2013年10月9日(水曜) オミナエシ Patrinia scabiosifolia
ちょっと遅いけど、オミナエシです。
「生態学者が書いたDNAの本」の表紙は共著者の陶山さん撮影のモンゴルの草原ですが、裏には、オミナエシのこの写真があります。美しい本ですね~。そして、表紙を見開くと、ウォーリーは何処だ?状態の著者の写真が!
以前住んでいた東広島市で撮影したものです。田園地帯に多くの絶滅危惧種が生育する、素晴らしい環境でした。手前に地上に咲くオミナエシ、バックにはジュンサイの葉が浮かぶ水面、そして映り込んだ空と、身近な陸水空の環境を組み込んだつもりです。
オミナエシ属はヨーロッパから東アジアに15種が知られています。以前はオミナエシ科Valerianaceaeでしたが、現在ではオミナエシ科自体がスイカズラ科Caprifoliaceaeに含まれるようになりました。
2013年5月10日(金曜)オオカメノキ Viburnum furcatum
春の山地で魅力的な花を咲かせる低木です。
ガマズミ属(Viburnum)は世界に150種程度が知られ,スイカズラ科を代表するような属でした。しかし,新しい分類体系APGではスイカズラ科は大分裂し,ガマズミ属はなんと,レンプクソウ科に組み込まれました。
レンプクソウは特に珍しいものではありませんが,植物好きしか知りそうにないという地味な植物です。小さな花茎の先に複数の緑色の花が直方体状 (!)に集まって咲きます。これまではレンプクソウ科はレンプクソウ1種からなるというマイナーな科だったのですが,今や,スイカズラ科から移ってきたガ マズミ属やニワトコ属をふくむ大所帯になりました。
2013年4月25日(木曜)ノウルシ Euphorbia adenochlora
トウダイグサ科の多年草です。トウダイグサ属Euphorbiaは世界に1900種も有る大きな属で,形態的にも変化に富んでいます。外来種として 悪名高いものもありますが、ノウルシは,どこにでもあるという植物ではありません。写真は,琵琶湖沿岸の有名な生育地で撮影しましたが,あちこちに大群落 が広がっています。この時期,最盛期という感じですが,6月には紅葉します。
2013年3月11日(月曜)ユキワリイチゲ Anemone keiskeana
アネモネ属はほぼ全世界に分布し、総数150種に及びますが、西日本にはそれほど多くはありません。ユキワリイチゲは、西日本の低山帯で最も普通に見られるアネモネの一つです。
写真の群落は、年々大きくなっています。光は強くなってきたものの、未だ、肌寒く、こんな立派な花が咲いているとは期待していないので、毎年のように感動します。
2013年2月21日(木曜)ウバユリ Cardiocrinum cordatum
だんだん日の光も強くなり、春も近くなってきましたが、これは昨年の名残、ウバユリの実です。
本格的な春が始まる前には、花の多いときには見過ごしてしまいがちな、こうした美しいものが目につきます。ちょうど太陽の光が無い夜に星が見えるように。
ウバユリ属はヒマラヤから東アジアに3種が分布しています。
40年以上前、植物に興味を持ち始めた頃に、近くの湿った林床で、葉に光沢があり、さらに葉脈が赤いという、観葉植物のような植物を見つけました。 大きな植木鉢に植えて裏庭においていたところ、夏の頃に葉の無くなった茎の先に大きな花が咲き、予想もしていなかった展開に驚いたものです。