◎どんな武術?
基本的に実践的で素手はもちろんの事、武器も何でもありですが、練習では主に「オリシ」と呼ばれる70cm位の籐の棒を使います。
練習風景は、一見すると武術の練習と言うよりもダンスの練習の様です。(昔、お祭りのダンスの練習と言い張り、こっそり練習していた時期・地方もあったそうです)
オリシを剣に見立て、剣術の動きをやったりもします。(ちなみに史実の中でスペイン剣術とも交わり、影響を受けているらしいです)
オリシは拳の延長線だと言う考えの元に扱う為、素手やナイフでも同様の技が応用出来ます。
日本武術の様に精巧な形(かた)や段階的な修行を踏む部分は僅かで、ドリルと言う練習方法がメインです。(道場にもよります)
ドリルとは決まった攻防のパターンを二人で演舞しながら身体にそれを馴染ませていく練習です。
ドリルに慣れてくるとパターンを崩しながらお互いに本当に戦っているかのような感覚になり、お互いが技を尽くし、ゲーム的駆け引きができます。。
恐らく「習うより慣れろ」を目指した練習方法になっているんだと思います。
南国生まれの武術だけあって、色々ゆるいですが、柔軟で合理的です。
◎フィリピン武術の様々な呼び名
カリ(KALI)※アメリカで発展したフィリピン武術
エスクリマ(Eskrima)またはエスクリム
アーニス(Arnis)
シラット(Silat)またはサイラット
◎流派の概念
フィリピン武術では流派の概念が希薄です。(日本と比べてですが)
使える技が他の武術にあれば、何でも大抵取り入れます。
大きく分けると剣術テクニック主軸のグループ、棒術テクニック主軸のグループ、両方バランスよくやるグループがあります。
流派同士で技術交換も盛んです。(一子相伝で技を他流派に秘密にする文化があまり無かった為、技術喪失が少ない)
フィリピン人がアメリカに移民した時にアメリカに技術の大半が渡ります。
アメリカで更に発展した流派もあり、実践型の格闘術として軍隊や警察機関などでも広く利用されています。