『わたしたちが見つめる先 ─視線認知をめぐる先端研究─』
What our eyes are aiming for: Frontiers in the cognitive studies of gaze
私たちは視線を用いてさまざまな行動をくり広げる。それは私たちが見つめる先に他者の心が存在するからだ。
今から10年前の第67回大会において「Do the Eyes Have It? ─視線認知をめぐる最近の動向─」というワークショップを開催した。
社会的認知研究の高まりをうけて、90年代から共同注意などの他者の視線理解の研究が発達心理学や比較認知科学において進展した。
その流れは90年代後半から2000年代にかけて、視線によりトリガーされる社会的注意の問題などに代表される形で、認知心理学や
神経科学などとも連携しつつ広がっていった。そして10年を経た現在、視線をめぐる研究は、一瞥しただけではその全容をつかむのが
難しいほどの多様性を持ちつつ、次のブレークスルーを待っているかのようである。
本シンポジウムでは、5名の気鋭の研究者による視線認知に関する先端研究を概観し、私たちが見つめる先にある視線研究の未来を展望したい。