共生と生態進化

共生という現象は別の種同士が共に生活するもので、多くの分類群において観察されています。有名なのはクマノミとサンゴイソギンチャクやホンソメワケベラとウツボ等でしょうか。この現象はそれぞれの種の生活スタイル・行動・生活史・形態と様々なものに影響を与えます。そのため種分化の原動力になることもあります。よってこれらの共生現象を研究することは生物多様性の創出機構の解明、特殊な形質の進化過程解明に繋がります。

多毛類においても共生現象は発見されており、興味深い進化を遂げているものが多いです。私はこれらの共生性の多毛類の分類・系統・形態及び生態観察を行うことでこれらの進化を探っています。

Jimi, Moritaki, and Kajijhara (2017), Jimi, Moritaki, and Kajihara (2019), Jimi et al. (2021, 2023)等

ヒトデの胃の中に共生するカンムリヒトデスイクチムシ

ヤドカリに共生するイッスンボウシウロコムシ

ウロコムシ科で唯一矮雄を獲得している

スイクチムシ類における宿主選択の進化


イッスンボウシウロコムシの雌雄判別