休校中の過ごし方

先日、5月31日まで登校日なしの臨時休業の予定でしたが、近隣の感染状況の変化から、希望者のみの登校可能日が設けられることになりました。

第一・第二学区の県立学校は5月18日(月)から、週1回上限の分散登校。

新型コロナウイルス感染症による臨時休業中の登校可能日の設定について(県立学校)

神戸市立学校は20日(水)から29日(金)までに2回の予定です。

市立学校園における登校可能日の設定について(市立学校)

詳しい日程などは各学校の発表をお待ちください。

以下、長いのでポイントだけまとめました。

必要な部分だけご覧ください。

・ 朝は定時に起き、時間に余裕をもって生活(つめこみは続きません)

・ 去年と今年の教科書を読みこんで(特に図表に注目)、できるところから問題を解く(1日1ページでもよいが、答えは写さない)

・ (使えるなら)動画やネットをうまく使う(解説や問題はネットに山ほどありますので一度は検索を)

ワークでも動画でも、どんな形でも少しでも学ぶことを続けてください。

よくわからない問題などありましたら、ご遠慮なくお聞きください。

休校中の過ごし方

現在、神戸市では新型肺炎の感染拡大防止のために小・中・高・高専・特別支援学校などが休校・休業中です。

突然の休校・休業ですので、環境変化についていけない面もあるかもしれません。

ただ学力という面で見ると、この時期の過ごし方でこのあと大きな差を生みます。

なにかを学ぶ上でまず第一に挙げられるのは「きっかけはなんでもよいので対象に興味関心をもつ」ことです。

その第一歩を助けるものとして、いくつかご紹介します。

科学技術広報研究会

臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)(文部科学省)

専門的過ぎたり、なにがあるのかわかりにくい面もありますが、入り口のひとつになれば、と思います。

また、休校対策で有料の映像授業が期間限定で無料開放されたり、以前からYou Tubeなどでも解説動画があったりします。(順不同)


【随時更新】緊急事態宣言、在宅でできる教科学習サービスまとめ(Impress Watch いろいろなサイトの情報がまとまっています)

とある男が授業をしてみた(19ch.tv)(教科書を一度読んでからみるとわかりやすいかも、問題の解き方メイン)

Mikan Ringo(見たい動画を探すのが少し大変かも)

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」(内容は大学講義レベルですが、簡単にわかるように解説しているものもあります)

幼稚園児・小学生向け|自宅学習に使える無料のオンライン教材一覧(lifehacker)

京都府教育委員会からの挑戦状(京都府教育委員会)

~こうべっ子@ホーム学習チャンネル『おうちDEまなぼう』~(神戸市記者発表 対象:小学校~中学3年、5/7~)


上記以外にも、各教科書会社で復習プリント(子供の学び応援サイトからリンク)などもあります。

どう過ごせばよいか

神戸市でも3月25日(水)まで休校期間の延長が決まりました。

*神戸市も県立学校も5月31日(日)まで延びました

この春に卒業した人は、3学期は振り返りや自由登校が多いので学校が想定したカリキュラムが終了しています。

ところが在校生は突然の休校ということもあり、すべて終わっているケースは少ないと思われます。

例えば算数(数学)では、小5では円周や立体の体積、中1は資料の整理、中2は確率、高1はデータ分析・整数の性質、高2は微分積分・数列、と苦手とする人の多い単元が当てはまります。

あとでなにかしら対応があるでしょうが、例年ほど時間をかけて、とはいかないはずです。

いつもなら授業のなかで時間をかけてわかる機会もありますが、自学自習ができる習慣のない人はその機会を逃してなんとなくわからないまま、ということになりかねません。

また、この期間をなんとなく過ごしてしまうとその差はより大きくなります。


では、どうすればよいのでしょうか?


映像授業やインターネットの活用

いつも聞くことができる誰かが周囲にいればよいのですが、なかなかそうはいきません。

ですが、ネット上には上記以外にも優れた映像授業がたくさんあります。

(残念ながら科目丸ごとカバーしたものは少なく、単元や問題ごとが多いですが)

わからないことがあれば、一度は検索してみることをおすすめします。

動画でなくても、ホームページでもたくさんあります。

今のわたし達には、まわりにある多くの情報から必要かつ最適な情報を取り出して活用する能力が求められています。

判断のすべてをネットに頼る(依存する)のは危険ですが、絶対にやってはいけないこと、つまり最低限のリテラシーを身に着けたうえで、実際に使ってみないとうまく利用できるようになりません。

