Research

アーキア(以前は古細菌とも)の一群を起源とする原始真核生物が現存する真核生物群へ多様化した過程の解明は、生物学における重要な未解明課題の一つです。

その課題を解明するには、どのくらいの生物種が真核生物において存在するか、つまり真核生物の多様性を把握する必要があります。

また一方で、真核生物の多様性の大部分を原生生物(プロティスト)が占めると考えられています。

近年、盛んな環境メタゲノム解析によって、これまで私たちが実態を把握していない多数の新奇プロティスト系統の存在が示唆されています。

真核生物の多様性を構成する未知系統のプロティストが自然環境中に手つかずのまま放置されているのです。

私はそういった未知なるプロティストを環境中から単離し、大規模分子系統解析によって、系統的位置を精度よく推測することで、

真核生物の多様性、系統関係をより解像することに貢献し、真核生物が多様化した過程の解明を目指しています。

研究テーマは主に二つあり、真核生物の系統関係の解明とその系統関係を基盤とした遺伝子進化の解明です。

真核生物における系統関係の解明

真核生物の遺伝子進化の解明