〇体格、体力の差について
人には個性があります。
もちろん、体格や体力差はどうしても出てきます。
格闘技経験の無い女性が、本気で手加減しない男性と組み合い喧嘩をした場合、ほぼかなう事は無いでしょう。
これは空手や柔道、ボクシング等がなぜ重量別に選手を分けているのか?
なぜ男女別に試合をしているのか?
理由は大きな体格差や体力差があれば勝負にならないからです。
では、女性が格闘技や護身系の体術を習って、幾ら自分を鍛えても意味がないのか?
意味は無いわけではありません。
実際に私が知っている女性で、帰宅中に夜の公園で痴漢に遭い、相手をノックアウトし、警察まで引きずって連れて行った人も居ます。
(相手は男性の大事な部分にキックを受け、泡を吹いて気絶してたそうで、彼女曰く「殺したかと思ったから自首するつもりで警察に行った」そうです。。。)
この女性は1年ばかりキックボクシングを練習していました。
ただ、この女性がキックボクシングの練習始めたきっかけは、以前も夜の公園で後ろから抱き付いて胸を揉んでいった痴漢に出会ったのが悔しくて始めたそうです。
当時、キャバ嬢をやっていた彼女にとっては、職業柄仕方ないのですが、実に狙われやすい恰好で夜中帰宅するので、遭遇率が高いのは当たり前です。
その為、想定訓練は既にできていたと言うわけです。
次の例はモデル・マギングと言う女性向けの護身練習法のWikipediaですが、
ここにある様に女性の武道有段者がレイプ被害に遭ったことから考案さました。
この二つの事例から言える事は、武術や護身の体術を学ぶとそれが有効な相手の範囲が広くなると言うだけで、ダメなときはダメなのです。
先の私の知り合いの例では、そもそも襲われやすい夜の公園を露出の高い恰好で歩いて居たわけですから、そんな事をしなければ遭遇すらしなくて、
彼女はキックボクシングを習ってまで復讐する必要はなかったわけです。。。
そうは言っても、職業柄仕方ないとも言えますが、せめて着替えを用意したり、その様な事件があった暗い公園等を避けて通れば良かったのかもしれません。
そして、何よりも重要なのは逃げられれば逃げるべきなのです。
一つでもかけ違いがあれば、二つ目のケースの様になる可能性だってあったでしょうし、ひょっとしたら過剰防衛として自分が刑務所へ。。。
さて、とは言っても1.環境的要因で書いたように自宅近くで、知り合いに襲われる可能性もあったり、現実はどこであなたが脅威に出会うかは全くないとも言い切れませんね。
子供を連れて居たり、男性であれば臆病な女性を連れて居たり。。。色々な逃げれないケースもあるかもしれないのです。
その時、この体格、体力の差を少しでも埋めてくれる(完全に埋める事はできないでしょうが)のが武術等の技や武器なのです。
特に重要な順から行くと武器→技なのですが、武器もどんなものが武器として利用できるのか?また、その使い方や事前に準備するタイミング、何よりもその武器の威力を知っていないと過剰防衛と言われ、後日社会的に大変な苦労をしたり。。。。
ちゃんとその辺の知識を持って使わないと逆効果どころか、自分がそれを使われる事になったりもするのです。
昨今の通り魔を撃退した例を見ると牛丼屋の旗を使って撃退したと言う例も数例聞きましたし、お婆さんが農作業用のナタで熊を撃退したり。。。
また、武器に関しても最近は色々な護身用グッズが売られていますが、その保管方法を間違ってしまうと子供がそれを勝手に触ってしまって、障害を負ってしまう可能性もあります。
正しい法令知識や割と安全で効果的な護身グッズ等の知識をきちんと知ったうえで、購入下さい。(おすすめを書いても良いのですが、使い方も一緒に知らないと責任を負えないもので。。。)
護身グッズの話をしてしまいましたが、先ほど話した牛丼屋の旗の様に、身近なものが有効な武器となる場合もあります。
フィリピン武術ではサロンと言われる筒状の腰布を用いて、素手や武器を持った相手に対処する技術等もあります。
これを応用することで、タオルやスカーフ、上着等を護身用の武器として用いることも可能です。
梅雨の時期だと傘なども身近で、強力な武器になります。(ただし、相手を殺したり、失明させることもあるので、状況に応じた使い方を知らなければ危険とも言えます)
A4用紙1枚程度のチラシでもちゃんと使える様に練習をすれば何もないよりもかなりましになります。
その他に自宅近くならば自宅の鍵や車の鍵、スプレー缶、携帯電話、バック等。。。
ボクシングを習った人が指の間に握りこんだ自宅の鍵で殴ってしまえば、相手はガードの上からでも痛みに根を上げてしまうでしょう。
でも、ここでも言いますが、逃げることが重要ですので、逃げる為に利用して下さい。
相手を痛み付けるのは逃げる隙を作ったり、相手が追って来難くする為に使うのです。
武器も諸刃の剣だと覚えておきましょう。
〇傍観者効果
良くある話ですが、都会は人が多いのに冷たいなぁ~って、皆が口を揃えて言うような事件があります。
例えば、周りにいっぱい人が居たのに誰も被害者を助けようとしなかったと言うようなケースです。
駅の雑踏の中で目の前の人の社会の窓が開いていても。。。とかも同じ?
