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2025-77 日本動物学会名古屋大会(ポートメッセ名古屋): 2025年9月4日
小樽から新千歳空港へ移動し、中部国際空港へ。名古屋で開催される日本動物学会に参加しました。今回は本学の実習と会期が重なったしまったため、お声かけいただいたシンポジウムだけの参加になりました。本シンポジウムは東京理科大学の榮先生がオーガナイズされて、色々な側面から"性"の研究に取り組んでいる研究者5名の発表がありました。私はフクロムシやヤドリムシで進めているプロジェクトのうち、広島に来て加速させている研究について集中的に紹介しました。会場は開始直後から満員御礼で、質疑も盛り上がり、トーク後にも多くの方にお声かけいただけました。短い滞在時間でしたが、非常に濃い時間を過ごすことができました。来年はもっとゆっくりしたいな....!(2025年9月5日)
2025-76 ヤドカリ採集(北海道小樽市): 2025年9月1–3日
能登からの帰りに小松空港から羽田空港に飛び、そして新千歳空港へ。今回はホンヤドカリ類に寄生するフクロムシを求めて神奈川大学の梶本麻未博士と小樽へ向かいました。2年前に初めて梶本さんに連れて行ってもらって以来の2度目になります。しかし天気予報と海況があまり良くなく、1日目は本命の場所を断念...。しかし2地点目はヤドカリがほとんど採集できず。最終日、やはり波が高く調査が難しい状況でした。「いや、もしかしたらこれくらいの波ならいけるかも?」と胴長をきて海に入ったら岩で弾けた波を頭から浴びてビッチョビチョに。すぐさま退散してヤドカリは0匹でした。野外採集は引き際がとても大切ですね。今月、また機会を見つけて再挑戦します!(2025年9月5日)
2025-75 能登半島調査: 2025年8月28–31日
もうヤケクソに近い今月3度目の能登調査...。今回はこの後に別の場所への出張と連続するため広島から金沢までは電車で向かい、レンタカーを借りて能登へ。今回は院生1名と毎季節恒例のスキューバ潜水による藻場の生態調査に加えて、のと海洋ふれあいセンターのシュノーケリング講習会クラブである"ウミモグラ"の指導者講習会と海中清掃活動に参加しました。久々にシュノーケリングで海を漂うと普段気にしない海藻や生き物の不思議さに気づきます。本当に研究はいつまででもネタに困らないですね...笑。(2025年9月5日)
2025-74 ハチ干潟(広島県竹原市): 2025年8月26日
昨日は実習で行ったので調査はできなかったため、2日続けて賀茂川をくだりハチ干潟へ。今回のお目当てはとあるカニ。昨年の調査データからするとそろそろ干潟で観察できるのは最後になるだろうとのことで、無理やりスケジュール調整しました。今回は当研究室の生き物大好き技術職員さんも同行してくれました。成果はギリギリ必要個体数を確保できました。なんだか急に秋の気候になりました。干潟での生物の動向も変わってきているのがわかります。もう少し夏を満喫したかった.....。(2025年8月30日)
2025-73 里海フィールド演習(広島大学): 2025年8月25–27日
広島大学で開催された里海フィールド演習に講師として参加しました。今年度は中四国地区の国公立大学6校(愛媛、香川、鳥取、山口、岡山、島根)から16名の参加があり、私は干潟での調査をお手伝いしました。塩ビ管を用いた干潟でのコアサンプリングで泥を採集し、1 mm篩で取れた生き物を分類群ごとに計数して2地点間での群集組成を比較するという内容でした。初めて実施する内容でしたので私もとても勉強になりました。夕方の干潮だったので暑さもマイルドで、実習生の手際もよく進みました。実習生によるプレゼンも見事でした。本学から開催記事はこちら(https://www.hiroshima-u.ac.jp/seisei/news/92475)。(2025年8月30日)
2025-72 ため池調査(東広島市): 2025年8月24日
さて、今月のため池調査。水辺の雑草は青々と茂り、雨が少ない割には減水の少ないため池は今月はどんな生物たちが見られるのか暑い中胴長を着ての調査でした。もう、灼熱でした。胴長なんて着てられない。水に入ると涼しいと期待したのに、水温は28-29度と全然冷たくない。採集できる生物も先月とまた変わった印象でした。イトトンボのヤゴが減ったなーという印象です。この調査も残すところあと4-5ヶ月!最後までしっかり調査し終えたいと思います!(2025年8月25日)
2025-71 第1回生物教育研修会(広島県): 2025年8月23日
前日までの疲れが取れたのか取れてないのかわからないまま朝が来て、広島県江田島市で開催された広島県私立中高等学校教科研究会生物教育研修会が主催のウミウシ観察会に参加者側として参加しました。今回は大阪ウミウシ研究会のスタッフのみなさんや大阪府のきしわだ自然資料館の柏尾 翔学芸員によるサポートがありました。柏尾さんのとても面白いウミウシ観察に関する講義や江田島にある釣付海岸でのウミウシ採集会を堪能しました。我々は学生と息子と参加しましたが、1.5時間の採集で5種類のウミウシを見つけました。が、参加者が採集したウミウシを最後に集計するとなんと20種類も見つかっていました。ウミウシ研究会、恐るべし...。釣付海岸は昨年も調査に来ていましたが、干潟、岩礁、アマモ場、ガラモ場とコンパクトな地形にめっちゃ豊富な環境が揃っていて、また本業の採集でもお邪魔しなければと感じました。流石に流石にちょっと疲れが....。
(2025年8月24日)
2025-70 能登半島調査(輪島市門前, 鹿磯海岸): 2025年8月22日
金沢大の公開臨海実習が終わる最終日、埼玉大学の友井拓実博士と能登空港で合流して輪島市の鹿磯海岸で海浜植物調査を実施しました。友井博士とは今年6月末にも同地点で同じ調査を行なっており、今回は前回からの変化や開花株による詳細な同定などを実施しました。11:00-12:30の1時間半の調査ではありましたが、灼熱の砂浜をひたすら歩き回る作業はとても体力を奪われました。同行した学生は海浜昆虫の採集調査を実施してくれましたが、そちらも暑さでヘトヘトになった様子でした。こんなに暑くて雨も少ないのに海浜植物は青々と茂っており、これからドンドン隆起海岸の風景も変わっていくのかなと考えさせられました。ちょっと暑すぎ...。この調査が終わり、友井博士を金沢駅までお連れして、公用車で広島大に戻れたのは日付変更ギリギリの23時過ぎ。流石に疲れが....。(2025年8月24日)
2025-69 公開臨海実習(金沢大学): 2025年8月20–22日
金沢大学の公開臨海実習「アカテガニに着目した海岸環境の保全に関する実習」に講師として呼んでいただきました。今回は全国の大学から集まった7名の参加者がおりました。幸い、実習中の天気予報は問題なく、新月の大潮に差し掛かる良い条件でした。初日の夜にホテル のときんぷら近くの海に面した遊歩道でアカテガニの放仔行動の観察を実施しました。全参加者が放仔行動を観察できたんじゃないかなと思います。震災前と変わらず非常に多くのアカテガニが観察できました。実習生は2日目にプランクトン採集でアカテガニゾエアの採集や湾内で捕獲した魚類の胃内容物の調査からゾエアが出てくるのかなどを調べました。月の満ち欠けに支配されたアカテガニの繁殖行動の不思議さを体験してもらえたのではないかと思います!
