私は、カウンセリング心理学を3年程学び、幾らかのカウンセリングも体験しています。
なので、この部分に関しては色々な知識と経験則がありますが、特に護身として大事な部分に絞ってご紹介したいと思います。
〇ジェンダーの理解
良くあるトラブルは男女間の問題でしょう。
何故男女間でトラブルが起こるのか?について私的意見を述べます。
一般的に女性は男性よりも情緒不安定な傾向にあります。
また、男性は女性よりも論理性を重視する傾向にあります。
脳科学的にも上記の違いは指摘されていますが、もちろん個人差はあると言う事を付け加えておきます。
(女性は脳全体を会話に使用していますが、男性は会話の時に左脳ばかりを使っているそうです)
つまり、男性は論理性を女性に強く求める傾向がある為、元来喧嘩になりやすいわけです。
女性はさらにホルモンバランスが男性よりも乱れがちですので、気分偏重に対して男性はその辛さが理解できません。
私は男性の立場なので、女性の生理前等の辛さは体感できませんが、重くなると毎月鬱病を発症している様な感じだそうです。
http://www.placentaya.com/category/man.html
この様なサイトもたくさんありますので、男性側は論理的にそれを理解すると良いでしょう。
更に先進国では生活習慣の乱れが多く、余計に男女ともカリカリとしがちです。
http://www.human-sb.com/mechanism/sleep-time-page7.html
ここの国別の男女睡眠時間平均を見てください。
日本の女性は睡眠時間の短さで1位、男性は2位となっています。
更に日本人のカロリー摂取量
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0100.html
世界的に比べても178か国中104位と低めですが、これは特に20代女性のカロリー摂取量が低すぎる為だそうですが、残念ながら、正確な統計データソースが見つかりませんでした。
http://matome.naver.jp/odai/2142658128153644301
これらのデータを見る限り、明らかに生活習慣的に日本人は『寝ず食わず』な感じなわけですが、日本人は自殺率世界13位でもあります。
ここに因果関係を求めるには国の経済的状況や日照時間がもたらすセロトニンの低下からくる鬱発症率や文化的・宗教的背景も加えなければ正確には証明できせません。
ただし、このデータを見るとある傾向に気付きます。
どの国も女性よりも男性の自殺率はとても高いのです。
これは男性は論理的であるがゆえに自分にプレッシャーを掛けやすく、挫折した場合、立ち直りが女性よりも遅い傾向があります。
そして、男性の場合は静かなところで無言で心理的痛みを回復する人が多いのです。
これは論理的に物事を心の中で昇華しようとする為、考え事に集中してたりするからです。
そこに女性が心配になって、たくさん励ましの言葉をかけても逆効果で、男性の素っ気ない態度に逆に腹を立てて、男性は段々逃げ場が無くなり。。。
これはあくまでそういう傾向にあると言う話ですので、お互いに性格が理解できているカップルであれば釈迦に説教ですけどね。
このことは男女の間だけでなく、普通の人付き合いに於いても当てはまります。
対策として、なるべく荒れている時は、自分でその状態を理解することも大事で、またそれを相手が理解してあげるのも大事です。
人間は動物と違い理性を与えられた生物ですが、同時に感情的な動物であると言う事も事実です。
最悪、自分が荒れている時は人と会わないようにする等の自分で自覚した上での工夫も理性で出来るはずですので、あまり無理に人付きあいを自分に課さないよう。。。
〇ストーカーの作り方と対処
さて、上記のジェンダーの理解をした上で、今度はなぜストーカーの様な犯罪が発生するのか?を考えてみます。
