青いそら

(1)コミュニティカフェの概要とはじめた経緯

〇場所

三郷市早稲田5-4-1 三郷市文化会館内

〇Webサイト

三郷市社会福祉協議会の紹介サイト

http://www.misato-syakyo.or.jp/vc/sp/2012/aoisora.html

〇営業時間

火~日曜日 10:00~18:00

〇はじめた経緯

設立の10年ほど前から漠然とハンディキャップを抱えた人や主婦が働ける場を作りたいという構想を描いていた。もともとはこの場をコミュニティスペースと呼び、運営していたが、社団法人長寿社会文化協会(WAC)が積極的に支援を始めたころにコミュニティカフェという存在を知り、確立された。メンバーは生活クラブ生活協同組合(生協)の仲間がほとんどだったため、食の安全については関心が高く、ファミレスではなく温かい安全のメッセージを込めた食事を提供したいと考え、ワーカーズコレクティブの概念に則り、出資し、経営を始める。さらに高齢者や孤立した人が気軽に来られる場を作りたいと思い、地域の情報があり、地域の情報を発信でき、居場所になり、誰もが主役になれることを理念に掲げ、活動を始める。活動を始めた当初はワーカーズコレクティブによる自主運営で「青いそら」を立ち上げ、食事の提供やお弁当配達、助け合い生活サポートを始めたが、地域住民が行きにくい場所であったため、駅から近く、公共施設の中へ移転することを希望していた。それから2年後、「青いそら」の活動の実績や社会性を持つ活動の実績が認められることとなり、三郷市文化会館のレストラン跡へ移転することが決まる。三郷市文化会館で行われるコンサートやサークル活動に訪れた方たちの食事や喫茶の場としても多く利用されている。

(2)プログラム、利用者の状況

コミュニティレストラン、お弁当販売、コミュニティスペース、たすけあい生活サポート、介護者の集い、コンサートなどのイベント、絵画・書などを展示するギャラリー、地域の方々からの受託販売を行っている。たすけあい生活サポートでは、介護保険などの公的な制度の穴埋めとして、細やかなニーズに対応している。たとえば、買い物、話し相手、送迎、家事など、地域住民にとってなくてはならないサービスとなっている。

1日平均34.8人くらいの人が利用している。利用者層は比較的高く、若い子連れのお母さんの食事会に利用されることも多くある。「青いそら」は文化会館の中に設置されているため、会館のイベントに訪れた人が待ち時間や食事に利用することが多い。散歩途中に立ち寄ったり、コミュニティスペースとして利用したりする人もいる。受託販売を見に来るだけの人や、総菜やパンを買って帰るサラリーマンの方もいて、利用者のニーズはさまざまである。

(3)運営の実際と課題

12名のワーカーズコレクティブ会員の方が働き、運営している。おもに50代~60代の女性で、中には進行性の病気を抱えながら事務作業員として活動している方や、80歳に手が届きそうな年齢の方もいる。また、雇用契約のもとに働く、統合失調症の方も週に2回ほど出勤している。

収支の状況は、赤字ではないが他の事業のための積立はできないという状況である。レストランやお弁当販売などで得た収益の45%は従業員に分配し、会館からの要望に応えつつ、お弁当販売などで収益を上げたり社会貢献をしたりしている。しかしコミュニティカフェに対する公的な支援がないため、毎日続けていくことが難しいという課題もある。今後も継続してコミュニティカフェを続けていけるように人件費や経費を確保していくことが重要な課題である。また、多様な人とどのように協力していくか、次の担い手がいないという点にも不安を感じているようである。ハンディキャップを抱えた人や主婦など、長時間自由なシフトで働ける従業員ばかりではないので、従業員の人数、充分な時給の確保ができていないなど、これらに伴って運営面では課題も多いようである

(4)今後の方向性

コミュニティカフェ「青いそら」は、ただのレストランとは違い、食の安全や居場所としてのカフェでもあるということをもっとたくさんの人に知ってもらいたい。そして、普通に暮らしているだけでは得ることのできない出会いや付き合いが深まり、地域連携を広げていきたいと考えている。また、雇用が難しい社会であるから、若い人たちが地域から出て行ってしまうという現状がある。そのような若い人たちにもこのような事業に参加してもらえるように、もっとコミュニティカフェの良さを知ってもらい、地域に居続けられる仕事があるように、やりたいと思えるような場になるようにしていきたいとも考えている。