トラウトの釣り / 天塩川上流域
天塩川上流域の様子を紹介します。(地図参照サイト「Google Earth」)
■士別市と天塩川
※詳しい情報は「天塩川で釣って鱒」又はFacebookに掲載していますのでご覧ください。
天塩川の姿
①士別市内を流れる天塩川は、天塩岳の源流地点から始まり13kmほど先のポンテシオ湖(発電専用ダム)に注ぎ、
②次いで、15kmほど先の岩尾内湖(ダム)に到達、そこには昔の姿が多く残されていて釣り人を魅了することは間違いない。
しかし、山間部の流れには野生動物、特にヒグマの生息域に足を踏み込むことになるため、ヒグマとの遭遇率が高まることは間違いない。釣行には万全の下調べとクマ除け鈴を鳴らし、熊撃退スプレーや鉈の携行など注意を怠らないようにしてほしい。
私は、岩尾内ダムから上流域への釣行には消極的な釣り人で、これまでポンテシオダムに4度行ったが、ダム上流の天塩川には1、2度しか入ったことがない。 ちなみに、岩尾内ダムから上流域に入った釣り人がヒグマとの遭遇により怪我などを負ったという話(2023年9月現在)は今のところ聞いてはいない。
③天塩川上流域を岩尾内湖(ダム)下から剣淵川合流点までの37kmほど
ダム下から頭首工が名寄市風連町まで続き、この頭首工間や橋を移動しながらポイントを探すことになるため、ポイント間の移動距離が長くなり、車は必需品となる。できるだけ安全な場所から川へ向かってほしい。
④合流点から名寄市境界までの7kmほど、
⑤名寄市境界から名寄川合流点までの18kmほど、
天塩川源流地点から名寄川合流点までの90km、天塩川総延長の約三分の一を上流域として設定できる。
ここでは、自ら釣行している岩尾内ダム下から剣淵川合流点に限定した区域の様子を紹介することとし、他の区域は、今後の釣行を計画しながら少しずつ「天塩川で釣って鱒」で情報収集を行いたい。
北海道では,ほとんどの河川に漁業権などの設定が無く遊漁規制を気に掛ける必要はないが、サクラマスとサケを狩猟(他の魚種を釣っていても偶然に釣れてしまった場合は、すぐにリリースすること)の目的で釣ることは周年全面禁止されていることや、地域ごとに定められているサケ・マスの河口禁止河川や遊漁規則の定めがある一部河川、地域ごとのヤマベ解禁時期は守らなければならない。
士別地方は、農地の外側にエゾシカ侵入対策として電気柵が張り巡らされている場合も多く、川へのルートに柵が設置されていた場合は、まずは別ルートを探してほしい。どうしても柵をくぐらなければならない状況になった時は、近くに居る地元の方に声を掛けて、柵の電線を取り外して川に向かうことを告げてほしい。電線を元に戻すことをお忘れなく。断られた場合は諦めて次のポイントを探すことが賢明である。また、車を農地周囲の作業用通路に駐車する場合、近くに農作業をしている方がいれば声を掛けて、釣りに来たことを知らせてほしい。
フロントに名前と携帯電話番号のメモを挟んでおき、不都合や緊急時に連絡してもらえるようにするとなお良い。 マナーは守りたい。
天塩川を見守る
多くの釣り師が天塩川に入っている。天塩川を未来永劫にヤマメ、サクラマス、サケ、ニジマス、水生昆虫、シカ、クマなどなど、自然の調和がこれ以上壊れないよう見守ってほしいと願う。また、釣った魚は、魚種、サイズにかかわらず、リリースを心がけて保存と継承に協力していただきたい。
天塩川を子供たちに
士別市では、ヤマメの放流をしているにもかかわらず、天塩川にヤマメが定着していないように感じている。ヤマメ釣りは楽しい釣りだが、釣り師の皆さんが持ち帰るサイズや数を抑えていただければヤマメが川に残る数が増え、定着の可能性が高まり子供たちにヤマメ釣りの楽しさを伝えることができる。ぜひ、協力していただきたい。
天塩川を綺麗に
最後に、釣行中は、ライン、針、飲み物、弁当など、使い終わってから・食べ終わってから不要になったものは必ず持ち帰ってほしい。どこの釣り場でも同じ気持ちで楽しい釣行の時間を過ごしてほしい。
天塩川月別水位の変化と釣り適期
川の水位は、釣り人にとって最も重要な情報なので、降雪量、降雨量、田植えの時期、ダムの放流、渡石の越流状況など、これまで経験してきたことと合わせてかなり高い精度で予測してきたが、ダムのある街では、ダム機能と水位などデータ値を用いて川の状況を客観的に見ることで効率的な釣行に活用できる。
データは、2003から2016年の14年間平均値から、これまでの状況を検証し今後の変化に注目してみようと思う。
■釣りに適している水位:129.85~130.2(九十九橋観測所)、204.53~204.8(朝日町奥士別観測所)
1月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:1.3~4.28m3/S 放流:0~24.22m3/S
特徴:放流時間帯は、正午から深夜にかけて放流、量【多い】
貯水率:低下操作
水位:129.88~130.42m
■状況
厳寒期のため流入量は少ないが、ダム貯水量を低下させる傾向にあり、放流量が多いため川の水位は安定せず、安定期は1/1~5、6日以降の状況は、午前中の釣りは可能であるが、午後は放流の影響により増水が始まり水位が上がる傾向にあるため注意が必要。
2月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:1.01~6.22m3/S 放流:2.88~23.15m3/S
特徴:放流時間帯が正午から深夜にかけて放流、量【多い】
貯水率:低下操作
水位:129.99~130.42m
■状況
厳寒期のため流入量は少ないが、ダム貯水量の低下作業が継続されており、ほぼ終日は釣りを行うのは不可能な状況が続く。
特に正午から深夜に及ぶ放流のため川の水位が上がる傾向にあるため、河川内に立ちこむことは避けたほうが良い。