ストーカー問題のトラブルでストーカー側と話したこともあり、ストーカー専門のカウンセラーの本などから得た私の知識から行くと
原因は『男性が急な女性の態度の変化に対応しきれない』と言う問題が多くみられます。
これは先ほどの男女の差が作り出している関係性から見ると当然起こりうることが想像できるはずです。
つまり、女性側がハッキリとした論理的な言葉を説明せずに、それを理解しようと論理的に納得がいかない男性がどんどんその答えを得ることに執着していくとストーカーの関係性が出来上がると言うわけです。
ストーカー衝動が増幅した男性に対しては主に明確な答えを指し示すのが重要です。
ただ、その話し合いをする場合はどこまでその衝動が増幅しているかわからないでしょうから、仲介人を置いて話をする事がリスク回避の上で重要になってきます。
心理カウンセラーにそれを依頼すれば引き受けてくれる場合もありますし、個人ボディーガードや興信所等でもその様なサービスを提供する場合があります。
ただし、興信所などはしっかりとしたところでないとぼったくられるケースも過去にありましたので、選ぶ際には慎重にしましょう。
軽度な場合や相手が実は愛情ではなく、お金目当てだったりする場合もあります。
これは私が受けたケースですが、男性と別れたところ恐喝まがいの電話などで毎回お金を要求してくる様になったとの相談を受けました。
私はこのケースは愛情のもつれ的な感情は無いと判断し、次の電話が来たら、弁護士に相談するから一緒に立ち会って欲しいと言う様に指示しました。(もちろん探りをする為なので、まだ弁護士との契約は発生していませんが)
それ以来、男性は電話しなくなり、その方は数年経った今も全く被害を受けていません。(メールなどで定期的に数年間フォローを行っているうえでの情報です)
ただし、このケースの場合は男性側の調査をきっちりと本人側から聞き取りした上で、きちんと教育を受けたプロの判断です。
当然、全てのケースに当てはまるわけはありません。
むしろ逆効果の場合もありますので、先ずは仲介人の介入を強くおすすめします。
こうして考えて行くとやっぱり親しき仲にも礼儀ありと言うわけです。
ちゃんと自分の気持ちは相手側に早目に誠実に伝えましょう。
それだけで、大部分はこの様なトラブルが起こる確率は低減できるのです。(もちろん、ダメなケースだってあるので、その為にプランBを用意するわけです)
〇アドレナリンコントロール(正確にはアドレナリンではないと言う部分もありますが、難しい話になるので文中ではアドレナリンとしています)
護身術を教えている教室は様々です。
その中で、主に身体を使った技(体術)を主体とする教室が割合的に多いです。
うちの場合も例外ではなく色々なケース毎の体術も研究していますが、それを使うのは最終手段なのです。
逃げられるなら逃げる方がいいし、戦わずに対処できればそれが一番です。(その為にこれを書いてます)
大抵の教室でも逃げる事を最初に考えなさいと言うはずです。
ただし、それらの体術はどんなものでも万能ではないと私は考えます。
何故ならアドレナリンコントロールと言う物を意識しなければ全く技を出せないか、逆に相手を煽ってしまい、被害を大きくする場合もあるのです。
そんな重要なアドレナリンコントロールの話です。
突然ですが、あなたが森をうろうろしていると熊専門の猟師さんに出会いました。
その猟師さんはここは熊が出るから危険だから、熊に出会ったときの対処方法をあなたに教えます。
その技は熊が口を開けたら、熊の舌を思いっきり掴むと諦めると言う物でした。
その後、あなたは話を聞いて怖くなり、帰ろうとしていると目の前に突然大きな熊さんが現れます!
あなたははたして猟師さんの対処方法を実行できるでしょうか?
恐らく大部分の方が冷静に対処できずにパニックに陥るか、思わず逃げようとしてしまい余計な刺激を与え、むしゃむしゃと熊さんに美味しく頂かれてしまうでしょう。。。
逆にその猟師さんは何故その様な対処が有効だと言ったのでしょう?
