[特集] 統計的自然言語処理 ー ことばを扱う機械

ことばをコンピュータで扱う自然言語処理は人工知能の側面も持ち、ネットワーク上の電子的言語データの増大に伴ってめざましい発展を見せている。機械翻訳からロボティクスに至るまで、その適用範囲は幅広い。第2巻では、謎に満ちたこの分野の最新技術について解説し、その可能性と、何が真の問題であるかについて探る。

■ ことばのモデル入門 (中谷秀洋)

■ 言葉の個性をとらえるトピックモデル (持橋大地)

[サポートページ トピックモデル]

■ 創発する記号—ことばを知るロボット (谷口忠大)

■ 〈コラム〉Pythonでword2vec (中谷秀洋)

■ 単語の意味をコンピュータに教える (岡崎直観)

[サポートページ 分散表現(単語埋め込み)]

■ 自然言語の意味に対する2つのアプローチ—記号表現と分散表現 (宮尾祐介)

■ 〈コラム〉人間の翻訳,機械の翻訳 (中谷秀洋)

■ 機械翻訳の現在と将来 (Graham Neubig)

■ 〈コラム〉自然言語処理のためのソフトウェア (持橋大地)

[サポートページ 記事で紹介しているソフトウェアとリンクの一覧]

岩波データサイエンスVol.2発刊記念イベント

(2016年3月3日開催、グラントウキョウサウスタワー41F、後援:リクルートコミュニケーションズ(株))

各講演の内容が以下の動画にあります。

著者紹介

中谷秀洋 (サイボウズ・ラボ株式会社)

数学科時代に X68000 上で「ぺけ-BASIC」を制作。塾教師、WebCMS 開発を経て、サイボウズ・ラボで機械学習・自然言語処理を中心とした研究開発を担う。

持橋大地 (統計数理研究所)

1973年横浜生まれ。1998年東京大学教養学部基礎科学科第二卒、2005年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。ATR音声言語コミュニケーション研究所、NTTコミュニケーション科学基礎研究所を経て、2011年より情報・システム研究機構 統計数理研究所 准教授。専門は統計的自然言語処理およびベイズ統計的機械学習。

谷口忠大 (立命館大学)

1978年京都市生まれ。2006年京都大学工学研究科博士課程修了。博士(工学)。2005年より日本学術振興会特別研究員(DC2)、2006年より同(PD)。2008年より立命館大学情報理工学部助教、2010年より同准教授。2015年よりImperial College London客員准教授。主著に「コミュニケーションするロボットは創れるか」NTT出版、「ビブリオバトル」文藝春秋「記号創発ロボティクス」講談社、「イラストで学ぶ人工知能概論」講談社など。ビブリオバトルの考案者としても知られる。記号創発システムの構成論的理解や機械学習技術の応用に関する研究に従事。

岡崎直観 (東北大学)

1979年宇都宮市生まれ。2007年東京大学大学院情報理工学研究科博士課程修了。2005年英国テキストマイニングセンター・リサーチフェロー、2007年東京大学大学院情報理工学系研究科・特別研究員を経て、2011年より東北大学大学院情報科学研究科准教授。自然言語処理、テキストマイニング、機械学習に関する研究に従事。

宮尾祐介 (国立情報学研究所)

1998 年東京大学理学部情報科学科卒業。2006 年同大学大学院にて博士号 (情報理工学) 取得。2001 年より同大学にて助手、のち助教。2010 年より国立情報学研究所准教授。構文解析、意味解析などの自然言語処理基盤技術とその応用の研究に従事。人工知能学会、情報処理学会、言語処理学会、Association for Computational Linguistics 各会員。2010年に Microsoft Research New Faculty Award,、2012年に文部科学大臣表彰若手科学者賞、2014年に情報処理学会長尾真記念特別賞、2015年に日本学術振興会賞を受賞。

Graham Neubig (奈良先端科学技術大学院大学)

2005年米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校工学部コンピュータ・サイエンス専攻卒業。2010年京都大学大学院情報学研究科修士課程修了。2012年同大学院博士後期課程修了。同年奈良先端科学技術大学院大学助教。機械翻訳、自然言語処理に関する研究に従事。