森澤が関係する研究の代表的なものを以下に記載します。
◆ 新形態将来旅客機の空力設計に関する研究
新たな航空機の機体形状創出を目指し、前進翼や動・植物などをベースにした主翼の空力最適化を実施しています。
実施事項例としては以下の図1、図2のような前進翼の主翼形状の空力最適化等を行っています。
図1 前進翼を用いた主翼
また、図2にあるようなバイオミティクスを応用した主翼の翼端デバイスについての研究も取り組み組んでいます。
◆ 火星探査航空機に関する研究(主に低レイノルズ数・高マッハ数域での空力解析)
JAXA宇宙科学研究所を中心に進められている火星探査航空機の推進手段であるプロペラ性能向上を目指し,プロペラブレードの形状に関する研究を行っています.
具体的には推進効率の良いプロペラブレード形状を目指し,遺伝的アルゴリズムを用いてブレード断面の空力最適化結果(図1)及びプロペラブレードの数値流体力学(CFD)の実施(図2)などがあります。
また、この研究をベースに極限環境での利用を目指した小型航空機に関する研究も行っています。
図2 プロペラブレードの数値流体力学(CFD)の実施
◆ 空陸両用車に関する研究
沖縄のような離島間での新たな輸送手段として地方空港などの既存インフラを利用した空陸両用車の実現性ついての検討を行っています。
下図はバージニア工科大学とラフバラー大学の学生グループが共同研究で行った Roadable Aircraft「Pegasus」の機体形状のモデリングするとともに、その機体形状周りの流体場を計算した結果の例を示しています。本例はNASAによって開発されたソフトウエア「OpenVSP」を利用しています。
以下の図のような沖縄周辺での航空機の運航状況を分析し、今後の空路に関する課題の抽出も行っています。他にも、 飛行シミュレーション、運用コストなど考慮した経済的な成立性の検討など関連した研究を進めています。
◆ 多目的設計探査に関する研究&非定常流動現象における情報探査(データ探査)に関する研究
本研究は、数値流体力学、及びデータマイニング・多目的最適化などを組み合わせた情報学的なアプローチを行っています。
この研究の目標は計算機の性能・データストレージ容量の増加に伴い、人が処理しきれていないデータに対して「見える化」を行うことで新しい気づきを与えることです。
具体例としては図1のように大動脈瘤内の血流が引き起こす血管壁面でのせん断応力を自己組織マップによる分類、図2のように流体の振動現象をネットワーク構造により表現、図3のように揚力・抗力に対して翼型形状の空力最適化を行いトレードオフ情報の抽出といったことを行ってきました。
さらに、空力分野で用いられる多目的最適化手法として新たにトポロジー最適化方法を用いた多目的最適化手法を提案するとともにトレードオフ情報抽出に成功しました(図4)。
図3 遺伝的アルゴリズムを用いた翼型多目的空力最適
◆ 非線形空気力学に関する解析及び、同問題の設計法に関する研究
TBD
Research Approaches
以下をキーワードに研究を行っています。
1.数値流体力学(CFD)
- LANS3D
- FaSTAR
- SU2
- hyStrath
2. データマイニング
- 自己組織化マップ
- 分散分析
- 固有直交分析
- ベイジアンネットワーク
3. 多目的最適化手法
- 遺伝的アルゴリズム
- トポロジー最適化
4.その他
- OpenVSP