(2025年8月24日, 写真撮影:角田啓斗)
2025-68 能登半島調査(珠洲市〜能登町): 2025年8月19–21日
金沢大学の公開臨海実習の講師としてお呼ばれしたので、1日早く能登入りをしていつもの生物調査を実施しました。今回は、アカテガニがたくさん目撃されるようになったと話題になった珠洲市にある紀の川の河口の見学に行きました(左写真)。紀の川の近くにある林にアカテガニとクロベンケイガニの巣穴や小型〜大型個体がたくさんみられました。震災のあった2024年以降に大きく個体群サイズが増加した可能性があるのか気になりましたが、今回の調査ではその辺りには言及できそうにない感触でした。少なくとも、震災を乗り越えた3歳以上の個体も数多く棲息しているようです。今回の滞在中は実習プログラムの終わった夜中に砂浜海岸や岸壁でフクロムシの寄生調査をしたり、ブラックライトでヤスデを探したり、アカテガニの放仔状態を観察したり、ウニの調査をしたりと”いつもの”メニューをこなしました。(2025年8月24日)
2025-67 千倉大橋公園(千葉県南房総市): 2025年8月13日
8/8-14までの一週間、静岡ー神奈川ー千葉でヤドカリやカニの採集計画を立てていました。が、なんと天気が悪くことごとく採集調査が中止に...。どうしようもないのでデスクワークをしつつ、リフレッシュに充てました。遠征最後に予定していた千葉県南房総市での磯採集は天気も回復し、神奈川大のメンバーと予定通り採集できました。初めて行く磯はやはりとても良いです。今回の場所はヤドカリ天国と呼べる磯でした。不思議とウニやヒトデなど磯でよく見かける生物が全然いなかったのはよくわかりませんが、磯に行くたびにまだまだ世の中には未解明のことがたくさんあるなと気付かされます。(2025年8月16日)
2025-66 オープンキャンパス: 2025年8月8日
広島大学のオープンキャンパスでした。今年は当研究室が希望者のために開放することになったので飼育室と実験室を片付けしておもてなしの準備をしました。午前と午後の2スロットでしたが、思ったよりも時間が短くて果たして満足していただけたのか不安でした....。高校生だけでなく保護者の方もちらほら居られて、カニやヤドカリ、ヤスデなどをみてもらいつつ、学生たちがポスターを使って研究の概略を紹介していました。広島大学を志望してくれる学生さんが増えると良いです!(2025年8月16日)
2025-65 ハチ干潟(広島県竹原市): 2025年8月5–7日
神奈川大学の学部生3名と当研究室の学生2名の計6名でハチ干潟に行きました。メインの調査はテッポウエビと共生魚類の調査ですが、マメコブシガニやカブトガニの調査も同時に実施しました。とりあえず、酷暑を覚悟して臨みましたが、時折雲が太陽を隠してくれたり、珍しく風が吹いたりと疲れましたがなんとか乗り越えられました。成果はイマイチな部分が大きかったですが、干潟の生物たちも暑さに参っているように見えなくもない挙動でした。2日目も思ったより潮が引かず結果はイマイチに。3日目はやっと大潮ということで引くぜ、引くぜぇぇぇぇ。ようやく良い成果が得られました。3日間連続の干潟、今後はちょっとできないかもしれない....。(2025年8月8日)
2025-64 行動解析用の撮影環境の構築: 2025年8月4日
学変A共進化表現型創発の領域会議で生まれた新しい共同研究の一環として、カニの行動解析を始める準備をしました。行動解析用のPCニカメラを16台繋いでコードの海に溺れそうです。果たしてイメージ通りに行動記録を残せるのか、思ったようなデータが出てくるのか、わからないことだらけですがとてもワクワクしています。明日はこの装置で撮影する研究対象の採集に行きます!(2025年8月3日)
2025-63 能登半島調査: 2025年7月31–8月3日
能登半島へ!今回はそんなに予定ぎっしりスケジュールにしてなかったんですが、秋のドレッジイベントの打ち合わせとか夜間のサンプリングとかしているとあっという間に時間が過ぎてました。6月に大量に見つけたヤスデをおかわり採集を目論んでいたのに、なんと1個体も見つけられず...。これだから生物採集は一期一会だぜ。夏真っ盛りということで対馬暖流の勢いのせいか海面も高く、長靴で予定していた調査はできなかったり散々は散々でした。
最近、能登町も雨が少ないらしく、陸上だけでなく海の生物にもいろんな影響が出ていそうだなと肌で感じました。8月はあと2回能登に行きます!(2025年8月3日)
2025-62 ヤドカリの寄生虫(神奈川大学): 2025年7月26–27日
昨年度から今年度にかけて全国各地でヤドカリ類を採集してはカチ割って寄生虫を調べています。神奈川大のチームと協力して進めているのですが、ちょっと標本管理状態がカオス化しそうな雰囲気ノンストップだったため急遽神奈川大に突撃して整理を行いました。ほぼほぼ杞憂に終わったのですが、整理し損なっていた標本が見つかったり、種によってはある程度のサンプル数が揃ったところもあるのでデータのまとめかたを具体的に検討するフェーズに入ったことをチームで共有できたのはよかったです。(2025年7月28日)
2025-61 磯でのサンプリング(広島県広島市): 2025年7月25日
今年のウミウシ研究会でお会いした山陽女学園の先生にお声かけいただいて、広島市内の元宇品海岸での磯採集に参加しました。初めて行く磯はいつもワクワクします!天候には恵まれましたが、干潮時間が15時半とめっちゃ暑い中での採集となりました。石をめくるとマダラウミウシがどんどん現れてテンションが上がり、いい感じのヤドカリもいい感じで採集できました。カニ類がちょっと種数少なめでオウギガニ類はちらほら見かけて、ヒライソガニはもさっといましたがイソガニやアカイソガニなどはみられず。。フクロムシのついたカニに期待したのですが残念でした。また遊びに伺います!(2025年7月25日)
2025-60 ため池調査(東広島市): 2025年7月24日
あまりに夏すぎて暑すぎるので毎月恒例のため池調査も早朝の日差しが穏やかな時間帯に実施しています。今朝は7時から1時間ほど作業しました。木陰とはいえ、すでに日向は殺人的な暑さ....。学生と夏休みの息子を誘って調査を行いました。雨量が少ないので水量は着実に減少していますが、生物量は豊富だったようです。私は陸での記録係を仰せつかりましたが、蚊や蟻の攻撃を受けてテンションが下がる時間でした。蛇やハチはまだ活動時間前だったようです。地上の酷暑が水圏環境の生物にどんな影響が出るのか、まさしくモニタリングの意義が大きく問われていると実感します。作業者の安全第一に着実なデータを積み重ねていかなばと思います!(2025年7月24日)
2025-59 磯でのサンプリング(大阪府阪南市): 2025年7月22日
家族で大阪に遊びにきましたが、大潮だし、ちょうど大阪湾で採集しなければならない生物がいたことを思い出して息子を唆して干潮時間にちょろっとサンプリングを。共同研究者に採集地をピンポイントで聞き出して灼熱の磯で岩をひっくり返すも狙いの生物はなかなか見つからず。ヒライソガニやヤドカリたちはどんどん見つかるのに...。息子と手分けして磯の色々な環境を探すとようやく薄いパターンを掴み、何とかギリギリ必要個体数を確保。殺人的な太陽光線でした。。採集できた個体数は少なかったですが、ここはまた日を改めて採集に訪れたいと思いました!(2025年7月23日)
2025-58 磯でのサンプリング(神奈川県真鶴町): 2025年7月21日
関東ツアー2日目。朝5時半に真鶴町の琴ヶ浜に到着。ここには無料の駐車場があるのでサクッと駐車して小一時間サクッと採集して帰ろうと思ってました。思ってたんです。到着するとすでに駐車場がいっぱいでみんな海で遊ぶ準備を始めていました。おとなしく有料駐車場に車を停めて日陰で採集を開始。一番の目当てはイワガニだったのですが、岩の合間を爆速で駆け抜けるイワガニを捕獲できず...。おとなしくヤドカリを集めました。イソヨコバサミは日向ぼっこするんですね。以前そういう話を聞いた気がしますが、今回日向ぼっこ個体を大量に見かけたので感動しました。ヘトヘト....。(2025年7月21日)