それは勉強もインターネットも変わりがありません。

当然、ご家庭によっては触れる機会がない、ということもあります。

その場合は、まずは学校指定や市販の参考書・問題集に頼るか、神戸市の小中学生なら「みんなの学習クラブ」を学校で利用させてもらうこともできます。

基礎の徹底

新学年が近いので、(新年度から受験生であれば特に)できるなら学校の先どりをしたいところです。

密にフォローできる人がいれば別ですが、「わからない!」ばかりだったり、聞いたときはわかった気になっても自分で解けない、のは本末転倒です。

その場合は、たいてい前に習った関係のある単元が十分理解できていないのが原因です。

この期間にこれまでの定期や実力考査、模試などで間違った問題の解き直しをしてみてください。

わからなければネット・参考書や問題集などで探してみたり、まだ理解が怪しいなら類題を解いてみたりしてください。

考えて、調べるのも立派な勉強です。


なにか覚えようというときに手を動かして覚える(例:漢字や計算の練習)というのもありますが、小→中→高と学年が上がるほど効率は下がっていきます。

特に関係のないことがらを覚える、ただの暗記は長期記憶と結びつきにくいので効率が悪いです。

そういうときにあまり頑張らなくてよい方法のひとつに、常に目に付くところ、例えばトイレの壁や机の上などに張り出すのがあります。

時間はかかりますが、無意識に常に目にすることで覚えていきます。

もうひとつが、覚えることがらをイメージやエピソードと結びつけて関連付けて覚えることです。

一見、覚えることが増えて大変そうに思いますが、それぞれの内容がつながっているので一部を忘れたり、思い出せなかったりしてもつながりから出てきやすくなります。

例えるなら、学校の先生の話が長く、あちこちに飛ぶのがそうとも言えます。

新学年の対応

例年とは違う新学期を迎えましたが、そろそろ教科書を受け取った頃でしょうか。

いつ学校が再開されるかはわかりませんが、いつもより授業内容が濃密に、つまり進度が早くなることが想像に難くありません。

それに対して今できることがあります。

それは「(できれば何回も)教科書を読み込むこと」です。

現在、学校で採用されている教科書は、きちんと読み込めば基本的な部分は理解できるように作られています。

とはいえ前提となる部分が不十分なままではわからないこともあります。

なので、まずは前学年(必要ならもっと前の)の教科書を隅から隅まで、特に図表に注目して見返す。

次に新学年の分を少しずつ読み進めてください。

同じ教科書を使う科目(例:中学の歴史・地理)は前学年の続きから、新しい教科書を使うなら最初からですが、一部理数系科目は教科書の順番とは進行が違います。

近隣ではこれらの単元を最初にやることが多いようです。


中学理科

1年:植物のくらしとなかま、光・音・力による現象

2年:動物の生活と生物の進化、化学変化と原子・分子

3年:生命の連続性、化学変化とイオン

高校数学Ⅲ(主に理系)

3年:微分法とその応用


基本的なことがわかったら次はアウトプット、つまり実際に問題を解いてみて内容がわかっているかを確認です。

特に問題を解く場合、どんなものでも最低3周、できるなら5周解いてください。

そこまでやり込んで解けない問題は、大抵の人にも解けません。

初回はもちろん全問解きますが、理解があやしいところはまず解答、とくに解説を読んでポイントを頭にいれてください。

そして、解答を見ないまま問題を解いてください。

解ければ大丈夫ですが、解けない場合は解説を見ながらでかまいません。

ですが、ただ答えを写すことに意味はないので、「なぜ」「どうして」その答えになるのか考え、調べてください。

答えを写すだけではできる・わかるようにはなりませんので時間の無駄です。

ただし、ほとんどの問題が見ながらでないとわからない、というのは実力と合っていないので、もう少し基本に近い問題集を探すのが結果として近道です。

2回目も同じように解きますが、解けなかった問題をチェックしておいてください。

3回目以降は前回解けなかった問題だけ解き直し、解けた問題は問題を見て答えや解き方が思い浮かぶかをチェックします。

なので周回が多くても実質かかる時間は思っているより劇的に少ないです。

また問題集を自分で買う場合は、他人のおすすめだけではなくて、解説が多くてぶ厚いこと、実際に自分で見てわかりやすいものを選ぶことをおすすめします。

解説が多いということは解くときの考え方が学びやすく、実際に解くのは自分なので本人がわかりやすいのがベストです。

他の人のベストが自分にとってのベストとは限りません。


よく数学の授業で言っていますが、答えが合うことにさほど意味はありません。

正しく知識(公式など)を使えば勝手に正解にたどり着きます。

間違えるということは使い方や使う場面が適当ではないのです。

その知識や公式をどういう場面でどのように使えばいいのか、それを手っ取り早く訓練するのが問題を解くことで、繰り返しでより理解が深まるのです。

そして、その考え方や理解は他の分野でも役立ちます。

本来は先人たちがやってきたように、常に考えて迷って答えにたどりつくことが第一ですが、先人たちが一生をかけて、それでも答えがでなかったような知識を短時間で、それも一度に数多く習得しようとするのです。

