航海カヌー ツクヨミ は今後は三重水産高校にて実際に海に浮かべることができる状態で、活用されていく予定です。
今後のツクヨミの動向については、ツクヨミのこれから をチェックしてみてください。
2019年度はツクヨミ航海のクロージングとして、ツクヨミを三重県立水産高校にお返しする活動を行いました。
ツクヨミは8月6日に、無事に三重県立水産高校にお返しすることができました。
台風の影響等もあり本年度のツクヨミ航海は神戸港までとなりました。
パラオの航海カヌー"ツクヨミ"は2017年夏に宮崎県日向市から広島県の大崎上島まで航海をしました。
広島で一度カヌーを陸上保管し、その後2018年8月に三重県までの航海を行います。
2016/9/25に月読が進水しました!進水式の模様はこちら(動画あり!)
パラオ共和国は太平洋地域の島々のうち、ミクロネシアと呼べれる地域にある200あまりの島々からなる国です。
日本と時差はなく、飛行機では直行便で約4時間30分で行くことができます。
日本からも多くの観光客が訪れています。
(出典:http://www.w-tabi.com/detail/a00026.html)
歴史的には第一次世界大戦後に日本が委任統治領となり、その影響もあり多くの日系人が住んでいます。
1947年からはアメリカの信託統治領となりましたが、1994年に独立を果たします。
この独立の際に大統領だったのが父親が三重県出身の船大工であるナカムラ大統領でした。
そんなナカムラ大統領の縁もあり、三重県とパラオ共和国は平成9年に友好提携を結びます。
その前年にパラオ共和国から友好のしるしとして三重県に寄贈されたのがパラオに住む人々にとって特別な意味を持つ航海カヌーでした。
↑三重県立水産高校にある航海カヌー寄贈を示す看板
ミクロネシアの人々にとってカヌーは特別なものです。彼らの先祖はほかの太平洋地域の島々と同じように、木をくりぬいて作ったカヌーで大陸から航海をしてミクロネシアの島々にやってきたといわれています。
そして、ポリネシアなどの他の地域で航海カヌーの技術が失われつつあった近現代の時代においても、島々の間の移動手段や大事な漁の道具としてカヌーは彼らの生活になくてはならないものでした。まさに彼らのアイデンティティを象徴するもの、それが航海カヌーです。
そんなミクロネシアでもインターネットや様々な機器が広く普及した現在においては、航海カヌーの技術は徐々に失われつつあります。しかし、一方でそんな航海カヌーを彼らの祖先から伝わる』大事な文化として守っていこうという活動も行われています。
そのような経緯で日本にやってきたこのカヌーでしたが、使用されることも少なく、三重県立水産高校にて陸上保管される長い年月が経ちました。二年前、今後の航海の中継点になる可能性がある、鵜方のある土地を当協会のメンバーがこのカヌーを通り過ぎる際に、このカヌーを見つけ、ここに来た物語を聞きます。それを本部に伝えました。いろいろ調べると、この航海カヌーは専門家から見ても非常に文化価値が高いミクロネシア式シングルアウトリガーカヌー(片側のみに浮力体がついているタイプのカヌー)であり、何より三重県とパラオの人々の友好の思いが詰まった大事なカヌーです。そんなカヌーをもう一度海に出したい!子どもたちを含む日本の人々に海の素晴らしさを伝えていきたい!そんな思いで私たちはこの航海カヌーを修理して再び海に出られる状態にして三重県に届けることにしました。
↑陸上保管されていたカヌー。その美しさを保ちながらも傷んでいるのが見受けられる。
修理を行うのは私たちが活動の拠点にしている宮崎県日向市です。ここで、海渡塾に参加してくれるメンバーたちとカヌーを修理しています。
日本の歴史で最初の記録として残っている航海は、古事記や日本書紀に記されているものです。
ここ日向はその航海を行った神武天皇(日本の初代の天皇)が大和の国(奈良県)に行った航海の発航の地であるとされています。
(出典:http://yomukiku-mukashi.com/images/ZinmuTousei.jpg)
神武天皇は日向から瀬戸内海を通り、三重県の熊野で上陸して大和へと向かったとされています。
私たちは修理する航海カヌーを神武天皇と同じく日本書紀や古事記に登場する神の名をとり月読"TSUKUYOMI"と名付け、修理した月読で日本書紀、古事記等の航海の記録を調査し、それを参考としたルートを航海して各地の港を歴史と海と人で繋ぎながら、三重県まで返しにいく航海を2017年度の夏以降に企画しています。
ミクロネシアの島々とつながり、航海カヌーが日本でも各地の人々をつなぐ、そんな航海をしていくのがこの月読プロジェクトです。
私たちはツクヨミの航海に向けてカヌーの修理や航海を手伝ってくれる仲間を募集しています!
興味のある方はコンタクトよりご連絡ください!
また、正会員として一緒に活動して行きたいという方はメンバー登録についてをご覧ください!