横浜市交通局500型
500型は横浜市電を代表する単車で、昭和3年に60両が製造されました。戦災により15両が失われたものの、市電全廃の数年前まで各路線で広く活躍しました。523号は廃車後も滝頭車庫で保管され、市電全廃時には花電車とともに再び市内を走り、その後昭和初期の塗装に復されて横浜市電保存館に展示されています。
プラグインは市電最盛期から衰退・全廃に至る昭和30-40年代ごろの姿をモデルに製作しています。戦後昭和30年代までは淡クリーム色と紺青色の塗装が採用されていましたが、街中での接触事故が増加したため、昭和35年からはクリーム色に淡青色の帯を巻いた新塗装に順次変更されました。更に晩年になると地色はベージュ、帯はコバルトブルーとそれぞれ色合いが変更され、この塗装は市営バスで今に至るまで使われています。またほかにも、同時期には前照灯の取替や側面サボの様式などの変化が見られました。
横浜市電用の敷石軌条 (枕木プラグイン) も同梱しています。合わせてご活用ください。
広島電鉄150形156号
大正14年 "製作" の2軸単車です。かの原爆投下によって被爆したことから、650形とともに被爆電車として知られていますが、車体は昭和20年代に新製されて載せ替えられたものとなっています。開業当初の車両の復元車は (広電101号をはじめ) いくつかの都市で造られていますが、張り上げ屋根などの昭和20年代頃の流行が反映されたスタイルを残す2軸単車は、全国的に見ても極めて貴重な存在です。
長年休車扱いで江波の車庫の奥に保管されていましたが、令和2年の秋に突如千田へと回送されて全検を受けました。その後11月のひろでんの日には、101号車・653号車とともに広島市内を堂々走行して大いに注目を集めました。
箱根登山鉄道旧型車セット 20.5.24 14:47更新
箱根登山鉄道の顔となっている旧型車群のセットです。モハ1形の103-107、104-106の固定編成2編成と、モハ2形の108,109,110号の3両を収録しています。これらの車両、2016年時点では全車が灰と朱の標準色を纏っていましたが (108号のみ「金太郎塗り」) 、110号車が2017年の引退直前に青とクリームの旧塗装となったほか、2019年以降106号車は青と黄の旧塗装に、109号車は緑一色の更に古い塗装となり、104-106+109という塗装違い3両混結の「三色団子」編成が組まれて人気を博しました (画像右) 。さらに台風被害により全線が運休していた2020年初夏には108号が金太郎塗りから普通の塗り分けに戻るなど、話題は尽きません。また行先は強羅と箱根湯本の2つだけでありながら、前面行先板にも驚くほどたくさんのバリエーションがあります。
110号車は2017年2月に、最後の吊り掛け103-107編成は2019年7月に引退し、各車最終運転時には特別貸切列車の運行が組まれました。109号車は、新型コロナウイルス感染症拡大の中でイベントもなくひっそりと引退し、これで残る旧型車は3両となりました。2018年夏に発表された大型投資計画に伴う記者会見内では、2020年度の新車導入による旧型車全車引退がアナウンスされていましたが、近年の発表によれば最後の旧型車104-106+108は (109号車の廃車発生品を生かしながら) 今しばらく現役を続けてくれるようです。
前作同様、音声の設定がかなり特殊になっています。音声も楽しみたいという方は、futako_tozan103-107フォルダ内の「音声設定マニュアル」をご一読ください。
20.4.12 23:55 TS330型台車のテクスチャずれを修正 編成テンプレートを追加
20.4.26 12:50 下段窓の開閉を実装 一部テクスチャの修正など
20.5.24 14:47 108号車の塗装変更を反映 その他小修正
※この新版を導入すると、旧版塔ノ沢駅レイアウトに配置されている109号車(104-106編成に連結)のスイッチがずれる(108号車の新塗装仕様となる)ので、各自でスイッチを選択し直してください
東京急行電鉄デハ3450形
東京急行電鉄の前身である目黒蒲田電鉄・東京横浜電鉄時代にモハ510形として製造された車両です。当時の私鉄としては異例の50両もの同形式車が導入されました。幸いにも1両とて戦禍を被ることなく戦争を乗り越え、その後平成に至るまで長期にわたって活躍を続けました。現在では電車とバスの博物館に3456号のカットモデルや東横モハ510号 (3450号から復元) が展示されているほか、数両が関東地方に保存されています。
50両の同形式車とはいうものの、製造メーカー (日車・川車) による差、製造時期による差、後天的な改造による差など、とにかく個体差が激しく、細部まで見ると全く同じ仕様の車両は2両たりとていないと言われています。本作では床下機器の個体差再現こそ断念しましたが(台車だけは日車と川車で作り分けています)、車体に関する目立つ差異はなるべく拾うように努めたつもりです。そのかわり、内装表現はしていません。
当PIをご利用の際には、NEKO PUBLISHINGの『東急デハ3450 (鉄道車両ガイド ; vol.22) 』があると、編成表や形態分類表を参照しやすくて便利です。(アフィリエイトではなく単なるおすすめです)
東京急行電鉄デワ3040形3043号(末期)
元はデハ3450形の川崎車輌製両運車であったデハ3498号で、1981年に荷物電車に改造されました。改造翌年には東急での小荷物取扱が終了したため、以降は入換車として長津田で活躍し、山側中央の扉は両開きに改造されました。上が黄色、下が水色のツートンカラーは最末期の姿です。2009年に使用停止、惜しくも解体されました。