答えはその様な事を普段から想定している職業であるからか、その様な経験に慣れているか、だと思います。
実際に軍隊、特に特殊部隊と言われる精鋭の人たちは常に平時は想定訓練を繰り返しています。
これは実弾飛び交う戦場での作戦時にパニックにならず動けるようにする為です。
危険な職業の人たちは必ずこのような想定訓練を行い、アドレナリンを上手にコントロール出来るようにしていきます。
アドレナリンは一度分泌されると恐怖心を感じなくなったり、痛みを感じさせずに冷静に動けるようする働きがありますが、
実は体質による違いがあります。
危機的ショックを身体がキャッチしたとき、交感神経優位の人はアドレナリンが分泌されますが、逆に副交感神経優位の人は、アセチルコリンが出ます。
このアセチルコリンは身体の力が抜け所謂”腰が抜けた”状態になり動けなくなります。
ではアドレナリンが出る方が良いのか?と言うとそうでもないのです。
アドレナリンは実は後遺症もあります。
アドレナリンが過剰分泌されてしまうと数十分後には今度は極端に情緒が不安定になったり、逃げる気力を失ってしまったりするのです。
その為に想定訓練を繰り返し行い、長時間危機にさらされてもアドレナリンの過剰分泌による副作用やアセチルコリンによるパニック停止(腰が抜ける)を防いでいるわけですね。
なので、セミナーなどで対処方法を習ったとしても、想定訓練をある程度繰り返さないといざと言うときに使えなかったりするわけです。(当会の利用方法でもあります)
また、もう一つの側面です。
逆に加害者側がアドレナリンを分泌した場合ですが、特に男性が急所を攻撃された場合、場合によってはアドレナリンの過剰分泌により痛みをしばらく感じずに激しく相手が怒りを現すケースも多いのです。
その場合、例えば首を絞められている最中に被害者側が急所を蹴ってしまったりすると、実はただ相手を恐怖で支配し、
おとなしくさせる為の演技だったのが、相手が逆上し、首を絞める手が本気になり、余計に被害をエスカレートさせる場合もあるのです。
その為、技も色々と組み合わせたり、使うタイミングや臨機応変な対応も勉強すべきと言う事になってくるのです。
〇コントロールドラマ
コントロールドラマとは元々ジェームス・レッドフィールドの『聖なる予言』と言う小説の中で語られている人間同士のエネルギーの奪い合いを分類した概念です。
良く人は自分の高揚感を得るために色々な手段で相手からエネルギーを奪おうとします。
たまに一緒にいると妙に疲れてしまったり、元気にさせてくれたりする人居ますよね?
あれを分類した概念なのです(驚
その概念の中で、人は4つのコントロールドラマを使ってエネルギーを奪ったり、交換し合ったりしていると言っています。
最初はお互いにエネルギーを交換し合っている為、お互いにとって心地よい付き合いなのですが、
段々と時間が経つとどちらかがエネルギーを渡さずに奪うだけになってしまいがちです。
これは特に無趣味な人に多かったりします。(仕事が趣味ですって人もいますけど)
何故なら趣味を持つ人は趣味からエネルギーを補う事が出来るからです。
と言うのがこの概念ですが、さっそくその4つのコントロールドラマを紹介しましょう。
脅迫者・・・暴力や拒絶によって相手を支配しようとする
尋問者・・・人の上げ足を取り、色々と指摘する事で自分の方が上だと刷り込む
傍観者・・・自分は関係ないと言う事をしきりに強調し、他の人や物事の所為にしたり悪口を言う
被害者・・・自分を卑下することで同情を引いたり、相手に罪悪感を負わせる
これがどう護身と結びつくかと言うと。。。
危害を加えようとする人たちにもこれが当てはまります。
相手のコントロールドラマがなんであるか?によって、相手への対応を変えてあげると相手のペースを崩すことが出来ます。
脅迫者・・・加害者の期待「相手が怖がり恐怖で支配される」
尋問者・・・加害者の期待「相手が非を認め謝る」
傍観者・・・加害者の期待「同意を得られる」
被害者・・・加害者の期待「同情される」
https://www.youtube.com/watch?v=8LZNh8M5MhQ
これは押切もえの例ですが、上手くコントロールドラマを利用した例ですね。
加害者の期待している対応を演じるだけでもそれ以上のエスカレートを避けることもできますし、
逆に相手の期待を裏切る事により、相手が想定外のシナリオに誘導することもできます。
体術だけでなく、この様な対処の方法もあるのです。