2025-57 サワガニ調査(神奈川県秦野市): 2025年7月20日
ちょっと目が回りそうなのですが、一泊二日の弾丸関東ツアーです。初日は始発で広島を出て、神奈川県は秦野市を流れる2河川でサワガニの生態調査を実施しました。正午に神奈川大学の学生3名と合流しました。サワガニ自体はたくさん見つかるのですが、今月も抱卵個体は0...。そろそろ現れるかと思っていたので些かショックでした。毎月この調査は実施していますが、学生たちの作業練度も向上しておりみんなテキパキと作業できていました。日中は流石に日差しが殺人的ですが、いい感じの木陰でサワガニを探して計測などができたので清涼感に包まれて良いリフレッシュになった気がします。気がするだけかもしれませんが。。(2025年7月20日)
2025-56 STELLAプログラム(広島大学): 2025年7月19日
本学が実施している小中高生に向けたプログラムで、今回は小中学生を対象にした生物系の講義を1つ担当させていただきました。「科学に興味を持った尖った生徒さんがたくさんいます!」という話だったので、それならもうネタとしては寄生虫で行くしかないと考え、東北遠征と京都遠征で採集したヤドカリの殻を割ってフクロムシ/ヤドリムシを探したり、フクロムシやヤドリムシが寄生したカニ標本を解剖してもらったり、浅虫で仕入れたホタテからピンノや寄生性カイアシ類(ホタテエラカザリ)を探したりと色々体験してもらいました。夏休み中ということもあり、アカテガニやサワガニ、そしてUVで激光りするババヤスデなども紹介させていただきました!(2025年7月20日)
2025-55 京都大学舞鶴水産実験所: 2025年7月17–18日
1週間に及ぶ東北遠征を終えて、1日だけ広島で過ごしてからの京都遠征でした。今回は京都大学の舞鶴水産実験所に滞在させていただいて、一泊二日の舞鶴〜福井の磯での採集でした。今回の狙いはイワガニとヤドカリ!事前に教えていただいた3箇所の磯を巡り、順調にイワガニを採集できました。イワガニは佐渡、能登、隠岐でフクロムシを調べていますが、京都や福井は十分な調査ができていなかったので一気にやりました。結果、たくさん採集できたのですが、ちょっとアレ...ということもありました。これから学生が解析してくれるのでその結果を楽しみにしたいと思います!(2025年7月20日)
2025-54 東北大学浅虫臨海実験所: 2025年7月12–15日
仙台での国際学会が終わった日、神奈川大学の梶本博士と学会に参加していた浅虫臨海の森田博士となぜか仙台で合流した浅虫臨海の岩崎博士と合流して青森へ移動しました。目的はそう、浅虫のヤドカリとカニのフクロムシ調査!昨年、浅虫にお邪魔して臨海周辺の磯が良い感じだったのでいい季節にフクロムシの寄生率を調べてやろうと鼻息荒く東北遠征を組んだわけです。浅虫臨海の高校生実習の横でコソコソとヤドカリを採集してはカチ割る作業を繰り返しました。寄生率はちょっとアレでしたが、ホタテの寄生性甲殻類のネタを仕入れたり、浅虫臨海の方々のホスピタリティに癒され、死ぬほど美味しいシェイクを堪能した遠征となりました!(2025年7月20日)
2025-53 国際学会でのシンポジウムでの発表: 2025年7月11日
7月8-12日にかけて仙台の仙台国際センターで開催された19th International Congress of Comparative Endocrinologyに参加しました。私は11日に開催されたシンポジウム"JSCE 50TH ANNIVERSARY SYMPOSIUM: KOBAYASHI AWARD AND ENCOURAGEMENT AWARD OF JSCE: PAST CONTRIBUTIONS AND FUTURE DIRECTIONS IN COMPARATIVE ENDOCRINOLOGY"で話機会をいただきました。制限時間を大幅に超える失態を犯したことをここでお詫び申し上げます...。学会自体は本当に素晴らしく、新しい方々にもたくさんお話しできて実り多かったです。(2025年7月19日)
2025-52 高校生への模擬授業: 2025年7月8日
広島国泰寺高校の生徒さんに向けて模擬授業を実施しました。授業前に別の教員から生物生産学部の紹介があり、「この後で模擬授業をしてくれる豊田先生のいる水圏統合科学プログラムに興味ある人〜!」という質問で誰からも手が上がらないというアウェーの洗礼を受けて始まりました。望むところ。アカテガニやフクロムシの話をしつつ、本学や本学科に興味のある学生さんからいろいろな側面の質問をいただきました。教室、暑かったよね。滝のような汗を流しながら話しました...。進学先の候補として検討してもらえると嬉しいです。(2025年7月19日)
2025-51 能登半島調査: 2025年7月2–5日
あれ、先週もいたのにまた能登に...。ということで2週続けて能登遠征でした。今回はウミグモ/クモヒトデの専門家である新潟大の宮﨑勝己先生と学生さん、そしてウニの巣穴共生の専門家である京都大学の山守瑠奈先生とその学生の総勢5名でした。隆起海岸での調査、磯でのシュノーケリング調査、夜の磯調査、ヤスデ調査、砂浜調査...とてんこ盛り盛りの遠征でした。夏らしいちょっと暑すぎな空模様でしたが予定していた調査は完了してデータや標本管理に追われています。今回は貝類について初めて名前を聞く種がたくさんいました。まだまだ知らないことばっかりです。(2025年7月6日)
2025-50 能登半島調査: 2025年6月24–27日
やってきました、能登半島!今回は私の研究室から院生と学部生の2名、そして別のラボから研究生1名、埼玉大学の友井拓実先生、弘前大学の森井悠太先生の総勢6名でのチームでした。友井先生は植物生理学の専門ですが、陸生植物の知識がものすごいので能登半島地震で生じた隆起海岸の海浜植物調査にご協力いただきました!森井先生はカタツムリの生態学で著名ですが、あらゆる自然現象に対する知識の広さと深さが凄まじく、以前より能登半島調査に必死でお声かけしていて今回ようやくお招きすることができました。広大から参加してくれた学生さんたちはヨコエビ類や昆虫類に詳しいメンツで各々の視点で調査を実施してくれました。今回の能登臨海実験施設での滞在は東大三崎臨海や東北大浅虫臨海の方々もいらっしゃったので、BBQを企画していただいてお邪魔させてもらっちゃいました。もうね、最高に楽しい遠征だったのでここでは書ききれないですね、困った。(2025年6月28日)
2025-49 東京大学大気海洋研究所大槌沿岸センター(岩手県大槌町): 2025年6月18–22日
毎年一度伺っている大槌沿岸センターですが、今年は院生と梶本麻未博士(神奈川大学・ポスドク)と3人で行ってきました。これまでは野外での採集はほとんど実施していなかったのですが、今回は初の潜水調査や磯での採集も行いました。梅雨の時期ですし広島よりは涼しいだろうと踏んでいたのですが、新花巻駅に降り立って燦々の太陽に絶望しました。レンタカー屋のお兄ちゃんも「今日からっす、こんな暑いの!」とのことだったので晴れ男属性が出てしまいました。お目当ての生物もたくさん採集できて満足でした。6/20(金)には岩手県水産技術センターにお邪魔して施設の見学をさせてただきました。巨大な施設に圧倒されました!その日のランチに行ったおすすめのラーメン店のチャーシューの大きさにも圧倒されました!(2025年6月23日)
2025-48 アカテガニ探し(広島県竹原市): 2025年6月14日
