炭素複合材産業専門人材養成事業団とMOUを締結しました!

信州大学先鋭領域融合研究群国際ファイバー工学研究拠点および繊維学部は、株式会社ファーマフーズとの共同研究で世界初の卵殻膜を用いたナノファイバーのメンブレインの作製に成功した。 開発したナノファイバーのメンブレインはこれからフェイシャルマスクや生体膜創傷被覆材それからスーパーキャパシタなどのエネルギー材料としての用途展開を検討している。 現在日本で消費される鶏卵は約263万tであり、卵殻の量は年間約26万t、その内25万tは卵殻カルシウムであり、卵殻膜も約1万tに上る。しかし、このほとんどが再利用されず廃棄されているのが現実である。 株式会社ファーマフーズと信州大学国際ファイバー工学研究拠点では廃棄されているこの卵殻膜の再利用を目指した共同研究を2022年7月にスタートし、今回世界で初めて卵殻膜を用いたナノファイバーの作製に成功した。 今回作製されたナノファイバーはまず美容効果が優れたフェイシャルマスクとしての展開する予定だ。 近年フェイシャルマスクは塗る化粧品から貼る化粧品として注目されその使用数は例年増加している。 今回共同研究で作製したナノファイバーフェイシャルマスクは従来のフェイシャルマスクとは違うコンセプトで顔に貼ってから液体化粧品の噴射により全部溶けてしまうのが特徴であり、溶けた成分は皮膚に浸透し美容により効果的である。

信州大学先国際ファイバー工学研究拠点および繊維学部と株式会社ファーマフーズは今回開発に成功したフェイシャルマスクに引き継ぎ、卵殻膜の効率的な再利用を目指して業務提携(MOU)に合意したうえ、これから卵殻膜を用いたナノファイバーの産業への用途展開に力を合わせることにした。両機関は上記に述べた通りまず卵殻膜ナノファイバーを用いた生体膜創傷被覆材のようなメディカル分野とスーパーキャパシタなどのエネルギー材料分野への応用を目指しての研究を進めている。特に卵殻膜ナノファイバーのエネルギー材料分野への応用には現在NODOの大方プロジェクトにも申請中である。

本発明は、信州大学国際ファイバー工学研究拠点および繊維学部の強みであるナノファイバーの製造技術と大量生産技術、株式会社ファーマフーズの美容化粧品の分析及びアイディアを組み合わせた共同研究の成果である。


日本経済新聞:

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0543V0V00C23A6000000/