3月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:1.22~12.54m3/S 放流:3.57~17.87m3/S
特徴:ほぼ24時間放流、量【多い】
貯水率:低下操作
水位:130.01~130.87m
■状況
日中の気温上昇による融雪が始まる期間であり、流入量が徐々に増加することから、放流量は平均10m3/Sと多めに推移する傾向にある。
このため、河川へ立ち込んでの釣りは不可能であるため岸際からとなるが、落水事故を未然に防ぐ準備を怠らないよう十分に注意が必要。
4月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:6.47~71.43m3/S 放流:1.51~25.21m3/S
特徴:ほぼ24時間放流、量【多い】
貯水率:低下操作
水位:130.33~131.5m
■状況
日中の気温はさらに上昇し本格的な融雪期に入るため、流入量は増加するとともにダム貯水量も継続して低下操作を行っているため、特に中旬以降は水位の高い傾向にある、
また、支流からの融雪水量が増え、本流に追加されることも水位を上げる要因となっている。このため、釣りは行えない。
5月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:37.13~92.48m3/S 放流:24.12~49.92m3/S
特徴:ほぼ24時間放流、量【多い】
貯水率:増加操作
水位:130.46~131.01m
■状況
4月からの融雪が続き流入量は一年を通じて最大量となり、これに伴いダムの貯水作業は流入量と均衡した放流量の確保と貯水率調整が必要のようで、放流量は多い状況が続き、水位の高い状態で推移するため、川に近づくことは危険な状態になる。
6月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:4.34~35.96m3/S 放流:22.77~43.31m3/S
特徴:ほぼ24時間放流、量【多い】
貯水率:低下操作
水位:130.19~130.51m
■状況
20日ごろを目安に融雪が終わりに近づき流入量は徐々に減少してゆくが、5月から農業用用水の増量に伴い頭首工からの取水のため放流量は多い傾向にある。
このため、下旬から水位は下がり始めるため、ポイントは限られるが釣りを行うことが可能になる。ヤマベ釣りが最盛期になる時期でもある。
7月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:4.15~28.7m3/S 放流:17.12~30.15m3/S
特徴:降雨の影響が小さいため渇水状態を防ぐため、ほぼ24時間放流 量【少ない】
貯水率:低下操作
水位:129.96~130.38m
■状況
一年を通じて一番水位が安定している期間であり、全日釣りが可能である。ただし、どちらかと言うと渇水期とも言えるためポイント選択に難儀する場合もある。
8月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:8.46~40.46m3/S 放流:16.34~28.58m3/S
特徴:ほぼ24時間放流【多い】
貯水率:低下操作
水位:130.17~130.44m
■状況
7月から引き続き川の水位は安定して釣りは可能だが、終日、河川立ち込みの限度水位で推移する傾向が強く、台風などによる雨の影響に左右されやすい時期であるため、事前の天候状況確認を怠らないよう注意をしてほしい。
9月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:6.78~25m3/S 放流:3.57~16.61m3/S
特徴:ほぼ24時間放流【少ない】
貯水率:低下操作
水位:130.17~130.44m
■状況
水位は高めで推移する傾向にあるが、これも20日以降はダム貯水量を増加させるため放流量を抑える傾向にあり、河川立ち込みに適した水位となりベストシーズンを迎える。
10月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:8.13~38.54m3/S 放流:0.14~12.93m3/S
特徴:ほぼ24時間放流【少ない】
貯水率:増加操作
水位:130.03~130.29m
■状況
釣りのベストシーズンの中で最高の条件が揃う期間であり、水位は常に安定し全日・終日・日の出から日の入りまで楽しむことが出来る傾向にある。
11月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:7.41~22.33m3/S 放流:0.97~15.68m3/S
特徴:ほぼ24時間放流【少ない】
貯水率:増加操作
水位:129.53~130.41m
■状況
釣りができるか判断の難しい期間である。
水位は若干高めで推移する傾向にあるが、釣りが可能な水位限度を推移するために午前中の可能であっても午後から放流量が増加する傾向にあり、これが水位に影響することから釣りができない日が多い傾向にもある。
12月
■データ(ダム流入量・放流量・貯水率状況、天塩川九十九橋観測所水位)
流入:2.02~13.41m3/S 放流:0~18.66m3/S
特徴:ほぼ24時間放流【少ない】
貯水率:維持操作
水位:129.96~130.75m
■状況
本格的な冬を迎える前のシーズンラストの期間である。
10日以降は放流量が減少する傾向にあるため、終日水位に大きな変動が見られないため、河畔の笹原が無くなりポイントへのアクセスが最適になるこの時期は、本当は最高の環境下で釣りができるのかもしれない。