例年、6月に入った頃には夜の気温も上がりアカテガニの姿が見えるのですが、今年はまだ朝晩は肌寒くカニたちの動きも鈍い印象です。5月中旬から実験用のアカテガニを求めては竹原市のポイントをうろついていますがなかなか出会えず、空振りを繰り返していました。ようやく昨晩、良いサイズの個体を発見できました。写真ではわかりにくいですが、雨の予報を掻い潜り奇跡的に雨が止んだタイミングで現着しました。濃い霧が出ていたのですぐそばにいるはずの息子を視認するのが難しいほどでしたが、調子の悪い懐中電灯がポルターガイストっぽい演出をしてくれてなんかもう盛り上がりました。さぁさぁ、夏が始まります!(2025年6月15日)
2025-47 基礎生物学実験I(広島大学): 2025年6月12–13日
広島大学生物生産学部2年生を対象にした基礎生物学実験を担当しました。去年は着任直後だったので担当がなかったので、初めての実習となりました。初日は能登半島と隠岐島で採集した海藻から洗い出した無脊椎動物を12種類(等脚類、ヨコエビ類、ワレカラ類、コエビ類、タナイス類、ヤドカリ類、カニ類、多毛類、腹足類、二枚貝類、線形動物類、その他)にソーティングして全個体数を計数しました。普段見られない形をした生物であることに加えて、小さいサイズに悪戦苦闘しながらも海藻に上手く擬態した生き物を探し出していました。2日目はカブトガニ、タカアシガニ、マメコブシガニ、アメリカザリガニ、オオヨツハモガニ、トビズムカデ、ガムシ、ゲンゴロウ類などの生体や標本のスケッチでした。全身や全身のうち25%を各自の視点で抽出して書いてもらったり、普段の生活では観察しない解像度で生物を見てもらいました。(2025年6月14日)
2025-46 隠岐島遠征(島根県): 2025年6月9–11日
広島大から私と院生と学部生の3名、そして神奈川大の学部生3名の合計6名で行ってきました隠岐島。今回も道後だけの調査で、今回のメインはテッポウエビと共生ハゼでした。ちょうど6月9日に中国地方も梅雨入り宣言されたので雨の中の作業を覚悟していましたが、なぜか雨雲が隠岐島をスルー。おかげさまで滞在中は雨に降られることなく、むしろいい天気で暑いくらいの調査でした。3月末の調査では季節外れの吹雪に遭ったりして成果はほとんどなかったのですが、今回は予定していた以上の成果を得ることができて卒業研究としてなんとか成立しそうな雰囲気になってきてホッとしています。写真はタイドプールでヤドカリを探しているところです。梅雨とは思えない青い空と白い雲!(2025年6月14日)
2025-45 学術変革A 共進化表現型可塑性 領域会議(京都府立大学): 2025年6月7–8日
今年度から公募班で参加させていただいている学変の領域会議でした。計画班の方だけでなく公募班の多くの方が初めてお会いする方でしたが、もう最高に刺激的でした。これまで私が一方的にお名前を存じ上げている方は多くいたので、直接お話しする機会もいただいて背筋が伸びました。ピシッとね。フクロムシ研究を一気に推し進める絶好の機会ですので、面白い成果をどんどん発信していきたいと考えています。今回は私だけでなく、神奈川大の梶本麻未博士と当研究室のM2学生2名もポスター発表をして、フクロムシ宣伝と具体的な共同研究の道筋をいくつも立てることができました。もうちょっとでフクロムシ+宿主のハイシーズンですので、しっかり準備してまいります!(2025年6月8日)
2025-44 ため池調査(東広島市): 2025年6月6日
来週から中国地方も梅雨入り予報ということで予定を前倒して毎月恒例ため池調査に繰り出しました。もう蚊がいます。げんなりです。先月に比べると採集できる生物数が少ないような感じでしたが果たして...。胴長での作業になりますが、来月からは過酷そうな気配がすごいです。ただ胴長を「着用せずにため池に入るのはかなり躊躇するので来月以降の夏場の調査は覚悟を決めていかねばなりません。私はまだ水生昆虫の超初心者なのでミズカマキリで大興奮できるのですが、そういえば最近の調査では見てないな...。一体何処へ。。(2025年6月6日)
2025-43 ハチ干潟と的場海水浴場の調査(竹原市): 2025年6月1日
うちのグループの学生3名と学部1年の学生3名を引き連れてハチ干潟へ行きました。大潮じゃなかったのと、時間を読み間違えて1時間くらい暇になってしまったので竹原ステーションへ。そしてお隣の的場海水浴場でアカテガニの捜索をやりました。写真の水路にいいサイズのアカテガニの脱皮殻がたくさん落ちていたので、ようやく姿を現し始めてくれたようです。見つけたいいサイズの個体は全てまだ脱皮直後だったので採集を断念しましたが、来週あたりにはいい感じになっていそうです。その後、17時半からハチ干潟に突撃して、各々興味のある生物採集に勤しみました。2時間ほどでしたが暑くもなく、風もなく、生物もほどほどにいて良い調査でした。(2025年6月2日)
2025-42 水田の生物調査(東広島市): 2025年5月31日
天気予報がはずれ好天になったものの、ちょっと暑いので干潟に行く気になれず...。そういえば東広島の田植えは5月末頃からだったと思い出し、去年もお世話になった水田へ。農家の方へ挨拶をして水田とハス畑でカブトエビとホウネンエビの捜索開始!去年は出遅れて瀕死に近いカブトエビとホウネンエビしか見つけられなかったのですが、今年は状態の良いカブトエビをゲット。しかしホウネンエビがおらず...。あれれ。しばらく探しましたが、やたらでかいカイエビ類はいるもののホウネンエビは見つけられず。残念。カブトエビも昨年爆沸きしていた水田で見られないところもあり、毎年安定して発生するものではないと改めて感じました。(2025年6月2日)
2025-41 ハチ干潟と的場海水浴場の調査(竹原市): 2025年5月30日
元々何も予定していなかった日ではありますが、大潮だし、天気いいし、デスクワークも色々区切りがついたとみなせなくもないし、いざフィールドへ。まずハチ干潟に行って、ヤビーポンプとかヤドカリ拾いとかマメコブシ集めとかしました。干潮が18時と夕方からの作業だったのでそこまで暑くもなく。調査中に良いサイズのカブトガニにも遭遇できましたし、先週末にはみなかったフナムシもゴカイ類もヤドカリ類もたくさん出てきてましたのでこれから海は賑やかになりそうです。(2025年5月31日)
2025-40 梅津寺の磯(愛媛県松山市): 2025年5月29日
神奈川大学の梶本麻未博士と愛媛県松山市の梅津寺にある磯にサンプリングに行きました。初めての場所というのはどのあたりに狙いの生き物がいるのかもよくわからないのでひたすら歩き回るのですが、早々に空腹でHPがゼロに。午前中に講義を終えてそこから松山に移動したのでそもそも残存HPが底をつきかけていて色々なペース配分を誤りました。そんな感じで途中から糖分摂取欲に支配されていましたが、目的の生物は少なめだった一方で思いがけない生物がたくさん採れることがわかったりと、収穫はありました。ヘットへトのクッタクタではありますが、せっかくの大潮なのでちょっと無理してでも行った甲斐はありました。(2025年5月30日)
2025-39 ハチ干潟と賀茂川調査(竹原市): 2025年5月25日
昨日の雨が心配でしたが、予報通り空模様は良い感じ。賀茂川が増水しているとサワガニ調査はもちろん、その河口に広がるハチ干潟もアクセス自体が困難になるため少し早めにラボを出発しました。朝9時過ぎ、賀茂川のサワガニ調査地点に到着。若干水量は増していますが、濁りもなく、危険性もないと判断したのでサワガニ調査を始めました。サクサクっとサワガニが見つかり、作業自体は1時間ほどで完了しました。その後、ハチ干潟に移動してテッポウエビ+共生ハゼの調査。一昨日の調査で干潟全体でどの辺りがホットスポットが目星がついていたので重点的に狙い撃ちしました。ノンストップで3時間ぶっ通しでヤビーポンプをやりまして、成果は上々でした。ただ、ヤビーポンプで捕獲される生物のレパートリーがなんだか少ない印象でした。地表を徘徊するヤドカリも少なめ。これから暑くなってきてからが本番でしょうか。日焼け対策を完全に失念していたため腕も首周りも真っ赤に焼けました....。(2025年5月26日)
