訂正する点(初刷り)に関する説明と関連するコメント

    • p.52で『「そもそもデータの十分近くに届く粒子がほとんどない」状態』と書きましたが,データの近くのフィルタリング分布の密度が実際に低ければそれでも問題ないわけです.『「そもそも事後密度の大きい領域に届く粒子がほとんどない」状態』のほうがより正確な表現と思われるので,そのように訂正させてください.

    • これに関連して,p.55 注6では「観測ノイズを一定にしてシステムノイズを変化させる」場合について言及していますが,「両者の比を一定にしてシステムノイズを変化させる」ほうが,フィルタリング分布の期待値が変わらないので,よりわかりやすい結果になるかもしれません.

    • p.55 注6では『少数の粒子に重みが集中する傾向』と書きましたが,重みゼロに近いところに粒子数のピークがあっても,その部分の重みの合計はそれなりの大きさになることがありそうです.微妙ですが,より的確に問題点をあらわす表現として『重みの大きい少数の粒子が結果に大きく寄与する傾向』に修正したいと思います.

    • 提供した人工データ(本文の図で使用したもの)では,dat$y[20]とdat$y[21]の間に大きなジャンプがあり,リサンプルする前のx[ ,22]のフィルタリング分布にその影響が生じます.ただし,単に重みのヒストグラムを書くと,ゼロのまわりにピークが立ちすぎて裾の様子が見えなくなるので,重みの分布を調べる場合には注意してください.また,乱数による結果のばらつきがしばしば大きいので,その点にも注意が必要です.