<第31回定例研究会>
日時 2023/3/16(木)13:30~17:00(予定)
場所 法政大学 市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー11階 BT1100教室
合わせてオンラインでも実施(※Zoomを予定)
※対面参加のご予定の方は資料印刷の都合上,事務局(koh.tsunemi@gmail.com)まで
お知らせ頂けますと助かります(すでにお知らせ頂いている方は改めてのご連絡はご不要です)
参加費:無料
プログラム
〇研究(計画)発表 4件(敬称略,お申込順)
※口頭発表お1人45分(発表25分,質疑20分程度,発表順は当日決めさせて頂きます)
・梁葉飛(広島大学 人間社会科学研究科)
タイトル:読者の内声化スタイルが読解行動に及ぼす影響
要旨:内声化とは,文章を黙読する際に頭の中で文章を音読することを指す。近年,複数の調査研究により,内声化を行う程度が個人や状況によって異なることが明らかにされ始めた。この内声化を行う程度や内声化の質を,ここでは内声化スタイルと呼ぶ。内声化スタイルの個人差については,実験研究によるエビデンスがほとんどなく,個人差をもたらす要因や,内声化スタイルの違いが読解行動にどのような影響を及ぼすかについては,未解明なままである。本発表では,この課題を解決する研究の成果及び計画について報告する。研究の目的は,内声化スタイルが読者の読み行動に与える影響を明らかにすることであり,読解力向上や読書普及への貢献を目指している。具体的には,まず,読解パフォーマンス,読解時の視線,音読・範読時のEye-Voice Spanを測定し,個人の内声化の程度との関連を明らかにする。その後,内声化スタイルと読解中の感情喚起の関連について,視線計測やNIRSを用いて検証する計画を立てている。
キーワード:文章読解,内声化,個人差
・細川亜佐子(名古屋大学大学院 情報学研究科)
タイトル:物語理解時の視空間的な視点取得は登場人物に対する共感的反応を引き起こすのか
要旨:物語を読むとき,読者の心内では登場人物の視点に立つような視空間的な表象が生成されることが示唆されている。このような登場人物の視点に対する視空間的な視点取得は,その状況を実際に体験するかのような心的なシミュレーションを引き起こすと考えられる。実際に,視点取得の研究では,他者の見えを想像することで,その人物への同調を促し,心情理解につながることが示唆されている。したがって,物語理解時においても,視空間的な視点取得が他者へのシミュレーションを促進し,登場人物への共感をもたらす可能性が考えられる。そこで,本研究は,物語理解時の共感過程における視空間的視点取得の関与を検討するという研究目的に基づき,3つの実験を計画した。
・Trần Nguyễn Bảo Vy(ベトナム国家大学ホーチミン市校人文社会科学大学日本学部)
タイトル:ベトナム人日本語学習者の読解上の問題点-中級レベルと上級レベルの大学生の場合-
要旨:本研究ではベトナム人日本語学習者の読解上の問題点を明らかにすることを目的に、中級レベルの大学生を対象とした5段階尺度形式のアンケート調査と2人で読んだ読み活動における発話調査及び上級レベルの大学生を対象にして一人で読んだ過程の発話調査を実施した。中級レベル大学生の場合は学習者自身は言語知識の不足が問題だと意識しており、これらの問題は発話調査で実例が観察された。また、学習者は文章の論理の展開、代名詞の理解、内容の理解度の把握という問題を意識していないが実際には多く観察された。さらに、中級学習者と上級学習者の発話データを比較した結果、上級学習者にも中級学習者と同様な言語解読の問題の実例が見られ、彼らが文章の論理の理解、代名詞の理解などの問題も抱えているとわかった。それに加えて、未知語に遭遇した時、両方とも漢越音で意味を推論するというベトナム語と日本語の共通点を活かしたストラテジーをとったということが明らかになった。
・稲葉崇将(法政大学院キャリアデザイン学研究科)
タイトル:高校生の学習観の探索的調査
要旨:文部科学省(2019)は, 高校生の社会移行に向けた資質・能力の育成を教育目標とする一方, 現状は大学受験等の外部要因の影響を受け 本来の目標達成が困難である点を指摘する。学校には受験を越えた学習の意義を生徒に伝えていくことが期待されるなか, 現状高校生は自らの学習をどのように捉えているのだろうか。そこで本研究では, 高校生の学習観について自由記述法を用いた調査を実施した。高校1年生240名に「あなたにとって『学習』というものはどのようなものですか」という質問をし, 回答を分類した結果, 「知識の習得・増大」「社会への適応」「自己実現・成長・向上」「主体的探求」「受験・就職」「強制・義務」「反復・体得・習慣化」「反省・実践」「経験からの学び」「理解・気づき」「師事・授業」「内的充足」という12の学習観カテゴリーの存在が示唆された。これを踏まえ今後は高校生版学習観尺度の作成, 個々の学習観の様相と社会移行との関連性を検討したい。
【会場案内】
【対面】でのご参加につきましては以下をご参照ください。
会場:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー11階 BT1100番教室
ボアソナードタワーは,市ヶ谷キャンパス内の26階建てのビルです。
エレベーターはオレンジ(低層階用)と青(高層階用)の2種類あります。
どちらもご利用できますが,青いエレベータの方が便利です。
そのまま直接,11階のBT1100教室までお越しください。
守衛所等で受け付けなどは必要ありません。
なお,緊急の連絡先は,03-3264-9382(福田由紀研究室直通),
03-3264-5024(実験室付属の準備室)です。
http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/access.html
http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/campusmap.html
【オンライン】でのご参加については以下をご参照ください。
Zoomミーティング
トピック: 第31回ディスコース心理学研究部会
URL:https://hosei-ac-jp.zoom.us/j/87684249926?pwd=aVRZSmxlWmtRRzVZM1FmWjA5eWxaUT09
ミーティングID: 876 8424 9926
パスコード: 982706
※当日はお名前(スクリーンネーム)を本名にしてご参加をお願いします
※参加者名簿作成のためご参加後にチャット欄にお名前とご所属の記入をお願いします
※ご参加について事前のお申し込み等は必要ありませんが,Zoomミーティングについて
不明な点がありましたら事務局(koh.tsunemi@gmail.com)までお問い合せください。