2025-38 ハチ干潟と賀茂川調査(竹原市): 2025年5月23日
今年度、神奈川大学から卒研指導を任されている3名のうち、2名が広島へ。どちらも主フィールドは広島ではないのですが、せっかくなので広島でも調査してみようということで来てもらいました。まずは干潮時間に合わせてハチ干潟へ。どうやら半年ぶりだったようで驚きましたが、大きな流木が残っていたりと記憶の景色との整合性は高かったです。ハチ干潟でのターゲットはテッポウエビとその共生ハゼ類。ハチ干潟の図鑑では両方掲載されているのですが、自分では採集したことなかったので広大な干潟のどの辺りにいるのか見当をつけるところからのスタートでした。大潮ではなく限られた時間での調査でしたが、成果はほどほどでした。モクズガニも大量に!そのあとはハチ干潟に河口を有する賀茂川にてサワガニの調査でした。実に2021年からこそこそとちびちびとデータを蓄積しているプロジェクトです。思ったよりサワガニが見つからなかったのですが、たくさんのインスピレーションは得られまして、まだしばらくこのネタで楽しめそうと思った次第です。(2025年5月24日)
2025-37 ため池調査(東広島市): 2025年5月22日
毎月恒例ため池調査第二弾です。写真の通り、水面にはジュンサイやヒツジグサなどの浮葉植物がたくさん見られ、ヒツジグサは開花もしています。トンボ類もたくさん出現して交尾・産卵行動も観察できました。昨日の雨で若干水位が増しているようでしたが、ガサガサ調査で水棲生物を採集しました。最近ニュースになっていたコオイムシも採集できて大満足です(ちゃんと卵背負っている個体も!)。明らかに水生動物等の動きが早いので彼らにとって最も活発な時期になったということだと思います。(2025年5月23日)
2025-36 ため池調査(東広島市): 2025年5月19日
毎月恒例のため池調査。今日はいつもの2池同時の網ガサ調査ではなく、環境DNA分析用の採水がメインでした。先月の調査では池周辺の草花はまだ緑が少なかったですが、すっかり水際は陸上植物で緑一面でした。写真の池は水生植物が少ない方ですが、もう片方は浮葉植物が水面を覆っていて先月までとは全く違う池の様子でした(写真撮り忘れ....)。暑すぎず、冷たすぎず、毛虫や蚊などの不快成分もなく、とても良い調査日和でした。これからどんどん暑くなっていくのでしょうが、水生動植物の組成がどう変わっていくのか楽しみです。(2025年5月20日)
2025-35 学会:動物学会中国四国地区支部会@愛媛大学城北キャンパス: 2025年5月17–18日
日本動物学会、植物学会、生態学会の生物系三学会の合同大会が愛媛大学で開催されました。うつの研究室からは私とM2とB4の学生の総勢3名で参加してきました。発表は学会員しかできませんが、ポスターや口頭発表は学会員でなくても聞くことができたため普段接点のない植物学会と生態学会のポスター会場は楽しく拝見させていただきました。知らない顔の方が圧倒的に多く、海産系のテーマも多くなかったことから久々にいろんな情報に接することができました。来年は米子開催らしいので、面白い成果を提げて参加できるようにまた1年頑張っていきます。(2025年5月19日)
2025-34 出張:サンプリング@葛登支(北海道函館市): 2025年4月28–30日
昨年から函館に行く機会が多いですが、今回は初めてサンプリング目的でした。滞在は初訪問となる北海道大学の臼尻水産実験所を利用させていただきました。とても良い磯が施設を囲むように広がっていて最高でした。今回は実験所周辺でのサンプリングではなかったので次回はぜひ色々探してみたいなと思っています。サンプリングの本命は北海道大学函館キャンパスから車で20~30ほどの磯でした。29日は残念ながら悪天候で中止になりましたが、30日は良い天気でした。お目当てのカニもヤドカリももっさり獲れて、とても良い磯でした。これはもう毎年行っちゃうやろ...って感じです。29日はラボの先生や学生さんと丸一日おしゃべりさせてもらいまして、なんか頭の中で未整理だったことが人と話すことです〜っと整理されていく久しぶりの感覚でした。めっちゃ有意義だった函館遠征でした。エッセンスとしてはヨモギホンヤドカリがこれからアツくなりそう。(2025年5月1日)
2025-33 出張:基礎生物学研究所: 2025年4月23–24日
久々の出張のない1週間かと思いきや、とある実験を緊急にやる必要が生じたため岡崎へ。いつもドタバタですが、こんなドタバタ野郎の無理なお願いをいつも気持ちよく受け入れてくれる基生研の方々には本当に感謝以外の感情が湧きませぬ...いつもありがとうございます。ドタバタの中で共同研究者からサンプルを集め、想定外の苦戦を強いられながらなんとか予定の実験は無事(?)に完了しました。さ、面白い研究に繋げられるように頑張ります!(2025年4月25日)
2025-32 サンプリング@アクアワールド茨城県大洗水族館: 2025年4月17日
茨城県大洗町にあるアクアワールド茨城県大洗水族館の方々にご協力いただきましてカニのサンプリングを行ないました。当研究室からM2学生と私、神奈川大学から3名の協力を得て行いました。採集調査自体は16-17日の2日間でしたが、私は16日の領域会議に参加のため17日の早朝に水戸に移動して1日だけの参戦となりました。これまで野外調査でまとまった数の採集ができていなかったカニ採集でしたので「今回はちゃんと集まるのか...」と不安でしたが、水族館の方々のご協力もあり過去最高の取れ高となりました。天候にも恵まれ、バッチリ日焼けしました。採集した個体を広島に発送し、これから飼育系の立ち上げを学生と一緒にがんばります。(2025年4月18日)
2025-31 領域会議(時間タンパク質学)@東京大学: 2025年4月16日
今年度から公募班として参加している学術変革A:時間タンパク質学の領域会議が東大で開催されました。今回は私を含め公募班の自己紹介や共同研究の創発の場として企画されたものでしたが、私自身もほとんどが初めてお会いする先生・学生の方々でこれから2年間アカテガニをモデルに面白い研究を進めていける機会をいただいたとてもワクワクしています!(2025年4月17日)
2025-30 能登遠征: 2025年4月9–13日
今回の能登半島の調査は能登里海教育研究所、のと海洋ふれあいセンター、石川県立大学、そして東北大学との共同研究として始まった能登半島地震による海岸隆起が動植物に与えた影響を調べるプロジェクトの一環でした。また今回は新しく京都大学の方をお招きして能登半島のベントスの調査もご一緒させていただきました。能登の滞在は行くたびに調査項目が増えているのでいつも忙しない感じですが、今回も概ね天候には恵まれ色々な視点で動植物の観察ができました。季節はだいぶ春になってきて、観察できる生き物も変わって来ています。この変化をしっかりと捉えていきたいと思います!(2025年4月14日)
2025-29 研究室の1周年: 2025年4月1日
怒涛の遠征ラッシュで言及できませんでしたが、広島大学でテニュアトラック助教がスタートしてまる一年が経ちました。「大学教員になれたらアレもコレもじゃなくて仕事を絞らないとダメなのか」と思っていましたが、現職ではこれまで以上に自由な裁量で研究教育活動を実施させてもらえています。念願の学生の指導も始まり、忙しくはありますが楽しさが大いに勝る1年でした。昨年度は筆頭/責任著者として国際誌3報(現在投稿中5報)共著1報(現在投稿中2報)、和文誌18報を発表できました。学会やセミナーなどは11件でトークさせていただきました。前職までは「ここでキャリアが終わるかもしれない」という焦燥感に駆られて風呂敷を広げまくるスタンスでしたが、そこから少しずつ面白い成果が出てきているプロジェクトを今後の研究室の基盤プロジェクトに育てていきたいと思います。2025年度は科研費の代表3件(分担6件)、民間助成2件、共同利用6件に採択いただいたので、しっかり責任を持って取り組んでいきたいと思います!左のイラストは研究室のweb pageを餌にchatGPTに描いてもらいました。(2025年4月7日)
