生物の分類学

私達の暮らす社会はヒトHomo sapiens Linnaeus, 1758以外にも多くの生物が関わって成り立っています。養蜂に用いるセイヨウミツバチ Apis mellifera Linnaeus, 1758、スーパーで売られているマダイ Pagrus major (Temminck and Schlegel, 1844)、海で遊んでいると出会うイトマキヒトデ Asterina pectinifera (Müller & Troschel, 1842)...etc. これらの生物を私達が認識するためには、それがどのような種であるかを定義し、名前をつける必要があります。

地球には約200万種以上の生物が既に知られ、まだ知られていない種はその10倍、100倍とも言われています。これらの知られていない種はどのような役割・形質を持っているかはわかりませんが、これらを把握することは人間社会にとっても必要な課題です。

 

私は環形動物の多毛類(たまに他の無脊椎動物)の分類学を専門としています。多毛類は陸域〜海域に生息し、特に海産のものは環境アセスメントや生態学的研究において頻出します。しかし、多毛類の分類は難しく、その分類学的研究は必要とされながら遅れてきました。

私は多毛類の分類学的研究を継続して行っており、今まで60種以上の新種を発見・記載しています。その中には普通に潮間帯で見られるものだったり、変わった生態を持っていたりと、分類学的研究をすることで他の研究のきっかけになりそうなものも含まれています。

Flabegraviera fujiae Jimi et al. 2017

フジキブクレハボウキ 南極昭和基地周辺

Benthoscolex seisuiae Jimi, Kimura, Ogawa, and Kajihara, 2018

セイスイミツオネウミケムシ 三重県熊野灘周辺

Cheliplana sp.