第24回定例研究会

・ 日時 2月24日(土)13:30~17:00

・ 場所 法政大学 市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー11階

BT1100番教室(下記会場案内をご参照下さい。)

・ 参加 人数把握のため事前に上記問い合わせ先までご連絡をお願い

致します。

・ プログラム

1)研究発表(口頭発表,質疑含め一人40分,敬称略)

・萩原 遥(法政大学大学院人文科学研究科 大学院生)

・Xiao Jing(国際基督教大学 大学院生)

・菊池理紗(法政大学大学院人文科学研究科 大学院生)

・藤本和則(近畿大学経営学部 教授)

・福田由紀(法政大学文学部 教授)

2)懇親会(自由参加)

参加費:研究会は無料 懇親会は実費あるいは会費制

【研究発表】

*決まり次第,こちらに掲載します。

(萩)原 遥(法政大学大学院人文科学研究科 大学院生)

<タイトル>

指示の構造は文章での指示理解にどのように影響するか

<アブストラクト>

文章で表される指示の理解を促進する要因のひとつに,文章の構造があることが示されている(Diehl&Mills,2002)。本研究の目的は,文章と同様に指示を表す媒体であるフローチャートの構造とその分類(順次構造・選択構造・反復構造)に着目し,それらの構造が指示理解にどのような影響を与えるか検討することである。具体的には,参加者は指示を表す文章を読み,その指示に沿って枠の中の事物を動かし,その後文章の難しさを6件法(1「とても簡単である」?6「とても難しい」)で評定する。大学生や大学院生を対象に行った予備的検討において,正答率と読み時間,難易度評定,解答に要した時間に関して,1要因3水準の分散分析を行った。その結果,読み時間においては,順次構造と反復構造よりも選択構造の読み時間が有意に早かった。また,難易度評定においては,順次構造よりも選択構造の評定値が有意に高かった。

★Xiao Jing(国際基督教大学 大学院生)

<タイトル>

音声単語認知における文脈の果たす役割に関する研究―中国人日本語学習者を対象とする―

<アブストラクト>

本研究では、中国語を母語とする上級の日本語学習者を対象に、文の制約性が日本語漢字単語の聴覚的認知過程にどのような影響を与えるのか、この影響が日本語聴解能力と関わるのかを検討した。実験では、視覚的に先行呈示される日本語文(空白付き)の制約性の高低と、後続音声呈示される漢字単語(空白に入るターゲット単語)の中国語と日本語間の音韻類似性を独立要因として操作した。また、漢字単語の聴覚的語彙判断課題における正反応時間を従属変数とした。実験の結果、聴覚呈示された日本語漢字単語の処理過程が、先行呈示された日本語文の制約性によって異なることが観察された。また、高制約文が先行呈示された時に、聴解能力が低い日本語学習者における音韻類似性の影響が見られたが、聴解能力が高い日本語学習者における音韻類似性の影響がなくなった。本研究から、音声漢字単語を処理する際に、1)聴解能力にかかわらず、トップダウン処理が音声処理過程を促進すること、 2)聴解能力が高くなると、トップダウン処理で母語の活性化を抑制することができるということがわかった。

★菊池理紗(法政大学大学院人文科学研究科 大学院生)

<タイトル>

Eメールはどのように評価されるのか?―「好ましさ」という観点から―

<アブストラクト>

誰しも自分が読んだり書いたりしているメールに対して「これは失礼だ」「これはわかりやすい」などの評価を行った経験はあるだろう。本研究では,私たちがあるメールを「好ましい」と思うときに着目し,大学生を対象に,どのようなメールであれば好ましいと評価されるのかを探索的に調査した。参加者には,指導教員や大学事務を相手にメールをやりとりする場面を想像するように指示し,予備調査の結果をもとにして作成した各質問項目がメールを読むときに好ましいと感じる基準,あるいは,書くときに気を付けることとしてどの程度当てはまるかを1~5で回答させた。因子分析の結果,読むときと書くときでは好ましさの因子構造に異なる点があることが明らかになった。すなわち,読むときと書くときでは,異なる基準で好ましさを評価していると示唆された。

★藤本和則(近畿大学経営学部 教授)

<タイトル>

結論非明示メッセージの態度変容・強化効果について

<アブストラクト>

「結論をあえて言わないメッセージは説得の効果をもつ」という結論非明示の理論ついて研究を進めている。本発表では、次の二つの視点から検討を行った結果について述べる。(1)視点を読み手に置いたメッセージと書き手に置いたメッセージの効果の差異、(2)程度表現と比較表現の効果の差異

★福田由紀(法政大学文学部 教授)

*連名発表:福田由紀(法政大学文学部心理学科教授)・萩原 遥(法政大学大学院人文科学研究科)・菊池理紗(法政大学大学院人文科学研究科)

<タイトル>

言語心理学を学ぶべきか?それとも言語学を学ぶべきか?―学問イメージの視点から―

<アブストラクト>

私たちは言葉に関して学びたいと思った時に,どの学問分野を選択するのであろうか。この素朴な疑問に応えるために,本研究では大学生を対象に言語心理学への学問イメージと言語学への学問イメージを探索的に比較検討した。具体的には,各学問分野において学べると思う項目について複数選択させ,学習経験の有無と各学問分野別にコレスポンデンス分析を行った。その結果,両学問分野とも未習者の学問イメージは拡散していた。また,項目選択率を比較した結果,言語心理学は言語学よりも狭い学問分野だと捉えられていた。一方,既習者の学問イメージは両学問分野ともに未習者よりも明確であった。言語心理学の学問イメージは言語心理学由来の項目のみで,一方,言語学の学問イメージは両分野由来の項目で構成されていた。

【会場案内】

法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー11階 BT1100番教室

ボアソナードタワーは,市ヶ谷キャンパス内の26階建てのビルです。

エレベーターはオレンジ(低層階用)と青(高層階用)の2種類あります。

どちらもご利用できますが,青いエレベータの方が便利です。

そのまま直接,11階のBT1100教室までお越しください。

守衛所等で受け付けなどは必要ありません。

なお,緊急の連絡先は,03-3264-9382(福田由紀研究室直通),

03-3264-5024(実験室付属の準備室)です。

http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/access.html

http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/campusmap.html