2025-28 ため池調査(東広島市): 2025年4月6–7日
毎月恒例の東広島市内のため池の動植物調査です。6日の早朝に神奈川県秦野市のホテルをチェックアウトして、夕方に広島大に戻り、その勢いのまま1つのため池の調査をやりました。へとへと。そして翌日の今日、もう一つのため池調査をやり、なんとか今月の調査も完了(水生動物のソーティングはまだ学生が格闘中....)。先月と先々月は池の水が白濁していたのですが、今回は綺麗に透き通っていました。これもため池の季節変化なのでしょうか。注水植物も新芽がどんどん出てきて季節の変化を身をもって感じることができました。こういう体験は本当に大切で、研究室に閉じこもっていては見えてこないなとつくづく感じました。でもちょっとへとへとのへとへとです。。(2025年4月7日)
2025-27 神奈川遠征: 2025年4月1–6日
年度初めから遠征です。え、昨日隠岐から広島に戻ったばかりなのに....。今回は車で神奈川に突撃しました。まず初日は東京大学の三崎臨海実験所にお邪魔して先生方や学生さん、スタッフの方々と情報交換させていただきました。飲み会最高でした!2日目は葉山町の磯で生物採集。天気は好転したのですが、お目当ての生物はほとんど見つからず。。代わりにヤドカリをたくさん採集!大学院時代の指導教員だった井口泰泉先生ご夫妻ともお会いできて良い時間を過ごさせていただきました。3日目は神奈川県生命と星・地球博物館にて標本調査と、午後からは真鶴海岸にて生物採集を。ここでも目的の生物はほとんど採集できず、ヤドカリを大量に...。4-5日目は神奈川大学から指導委託を受けている学生さんの卒研テーマを遂行するために秦野市内の河川を巡り、サワガニを探しました。「まだ寒いかな...。」と思っていましたが、一気に春の天気になり、サワガニは思った以上に見つけることができました。データももっさり取れたので大満足!まさか広島から神奈川まで車で調査に行くことになるとは思いもしませんでしたが、直線距離で700-800 Kmなので、広島から能登までと変わりませんでした。むしろ新東名があるので能登よりも早くつきました。次回からは電車で行きます。(2025年4月7日)
2025-26 隠岐島遠征: 2025年3月28–31日
年度末のきわっきわに行ってきました。島根県は隠岐の島町(道後)!今回は神奈川大学から指導委託を受けた学部生の卒研テーマの遂行のために神奈川大生1名と広島大から3名、そして神奈川大の大平剛先生と私の6名チームで上陸しました。そろそろ暖かくなると信じて計画した遠征でしたが、なんと寒波が到来。外気温は日中でも4度で、まさかの吹雪もありました。事前調べの甘い我々は大した防寒もなく、島唯一のホームセンターも改修中のため長いゴム手袋の確保もできず、風が吹き荒れる砂浜で黙々とヤビーポンプを差し続けました。成果は....今ひとつでしたが計画通りにいかないのがフィールド調査という学びを得て、鼻水を垂らしながら遠征終了となりました。また行きます。(2025年4月7日)
2025-25 能登遠征: 2025年3月22–26日
能登半島地震と豪雨災害が砂浜の生態系に与えた影響を調べるために今回は海浜昆虫をターゲットにした調査を行いました。当研究室からは私と大学院生と学部生の3名が、そして東京理科大学、九州大学、北海道大学の学生3名を加えた6名のチームでした。震災による海岸の隆起で広がった砂浜にまだたくさんの流木やゴミが残っておりますが、それらや打ち上がった海藻の下に隠れている昆虫類を探しました。3月末でまだそんなに昆虫は見つからないかも...という時期での調査でしたが、意外や意外、たくさんの昆虫を見つけることができました。昼間は砂浜で昆虫を探し、夜は能登町の海岸でいつもの甲殻類採集を行い、スキューバ調査もやったりとクッタクタになりましたが他大学の学生さんの豊富な知識や採集スキルを間近で拝見して今後の継続的な調査の可能性を大いに感じることができました!(写真:有村拓真)(2025年3月27日)
2025-24 送別会: 2025年3月19日
水族生態学グループで送別会を行ないました。なかなか2研究室合同での交流機会がなかったので、全員参加とはいきませんでしたが市内の激ウマ焼肉店で卒業生・修了生を労いました。うちのグループからも卒業生が1名いますのでお肉でお祝いでした。お店に入る前になかなか5人揃った写真を撮る機会がなかったので記念に1枚!90分の食べ放題コースが一瞬と思うほどあっという間に時間が過ぎてしまいましたが、こういうワイワイやる機会は大変良いです。お腹いっぱい。(2025年3月20日)
2025-23 関西遠征ツアー その3: 2025年3月13–16日
今回の関西遠征ツアーは博物館の水族館巡りだけでも大収穫だったのですが、メインに据えていたのは京都大学の瀬戸臨海実験所での共同研究でした。同行メンバーも多く、当研究室からは私とM1が、そして神奈川大学の大平研究室から大平先生と博士研究員、そして学部3年生3名が参加しました。予定ではあれもこれもそれもやるはずだったのですが、思ったよりも準備していただいていたヤドカリ標本の数が多く、朝から晩までずっと地道な作業を分担して行いました。だんだんとメンバーに疲れの色が隠せなくなると口数も減っていきましたが、どんどん目標を下方修正して(というよりサンプルが多すぎてもうどうにも....)なんとか収まりの良いところまで作業できました。名物のスイーツは結局食べることは叶いませんでしたが、私自身が瀬戸臨海に初めてお邪魔して、さらに先生方や学生さんたちと交流することもできてとても充実した遠征でした。たまたま調査に訪れていた他大学の学生さんとも再会できて嬉しかったですし、たまたま大潮に当たる日程だったので夜中の干潮時に磯遊びを堪能することができました!(2025年3月17日)
2025-22 関西遠征ツアー その2: 2025年3月14日
関西遠征ツアーの2日目は和歌山県すさみ町にある「エビとカニの水族館」にお邪魔して、前日同様に貴重な甲殻類の計測をさせていただきました。こちらの水族館さんは甲殻類に注力されているので以前からいつか訪れたいと思っていました。今回は急なお願いにも関わらず館長さんをはじめスタッフの方々の温かい対応で想像していたよりも多くのデータを得ることができました。また、和歌山県内の耳寄り生物情報もたくさん伺うことができまして、和歌山にまた調査で訪れねばならなくなりました!館内も見学させていただいて、SNSで見ていた図鑑のような展示だけでなく、あれもそれもこれも本当に素晴らしい施設でした!!!!!ヤドカリのグラビアシリーズも全巻買ってしまいました...。(2025年3月17日)
2025-21 関西遠征ツアー その1: 2025年3月13日
珍しい関西遠征ツアーの初日、大阪市立自然史博物館と和歌山県立自然博物館にお邪魔してカニ標本の計測させていただきました。昨年の甲殻類学会で「博物館の標本を用いる研究では時間も場所も飛び越えてデータを集めることができる」というお話を聞いて何かできないかと考えていた矢先、たまたまこの作業が必要な実験が始まりました。私自身、博物館に収蔵されている標本をお借りしてデータを取得するのが初めての経験で、あまりに未知の経験で変な汗をかきました。学芸員さんの丁寧なサポートで無事に貴重な標本からデータを得ることができホッとしています。今後も博物館を研究に利用させていただきたいと強く思いました!(2025年3月17日)
2025-20 ため池調査(東広島市): 2025年3月9–10日
