飯綱練習会 1910

「右コーナーが苦手ですか?」

今回の練習会で数名の方にこのような質問をさせて頂くとほとんどの方が頷いていました。

コーナリングの様子を後方から見て左右でシートへの体重の預け方に違いがある場合、ほとんどの方がしっかり預けられていない側へのコーナリングに苦手意識を持っています。

では、なぜシートに体重を預けていないとうまく曲がれないのでしょうか?

それは「セルフステアを邪魔しているから」です。

2輪車の基本的な特性であるセルフステアは「車体が傾くことによって、少し遅れてハンドルが切れる」という特徴があります。

コーナリングのキッカケとして車体を傾ける方法には内足荷重や外足荷重、逆操舵など様々なテクニックが語られていますが、どれも基本操作がきちんと出来た上で状況に合わせて補足的に使う技術であるという前提条件が抜けたまま独り歩きしているように思われます。

基本操作として最も簡単で、セルフステアを素直に引き出せるのは「曲がりたい方のシートに体重を預ける」ことです。(子供のころに自転車で手放し運転をした時のことを思い出してみてくださいね)

ただし、この時に外足を踏ん張って内側に体重を移動したのでは、反作用でいったん車体は外側に起きてから内側に傾くことになり、ワンテンポ遅れてしまいます。

7月の真田スクールで練習した「脱力」でシートのイン側に体重を預ける方法だと反作用がなく、ワンアクションでスムーズにセルフステアを引き出すことが出来ます。

冒頭の右コーナーでシート右側に体重が預けられていない場合はシート左側に体重を預けたままになっているので、車体には左に傾くモーメントが掛かったままです。それをなんとか右側に傾けようとしてあちこちに力を入れて無理をしている状態=「セルフステアを邪魔している」となります。

なぜ右側に体重を預けられていない方が多いのか?これは推測になりますが、ルールとして左足をつくことが基本になっているからかも。

体格的に足つきが厳しい方や、足つきは良くても体力的に支えることが不安な方、左足をつくのに自然と楽なポジションとして常に中心よりも左側に座っていたりお尻への体重の配分が左寄りになっている方が多いのかもしれません。

自分にも思い当たるところがあるという方、次回のスクールや練習会でリクエストして頂ければこの辺も詳しく説明しながら練習を行いたいと思いますので、気軽にご意見をお寄せください。