1986年(三十数年前)頃の中国西安

その1 西北工業大学   加藤正宏   (2019 05 27)

  

 奈良や京都が模範とした碁盤状の街並みは唐の都長安を真似たものだと言われる。唐代の長安城郭は現在の城郭より更に大きく、大雁塔や小雁塔なども内に含むものであった。少し小さくなった明代の地方都市城郭が現在の西安の城郭である。西北工業大学も現在の西安城郭の外に在るが、長安の城郭内に在る。

 

長安の城郭内には南北に11本、東西に14本の大きな街路が交差し、これらに区画された坊ができていた。坊自体が高さ約3メートルの壁で囲まれ、坊にはそれぞれ門があり、日没時には太鼓の合図で城郭の門が閉じられると同時に、各坊の正門も裏門も閉じられ、坊はそれぞれが一つの空間をなしていたという。