2015年 研究会

12月例会

日時: 2015年12月13日(日) 10:00-12:00

場所: 名城大学名駅サテライト(KDX名古屋駅前ビル13階)ディスカッションルーム1

http://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/msat.html

発表者: 石井宏明(特定非営利活動法人難民支援協会)

タイトル: 「シリア人道危機」への対応について ~世界の動きと日本の課題~

発表要旨:

2011年の内戦からまもなく5年がたとうとしているが、この間シリア情勢は、昨今発生したベイルートやパリ同時多発テロをはじめとして、混迷を極めている。その間シリアでは、国民の50%以上が、難民・国内避難民となり、そこからあふれ出した難民は、現在ヨーロッパをはじめ、世界中で第2次世界大戦後、最大の人道危機として認識されている。

こうした状況に対し、シリア国内や近隣諸国での人道支援ばかりでなく、難民が押し寄せているヨーロッパでは、まずドイツが積極的な受け入れを表明し、もともと難民や移民が多い国ばかりでなく、欧州以外の地域で受け入れを表明している国が相次いでいる。パリの事件を受けて、難民受け入れを見直す動きが出ている一方、それでも受け入れを継続するという政治リーダーも現れてきている。

今、難民の現場で何が起きているのか、現状のシリア人道危機を通じて難民問題への理解を深めたい。

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11月例会

日時:2015年11月10日(火)18:30~20:30

場所:名城大学 名駅サテライト(KDX名古屋駅前ビル13階)

http://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/msat.html

報告者:リリアン・テルミ・ハタノ(近畿大学総合社会学部)

タイトル:「多文化・多民族社会の問いかけ-「ニューカマー」の名前を通して-」

発表要旨:

子どもが生まれるとき、両親や家族の長老たちにとって、その子どもの名前選びは重要な出来事である。名前の語源、由来、姓と名のバランス、響きやリズム、綴り、不快な意味が連想される名前ではないかなど、多くの気配りがなされることは珍しくない。日本人の場合、ひらがなやカタカナ、漢字のどれを使用するかも問題になる。漢字を使用する場合は画数などに注意して姓名判断を参考にしたり、その漢字の意味や読み方にも注意を払うなどする。時代や社会の違いを超えて、名前選びは家族にとっての一大イベントであり、そうして付けられた名前は、子どもだけでなく家族にとっても、心理的・精神的に大きな意味をもつものと言えるだろう。

人の名前にどのような特徴があり、どういう意味が含まれるのかは、慣習や伝統、時代の流れなどに左右される。社会によって大きく異なり、命名方法は極めて多様である。名前に関する問題はけっして新しいものではないが、今回の発表では、「ニューカマー」の在日ブラジル人の事例を中心に、多様な個人名の扱いに関して現代の日本社会で生じている新たな問題を取り上げる。

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名古屋多文化共生研究会 2015年度年次大会

日時: 2015年7月25日(土)14:00~17:00 (13:30受付開始)

場所: 名城大学名駅サテライト 多目的室(KDX名古屋駅前ビル13階)

ユニモール地下街4番出口を出てすぐ

http://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/msat.html

詳細はこちらから

資料代:500円

プログラム:

大会テーマ 「外国人の人権とシティズンシップ」

13:00 名古屋多文化共生研究会 総会(NAMS会員のみ)

13:30 開場

14:00 開会のあいさつ

14:10 パネルディスカッション

モデレーター:小坂田裕子(中京大学)

パネリスト:近藤敦(名城大学)「外国人の人権:憲法と国際人権法から」

菅原真(南山大学)「日本における外国人の政治的権利」

宮崎真(弁護士)「医療を理由とする在留の考察」

床呂郁哉(東京外国語大学)「日比国際結婚移民をめぐる諸問題」

コメンテーター:柳井健一(関西学院大学)

17:00 閉会

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6月例会

日時: 6月23日(火)18:00~20:00

場所: 名城大学天白キャンパス 10号館2階大会議室

(タワー75という一番高い建物の北隣りで、8階建ての建物の2階です)

https://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/tenpaku/

※お車でお越しの方は、キャンパス入口の守衛所にて、近藤敦先生との研究集会がある旨、お告げし、駐車許可をおとりください。

報告者: 松下奈美子(名古屋産業大学 専任講師)

報告タイトル:

来日韓国人IT技術者の移動システム形成のプロセス

-第1世代から第3世代までの位相に着目して

報告内容: 追ってお知らせいたします。

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4月例会

日時:4月8日(水)18:30~20:30

場所:名城大学天白キャンパス 10号館2階大会議室(タワー75という一番高い建物の北隣りで、8階建ての建物の2階です)

https://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/tenpaku/

発表者:津田 守(名古屋外国語大学教授)

タイトル:公益通訳翻訳とは

概要:

裁判所に選任された「法廷通訳人」としてこれまで29年間、およそ150件の地裁、家裁、簡裁、高裁での要通訳事件に関わってきた。ほかに警察本部、弁護士会、司法支援センター、検察庁、拘置所、刑務所といった公益性のある通訳翻訳実務もしてきた。それらの経験を振り返るとともに、司法のみならず、行政、教育、保健、医療、福祉、防減災などの領域での公益通訳翻訳のあり方と人材育成について考察する。

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1月例会

日時: 2015年1月26日(月)18:30~20:30

場所: 名城大学(天白キャンパス) 10号館2階 大会議室

報告者: 人見泰弘(名古屋学院大学 外国語学部 専任講師)

報告タイトル: 難民起業家への道~ビルマ系難民のエスニック・ビジネスから~

概要:

関東圏ではここ数年、いわゆる「リトルヤンゴン」を中心に、ビルマ系飲食店の開業ラッシュが続いている。その半数は、ビルマ系難民が起業した飲食店である。彼らはなぜ起業家をめざし、そしてどのように起業家へと転身したのか。難民起業家への聞き取り調査などをもとに、難民起業家への参入過程を報告する。難民受け入れをめぐっては、難民に経済的な自律を求める傾向がみられるけれども、難民自身がいかに経済的な自律を達成しようとしているのかを実証的に研究したものは限られる。本報告では、日本の難民受け入れの文脈とも重ねつつ、議論をすすめていきたい。