数年ぶりの花粉症に苦しんでいます。3月のため池調査で作業を始めたところからくしゃみと涙が...。つくしもひょっこり顔を出して(涙目で撮影したので完璧に主役がボケて...)、採集できる生物も先月とは比べ物にならないほど量が増えました。春、急に来ました。季節の変化のグラデーションがなくなりつつあるのをこんなにも体感すると各地で生物情報をしっかりと遺す活動の重要性が増すのではないでしょうか。これからどんどん生物の組成も変わっていくのでしょうし、水生植物も水面に繁茂してくると期待されますので花粉に負けないように調査を継続していきます。(2025年3月11日)
2025-19 日本動物学会中国四国支部広島県例会@広島大学: 2025年3月7日
広島大学理学部で開催された日本動物学会の広島県例会に参加しました。これまで色々な支部会に参加したことがありますが、県レベルで例会が開催されるのは初めて知りました。全部で35題ほどの発表があり、とても盛況で驚きました!私たちのグループは私と学生たちを合わせて6題のポスターで発表しました。学部生の発表はまだデータがもっさりあるわけではないのですが、卒業研究のコンセプトをうまくまとめて参加者から色々と熱のこもった助言をもらえていました。広島大学からの参加者が大半を占めており、あらためて本学の動物学の層の厚さを感じました。いやー、面白い研究をどんどん進めていきたいと思います!(2025年3月7日)
2025-18 ⽇本ウミウシ研究会 第 1 回情報交換会@きしわだ自然資料館: 2025年3月1–2日
大阪にあるきしわだ自然資料館で開催された⽇本ウミウシ研究会 第 1 回情報交換会に参加してきました。まだウミウシに関する自前データは何もないのですが、気になってることはあってその情報収集とウミウシについて勉強できる良い機会と思って参加しました。一般や水族館、ダイビングショップの方々、ウミウシ研究をされている大学関係者が集う熱量の高い集会で、発表も飼育技術の確立や分類体系問題、生理、発生分野など多岐に渡りホクホクでした。2日目はエクスカーションとして和歌山県の城ヶ崎にある磯場にてウミウシ探索会が開かれました。一般の方も多く参加され、とんでもない数(種数も個体数も!)のウミウシが集まりました。なんというか、シチズンサイエンスの完成系なんじゃないかと思う企画運営の素晴らしさに衝撃を受けました。また勉強に伺わせていただきます!(2025年3月3日)
2025-17 カイアシ類のソーティング: 2025年2月27–28日
広島大学OBである海洋生物環境研究所の米田壮汰研究員をお招きして当研究グループがサンプリングを続けているあるプランクトンサンプルのソーティングをご指南いただきました。幸いなことに(?)、我々のサンプルはある程度少ない種類のカイアシ類で構成されているようで、米田さんがスラスラ書かれる綺麗なスケッチに目を奪われながら種判別の要点を頭に叩き込み、顕微鏡を覗き込んでいました。カイアシ類、本当にどうしてそんなに小さいのと何度も泣き言を言ってしまいますが、米田さんの教え方がスマートで時間はかかりますがなんとかできるようになった気がします。これから毎日コツコツと積み上げてきたサンプルを処理していきたいと思います!(2025年2月28日)
2025-16 ため池調査(東広島市): 2025年2月25日
本日は恒例ため池調査。今月11日は網ガサで生物調査を実施していたので、今回は植物相調査でした。抽水植物がどんどん倒れ、枯死していた浮葉種は風に流され岸に集まり植物のない水面が広がっています。まだ水生植物の息吹は感じませんが、枯死する冬でもため池の景色はどんどん変わります。そろそろ寒波が終わるようなので少しずつ春っぽくなってきてくれますかね。(2025年2月25日)
2025-15 オンライン発表(佐渡ジオパークフォーラム): 2025年2月24日
佐渡市教育委員会ジオパーク推進課が主催の「佐渡ジオパークフォーラム」にて今年度助成を受けて実施した佐渡島の動植物調査の成果を発表する機会をいただきました。オンライン発表でしたが、天候と予算が許せばぜひとも会場で、オンサイトで喋りたかったですが、致し方ありませぬ(もう予算が....)。調査ブログでも書きましたが、昨年10月に1週間佐渡島に行きました。私含め総勢6名から編成された特殊部隊(広島大からは私と学生の2名で、あとは他大学の院生、ポスドク、新潟県職員、一般の方)でめちゃくちゃ楽しくやらせていただきました。色々な所属の方を招くと事務作業が超絶めんどくさいことを体験できたのも大きな収穫です(とは言っても、そのめんどくさいタスクのほぼ全ては当大学の担当事務の方々が対応してくださいました。感謝しかないです。ほんと!)。来年度も遠征する際にはラボメンバー以外も加えて面白い調査をやりたいもんです。(2025年2月24日)
2025-14 オンライン発表(第7回 いしかわ海洋教育フォーラム): 2025年2月22日
能登里海教育研究所主催の第7回 いしかわ海洋教育フォーラムにて発表の機会をいただきました。当研究室の大学院生が進めている能登半島の藻場群集生態について紹介させていただきました。震災前後でヨコエビ群集に違いが出てきることは分かりましたが、これからはその原因についても迫っていける研究にしたいと思います。他の演者の方の発表も本当に素晴らしく、能登半島を舞台に色々な研究が進んでいくことを強く願っています!(2025年2月22日)
2025-13 ウチワエビのサンプリング(広島大学東広島キャンパス): 2025年2月21日
神奈川大学の大平剛先生の研究グループと当大学の若林香織先生の研究グループと合同でウチワエビのサンプリングを実施しました。サンプリングといっても採集ではなく、購入してきていただいた個体を解剖して今後の研究に使用するデータの取得や組織の摘出を実施しました。個人的にはウチワエビの実物を拝むのは数年ぶりでしたが、改めてエビというかカブトガニのような不思議なフォルムに惹かれました。教員スタッフと学生合わせて約10名で作業を分担して丸一日の作業でしたが、これから解析を通して得られる成果が非常に楽しみです。(2025年2月22日)
2025-12 SSTB2025(広島大学東広島キャンパス): 2025年2月19–21日
東広島キャンパスで開催されたSpring School Theoretical Biology 2025に参加しました。理論生物学は興味はずっと持ってたんですが言い訳を積み上げて直視してこなかった分野ですが、当大学の理学部は理論生物学が盛んであることと、今回個人的な入門と位置付けるには相応しいイベントだと感じたのでポスターを引っ提げて学生と参加しました。参加者の大半は学生でしたが、オープニングトークから初学者にも馴染めやすい配慮がされており非常に学びの多い研究会でした。私はデータ駆動型研究が多いですが、出発点となるデータをより広範により網羅的に取得するハード・ソフト両面の工夫をこれから積極的に取り入れていきたいと感じました。後半日程は別用で参加できなかったのが残念ですが、それでも十二分過ぎる学びを得ることができました。(2025年2月22日)
2025-11 能登遠征: 2025年2月14–17日
生物調査のため今シーズン最強最長寒波の到来直前に能登半島に向かいました。今回は震災による海底隆起が生物に与える影響を調べることを目的にした調査の下準備のため石川県内外の専門家と主に輪島〜珠洲の海岸を巡りました。震災後に伺えていなかった曽々木にも行けまして、まだまだ震災と豪雨の影響が色濃く残っているのを確認しました。たくさんの方に参加してもらえるような調査活動を行なっていければと思います。その他は、定期調査として能登町の深層水施設のプランクトン採集や潜水調査による藻場群集のサンプリング、夜磯の調査など時間の限り体を動かしてきました。幸いなことに滞在期間中の天気はとても良く、朝から晩までみっちり活動できました。寒波に注意して滞在日を1日繰り上げて広島に戻ってきた判断は間違ってなかったように思います。能登にはまた来月行きます!(2025年2月19日)