理解があやしいまま考えようとしても残念ながら十分な時間がないので、多くの情報が簡単に手に入る現代の知恵を使って時間を圧縮しましょう。

名を遺した先人たちでもわからなかったのですから、わからないことは恥ずかしいことではありませんし、最初はわからなくて当然です。

でも、わからないことをなにもせずに放置することこそが、真に恥であると思ってください。

個人の見解ですが、「わからない」というのは3年の間、常に頭の片隅において考え、情報収集しても理解できなかったときにはじめて言えると思っています。

変化の早い現代では悠長だという意見もありますが、ある程度の時間や手間をかけなかったり、考えたりしないことがわからないのは当たり前ですし、手っ取り早くわかるような魔法はありません。

習得に必要な時間は人ぞれぞれですが、「ほんとうにわからない」問題は出ません。

「わからない」と思うのは、知識のつなげ方をまだ知らないだけです。

継続と評価

学校で授業と休み時間が交互にあり、同じ科目が続くことがないのは、集中が続かないこと、また反復もないので効率が悪いからです。

ご家庭でも「今日はこれをやる」と書き出して可視化(時間割を参考に休憩時間も入れてください)、またできたかどうかチェックすることで効率とモチベーションが上がります。

最初は短い時間や1ページでも大丈夫です。

さらに、ひと科目が終わる時の最後5分でいいので、やった部分を見渡してさっと解答できるかどうか、を確認してください。

できたならその時間は身になる時間だったと言えますし、できないなら原因を追究してやりかたを変えるべきです。

まず優先すべきなのは、「少しずつでも続ける」こと、そして「一冊やり終える」ことです。

そのためには、最初はできることや得意な教科に偏ってもかまいません。

少し意味は違いますが、虚仮(こけ)の一念岩をも通す(不可能に思えることでも一途に取り組めば成就する)のです。


勉強ができる人や成績がいい人は、長時間勉強しているから、頭がいいから、いい先生がついているからだ、と思っていないでしょうか?

完全に否定はしませんが、多くの場合は違います。

できる人は、全力をかけて問題を解けたときの達成感を知っているからです。

例えば、難しいゲームやパズルをクリアしたとき、スポーツで実力が上の人に勝ったとき、あなたはどう思いますか?

「やった!」と満足感、爽快感に浸るはずです。

一度覚えてしまえば、何度も味わいたくなるのが人間です。

それを何度も味わううちに、結果として成績がついてきただけです。

やらなければ何も手に入りませんし、身に付かないのでわからないまま、新しいことを学んでもわからないことが増えるだけでなにも変わりません、当たり前です。

やり続ければ新しいことも少しずつでも身に付いていき、必ず経験や知識となり、変わっていきます。

あなたは、変わらないひと、変わるひと、どちらでしょうか?


とはいっても気が乗らない日もあるでしょう。

そんなときはどの教科でも動画でキーワード検索して、トップにあるものか気になったものをひとつ最後まで見てください。

キーワードが思い浮かばなければ、教科書のうしろの索引から拾ってみてください。

動画では、普段できないようないろいろな見方や考え方を疑似体験することもできます。

ときにはそれも大切です。

息抜きの重要性

テレワークをされている方もおられると思いますが、休校が長期化していますので子供たちにもあてはまるところがあると思います。

在宅歴30年の漫画家が、在宅心がけを描いてみました。(twitter)

意外と見過ごしがちですが、基本となる生活リズムは重要です。

その始まりとなる起床時間はできるだけ一定になるようにお気を付けください。

また、ずっと家にいるとオンとオフの差をつけられなくなりがちですので、上のリンクにもあるように意識的に休憩を入れることも必要です。

立ち上がってストレッチ、なにかお気に入りの飲み物を飲むなど、人によっていろいろあると思います。


また、外出自粛の最中ですので、いろいろストレスとなることも多いかと思います。

そのストレス解消や睡眠導入として、一部ではASMRと呼ばれているものがあります。

ASMR( Autonomous Sensory Meridian Response)とは、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚 (wikipediaより)のことです。

例えば、4K 焚き火BGM動画 くつろぎの3時間(癒し・勉強・作業用BGM)(You tube)です。

不思議と落ち着きます。

抹茶のマカロンの作り方(You tube)

夜遅くには見ないほうがです。(空腹的意味で)

You tube以外にもたくさんあります。

お気に入りの曲や動画をかけるのもいいですが、たまには環境音もいかがでしょうか。

イヤホンやヘッドホンで聞くのがおすすめです。