプルおよび公共の利益のために、本書の発売後もこのページはそのまま残すつもりではあります。ただ、朝倉書店さんの多大なるご尽力により、出版のプロによるチェックが入った完全版が出来上がった今、本ページは読みにくく網羅的でもない不完全版と言わざるを得ません(実際、所属学科の学部3年次・大学院初年次の授業資料として作成したものであり、前提知識などの説明も乏しいです)。このページを見て面白そうだなと思ったら、ぜひ拙著をご購入いただければ嬉しいです。
~以下は、拙著の元になった授業資料~
環境情報論
朝倉書店版(第I巻)では、環境情報論(理学部情報科学科3年次相当)の内容を、意欲的な高校生や学部1年次向けに直しています。そのため、原稿全体にわたって丁寧な書き直しをしています。最も重要なのは、導入スライドの内容にあたる説明をほとんどの章について新たに書き下ろした部分です。
また、「全角文字は使わない」、「コメント文をつける」、「for文やif文の意味」など、プログラミングに初めて挑戦する方の補助となるような解説を細かく足したりもしています。自習しやすいように、索引や章末問題の略解も用意しました。
第0回: Pythonの環境構築
https://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture0.html
第1回: 簡単な行列計算とグラフの描画
https://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture1.html
第2回: 気象データの描画
https://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture2.html
導入スライド:https://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info2.pdf
第3回: 気候値の計算
https://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture3.html
導入スライド:https://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info3.pdf
第4回: 偏差の計算
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture4.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info4.pdf
第5回: トレンドの計算
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture5.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info5.pdf
第6回: インデックスの定義
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture6.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info6.pdf
第7回: コンポジット解析
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture7.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info7.pdf
第8回: 回帰係数と相関係数
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture8.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info8.pdf
第9回: 回帰図と相関図
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture9.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info9.pdf
第10回: 地図の描画と気象のテレコネクション
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture10.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info10.pdf
第11回: 主成分分析1
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture11.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info11.pdf
第12回: 主成分分析2
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture12.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info12.pdf
※内部生の方は,ここまでの内容が研究室の配属条件になっています。神山研究室については,詳しくはこちら。
https://sites.google.com/site/tsubasakohyama/%E7%A5%9E%E5%B1%B1%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%AE%A4
気象情報解析特論
朝倉書店版(第II巻)では、気象情報解析特論(大学院情報科学コース初年次相当)の内容をさらに発展させ、意欲的な理系の大学生・大学院生・プロの研究者の方が抑えておくべき最低限の内容に焦点を絞り、「我が国の気象・気候データ解析のスタンダード」を目指しました。自習しやすいように、索引や章末問題の略解も用意しました。
第1回: フーリエ級数
(朝倉書店版の方では、
・振幅スペクトル
・周波数とパワー
・パワースペクトル密度
など、大学院の授業では時間の都合上扱えない内容を網羅的に解説しています)
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture13.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info13.pdf
第2回: パワースペクトルの計算
(朝倉書店版の方では、
・ピリオドグラム法
・ウェルチ法
・窓関数
など、大学院の授業では時間の都合上扱えない内容を網羅的に解説しています)
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture14.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info14.pdf
第3回: 移動平均
(朝倉書店版の方では、導入スライド沿った説明を新たに書き下ろしています)
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture15.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info15.pdf
第4回: ローパスフィルタとハイパスフィルタ
(朝倉書店版の方では、パワースペクトルの計算をウェルチ法で書き換えています)
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture16.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info16.pdf
第5回: バンドパスフィルタと気象の時間スケール
(朝倉書店版の方では、パワースペクトルの計算をウェルチ法で書き換えています)
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture17.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info17.pdf
朝倉書店版では、第5回と第6回の間にあたる内容である
・ラグ回帰相関解析と時系列の自己相関(ラグ相関、ラグ回帰図、自己相関とメモリー)
・クロススペクトル解析(位相のずれ、コスペクトル、クアドラチャスペクトル、2乗コヒーレンス、位相スペクトル)
の2章を新たに書き下ろしています。
第6回: 主成分分析を用いた気象データの分析(EOF解析)
朝倉書店版では、North et al. (1982)のEOFの検定について追加しています。
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture18.html
導入スライド:http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info18.pdf
第7回: 特異値分解(理論編)
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture19.html
導入スライド:http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info19.pdf
第8回: 特異値分解を用いた気象データの解析(MCA)
http://web.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture20.html
導入スライド:http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info20.pdf
朝倉書店版では、第8回と第9回の間にあたる内容である
・示強変動抽出(IVE)(EOFの「面積比重み付け」再訪、示量変数と示強変数、EOFとIVEの比較、実効相関面積)
の章を新たに書き下ろしています。
第9回: 統計検定と推定の考え方
http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture21.html
導入スライド:http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info21.pdf
第10回: 平均値の差のt検定
http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture22.html
導入スライド:http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info22.pdf
第11回: 相関係数と回帰係数の検定と推定
http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/Lecture23.html
導入スライド:http://www.is.ocha.ac.jp/~tsubasa/env_info/env_info23.pdf
朝倉書店版では、第11回の後にあたる内容である
・パワースペクトルの検定(ピークのF検定、レッドノイズパワースペクトルの理論式、棄却限界値、アプリオリな期待に関する注意)
の章を新たに書き下ろしています。