2025-10 学術交流フェス(東広島市): 2025年2月12日
西条駅近くの東広島イノベーションラボ ミライノ+にて開催された「学術交流フェス」に参加してきました。ポスター発表の機会もいただいたのでラボで進めているプロジェクトを紹介させていただきました。やはり強いぞ寄生性甲殻類...!たくさんの方に甲殻類研究に興味を持ってもらえたら嬉しいですし、新鮮なフィードバックをたくさんいただきました。出張学問バーの店長さんとのお話もとても興味深く、お金になりにくい分野の基礎研究にいかにお金を産む機会を提供するか、めっちゃくちゃ面白かったです。イベント自体も企画運営の方々も参加者の皆さんも非常に熱量がありました。何かやりたくなりますし、具体的な行動を起こしたい(しかしネタはまだまだおぼろげ...)。(2025年2月12日)
2025-9 ため池調査(東広島市): 2025年2月11日
研究室の学生の卒研テーマであるため池の水生動物の生態調査を行いました。水温は5度前後でしたが、あるため池では写真のように厚さ3.0 cmを超える氷が水面を覆っており、「これもしかしたらスケートできるんじゃね?」と期待を抱かされる規模でした。ザクザクと氷を砕きながら採集地点まで到達し、10分間ひたすら網を入れて生き物を探しました。今回は使用した胴長や手袋が裏切ることはなかったので手足の寒さはかなりマシでしたし、氷の下からも甲殻類や昆虫類はちゃんと活動していることを確認できました。ヨシやクログアイなどの抽水植物は立ち枯れた後でだいぶ倒れてきていて、先月の風景とも徐々に変わってきています。落ち葉や枯葉ごと採集したものは地点ごとにバケツを分けてラボまで持ち帰り、学生が頑張ってソーティングを行なっています。どんな結果になるのかとても楽しみです!(2025年2月12日)
2025-8 論文が公開されました(アカテガニ): 2025年2月6日
前々職場での仕事が水生動物誌より公開されました。新潟大の佐渡臨海に移ってフィールドワークで何か研究してみたいとフィールドをフラフラしてる中で見つけたネタで、佐渡島にある加茂湖という汽水湖の湖岸にある神社の境内にあるアカテガニの巣穴が作られる場所の選好性を調べました。約25m四方の境内に生えている樹木や枯木を全て同定し、樹種ごとに周辺にあるアカテガニの巣穴を計数・計測しました。すると神社によく植えてられているヒサカキとクロマツに巣穴が集中していたり、樹種によって形成される巣穴の大きさに違いがあることがわかりました。アカテガニは生活史の中で森里海川を要するため里山保全のシンボル種とされていますが、本種の保全には水辺近くの樹種組成も重要な要因となることを示しました。本研究は佐渡島にある佐渡自然共生科学センターの3施設(臨海・演習林・里山領域)の先生方にご協力いただいて、地元の方から調査の許可を得たり、境内の樹木を全同定したり、生態学経験値ゼロの私に調査ノウハウを教えていただいたりと現在の研究スタイルにつながるきっかけとなった仕事です。論文化にはかなり時間がかかってしまいましたが、昨年末に漫画喫茶に籠って一気に書き上げました。最後まで共同研究者の先生方に手厚くサポートしていただけて無事に出版にいたりホッとしています。どなたでもご覧になれますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。(2025年2月6日)
2025-7 笠岡市立カブトガニ博物館: 2025年1月25日
神奈川大学の大平剛先生とそのラボの学生3名、そして当研究室の学生と6名で岡山県笠岡市にあるカブトガニ博物館に伺いました。こちらの施設では漁師さんの網にかかったカブトガニをこの時期に保護しているだけでなく、雌雄ペアが揃った年は幼生を孵化させてよく年に放流しているようです。カブトガニは色々と研究がされ尽くしている動物かと思っていましたが、基本的な研究からほとんど手付かずのテーマが残ってることを知りました。これは、、、色々面白い研究の匂いがしてきます!(2025年1月26日)
2025-6 ヤスデ研究者の来広: 2025年1月20–23日
一般のヤスデ研究者の方を研究室にお招きしました。DNAシーケンスやこれまで採集してきたヤスデの種同定を行なったり、学内でヤスデを探したりしました。夜中遅くまで作業されてその熱意に圧倒されるばかりでした。今年はヤスデでまとまった成果を出したいなと思う一方で、もう今年も3週間が経過している現実をうまく飲み込めません。年度末が近づいていますが、片付けられる作業を進めつつ、来年度に向けてあれこれ準備も進めていきます。(2025年1月23日)
2025-5 国立科学博物館の情報誌 milsilに掲載: 2025年1月18日
国立科学博物館の情報誌 milsil(ミルシル)にフクロムシについての紹介記事が掲載されました。昨夏に知り合いを介して執筆の機会をいただきまして、吉田隆太さん(お茶の水女子大・館山臨海)から素晴らしいフクロムシ写真を提供していただいたり、共同研究者にフクロムシの基本的な情報について整理させてもらったりしてなんとか形にできました。本文中のイラストは編集サイドで用意してくれました。まだまだ知名度はこれからですが、「甲殻類に寄生する甲殻類」の研究を一層頑張ろうと思わせてもらえた機会でした。(2025年1月18日)
2025-4 ため池調査(東広島市): 2025年1月17日
研究室の学生の卒研テーマであるため池の水生植物と水生動物の生態調査を行いました。今回は植物ではなく、手網による動物採集です。水温は3~8度と同じため池でも地点によって水温が最大5度も異なることを肌で感じ、水面に氷が残っているところも果敢に網を入れました。こんな時期にどれくらい生き物がいるのか...と思ったりしましたが、意外や意外、いるもんですね。そして作業時間は予定よりもかなりかかることが判明したので、色々に微調整も余儀なくされました。やってみないとわからないことだらけです。(2025年1月18日)
2025-3 海遊館(大阪): 2025年1月15日
共同研究の打ち合わせで大阪は海遊館へ。学生の頃に遊びに行ったのが最後なので15年以上ぶりだと思いますが、まさか研究で訪れる日が来るとは予想していませんでした。平日の午後なのでガラガラだったらゆっくり見て回れるなと下心もあったのですが、ものすごいお客さん。インバウンドすげぇ。スタッフさん曰く、ここ最近はガラガラの瞬間はほぼないとのこと...。共同研究の打ち合わせはスムーズに終わり、これからのプロジェクトにワクワクが止まりません!(2025年1月16日)
2025-2 ため池調査(東広島市): 2025年1月11日
毎月恒例のキャンパス周辺のため池調査でした。最低気温がマイナス5度予報の通り、ため池水面は見事に氷が張っていました。コイが水面近くで数匹じっと動かず留まっていて凍ってしまったのではないかと心配しましたが(そんなに水の中までは凍ってない)、調査をしばらく続けているとある瞬間でスイーっと同時に全個体が泳ぎ始めました。日光が十分さして活動できる温度に達したのか、不思議な同調現象でした。先月の調査から新しい植物の芽吹きは感じず、抽水植物の葉が落ちてより寒さが際立つ風景になりました。(2025年1月12日)
2025-1 阿島川河口干潟(愛媛県新居浜市): 2025年1月2日
「年末年始は早朝の潮が良い...」ということで帰省中に時期を見定めておりましたが、年明け2日が良さそうということで狩り始めに行ってまいりました。同僚の近藤裕介博士と早朝4時過ぎに現地で合流して3時間半、干潟を歩き回りました。この干潟でまだ見つけられていなかった「普通種」もだいぶ発見できましたし、珍しい種にも出会えました。正月とは思えないほど過ごしやすい朝で、良いスタートが切れたんじゃないでしょうか!(2025年1月3日)