その様な事が起こる心理を社会心理学では『傍観者効果』と言います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%82%8D%E8%A6%B3%E8%80%85%E5%8A%B9%E6%9E%9C
この傍観者効果が起こした悲劇を目の当たりにした武道家が開いた護身術教室もあるくらいです。(ウェンドー)
なぜこのような事が起こるのか?
単純にみんなが冷たいわけでは無く、もっと単純な心理です。
「こんなに人が居れば、誰かが警察に電話するだろう(もしくはしているだろう)」
と言う様な心理が周りに起こるのです。
その為、もし近くに通行人が居る時に襲われたり、電車の中で痴漢に出会ったときは、必ず誰か特定の人を見つめた上でハッキリと助けを呼んで下さい。
これもパニック状態の中では、想定しているかいないかで、運命が変わったものになるかもしれませんね。
〇4Dの原則
4Dとは私がイギリス式の護身術を勉強している時に教わった原則です。
Dialog...対話(宥める)
Direction...警告(指示)
Defence...防御
Documentation..証人の確保
この4つの単語の頭文字から来ています。
この原則が無いといざ護身用の体術を使った後で、警察から事情聴取をされた場合に正当防衛が証明し難くなると言うわけです。
特に男性は法廷では不利ですので、想定していた方が良い事でもあります。
では4Dの具体的な利用方法です。
あなたが残業の後、帰ろうと電車に乗っていると酔っ払いが知り合いの女性に絡んでいる所を発見します。
周りの人は誰も助けようとはしません。(傍観者効果)
そこで護身用に空手を習っていたあなたは、その知り合いを助けようと腰を上げます。
ここで行き成り殴って相手を気絶させることもできますが、同時に酔っ払いがそれによりコケてしまい、打ち所が悪くて死亡でもしたら。。。
そう思ったあなたはまずはその酔っ払いを説得することにしました。
「彼女は私の知り合いなので、止めてください。 彼女は迷惑していますよ」
この時、はっきりと周りに聞こえるように言うのがコツです。
その様にあなたが言ったことは周りに聞こえているので、法廷騒ぎになった場合、ちゃんと自分は説得をしたと周りが証言してくれるかもしれません。
それでも酔っ払いは逆に逆上を始め、彼女とあなたに絡みます。
あなたを彼女の手を掴もうとする酔っ払いを押して距離を取ろうとしますが、酔っ払いはますます必死になってきます。
そこであなたは警告をします。
「もう、これ以上やるならあなたを次の駅で警察に引き渡しますよ?」
これもはっきりと言えば、自分は警告したと言う証言になります。
それでも止めない酔っ払いは何かポケットをガサゴソと。。。なんとナイフを持っていました!
そこであなたは相手がナイフの刃を出そうとしている隙に、仕方なく相手に空手仕込みの蹴りをお見舞いし相手をノックアウトしました。
こうなると後は次の駅に着いた所で、駅員と警官に引き渡すだけです。
ただし、相手は酔っ払いで今起こった一連の事実を忘れているかもしれません。
逆に暴力をふるった私が悪いみたいな事になるかもしれません。
そこで証人を確保しておこうとあなたは思いました。
近くに居る第三者である優しそうなおばさんが、ショック状態の知り合いの女性を宥めています。
そのおばさんにあなたは例を言うと共に、お礼の為、名前とどの辺にお住まいなのかをさりげなく聞きます。
こうすることによって、いざと言うときの第三者の証人も確保です。
証人の確保はちょっとテクニックが必要です。
行き成り証人になって下さいとなかなか聞きにくい上に、ちょっと相手も躊躇しがちなものです。
その為、お礼を言う為にと言う名目で、電話番号や住所を聞いたり、相手が特定できる手がかりを入手しましょう。
更にいえば、その様な場面を見かけた場合は自分から証人に名乗り出てあげれば、正義の味方の家族をあなたが救えるのかもしれませんね。