箱根登山鉄道モハ1形(103-107編成)
箱根登山鉄道の前身である小田原電気鉄道が開業するのに合わせて製造され、数多の改造を経つつも100年間箱根の山を上り下りし続けた古豪電車です。他の旧型車がカルダン駆動に改造され、あるいは廃車になっていく中で、最後まで吊り掛け駆動のまま残って早川の渓谷にその音を響かせてきましたが、令和元年7月19日にとうとう引退となりました。幸運にも2両とも保存されることとなり、107号は小田原の地場企業である鈴廣蒲鉾店に引き取られて風祭駅前の店舗で飲食スペースとして再活用、103号は日本工業大学の博物館に引き取られて教材として活用されています。
サウンドの設定が大変特殊になっていますから、付属のテキストファイルをご一読いただくとよりお楽しみいただけます。
箱根登山鉄道モハ1形(103-107編成) 箱根登山鉄道旧型車セットに吸収しました。
関西電力300型(関電トンネルトロリーバス)2k専用
立山黒部アルペンルートの長野側の玄関口である扇沢駅から黒部ダムまでの間を結んでいた関西電力のトロリーバスですが、平成30年限りで引退することになりました。最後の年には車両に装飾が施され、「トロバスラストイヤー」を盛り立てました。関電トンネルトロリーバスの廃止で、残るトロリーバスの路線は立山黒部貫光の立山トンネルトロリーバス1路線を残すのみとなりました。
平成31年(?)以降の関電トンネルは電気バスが走ることとなります。
製作にあたって東運氏、small_pine氏から資料を提供して頂きました。この場を借りて深く御礼申し上げます。
Old Pueblo Trolley No.869
米国アリゾナ州、チューソンの街で走っていた車両です。元々は京都市電の869号車として製造され、その後ワンマン化により各種改造を施されて同時に1869号車に改番、京都市電が廃止されるにあたって阪堺電車に移籍してモ251形モ255号となりました。今も阪堺電車が車庫で保管しているモ256号とは同型でした。モ255号は1992年に阪堺電車での運用を終えましたが、米国アリゾナ州のOld Pueblo Trolleyに移籍することとなりました。車両購入費用は¥100,000($930)ということでさほど高額ではないものの、舟運の費用は嵩み$25,500にもなったそうです。移籍当初は阪堺そのまま、(米国の右側通行においては)中後扉、米酢全面広告を纏った姿で運用開始しましたが、塗装が劣化して塗り替えの必要性が生じると、これを機に京都市電時代・ツーマンカー時代の姿に復元(ただし前照灯位置は異なる)し、塗装も京都市電時代のものに復元されました。後にパンタグラフもポールに載せ替えられました。
Old Pueblo Trolley (以下、OPT) という組織についても、知っている範囲のことを多少書いておきます。元々チューソンの街には路面電車が走っていましたが、1930年に廃止されていました。1983年に「チューソンの街に再び路面電車を」という目的のもとOPTが発足、かつての路線を復旧して運行を開始しました。この運行に使われた車両の1両が869号車でした。OPTは869号車以外にも古典電車、旧型バスを多く保有している、歴史的な交通機械の保存団体です。そのため路面電車の運行は実用的というよりは街のシンボル/観光名所としての側面が強かったようです。
しかしながらこの運行が評価されてか、チューソンの街に近代的路面電車を敷設することが決まりました。新路線はOPTの路線と重複していた為、OPTによる電車の運行は2011年11月30日限りで休止されました。2014年7月25日に新しい路面電車であるSun Linkが開業、この線路はOPT車庫の目の前を通っていますが、線路は繋がっていません。OPTの車両は運行休止以来特に手を加えられることもなくそのまま車庫に置かれています。OPTとしてはSun Linkの線路を間借りして低頻度で運行を再開したいという意向のようですが、現状実現の見込みは立っていないようです。北米にはOPT以外にも日本の古参路面電車を買い取って運行しているというところが何か所かあるそうで、それらを訪ねてみるのも楽しいのかもしれません。
プラグインで再現しているのは、ポール化された後の運行休止直前最末期の姿です。ポールの動きの表現上、RailSim2kでの利用を推奨します。
Download : [Streetcar]Old_Pueblo_Trolley_869
(参考・Old Pueblo Trolley ホームページ : http://www.oldpueblotrolley.org/)
能勢電気軌道 50・60型
昭和28-29年に木造車の車体を乗せ換えて誕生した半鋼製車です。従来車とは全く違う塗装で登場し、登場時には一部の駅で車体とホームの隙間が大きくなることから、駅の廃止・新設まで行われました。昭和20年代後半のナニワ工機製 (52号除く) の車両ということで、灯具の配置など前面の雰囲気には伊予鉄道の50形初期型車などとも通ずるものを感じます。登場時はポール集電でしたが、後年Z型パンタグラフに換装され、また一部車両は窓枠がアルミサッシに改められました。昭和40年代以降は川西能勢口-川西国鉄前間の路線の専用車となり、昭和57年に同区間の廃止に伴って廃車となりました。この型の鉄コレを買い、その格好良さに居ても立ってもいられず勢いで作ったプラグインです。