Yakushima Island (屋久島)

屋久島 (Yakushima Island)

屋久島には九州最高峰(宮之浦岳1936m)があり、山頂部の平均気温は北海道と同等である。宮脇昭は日本の植生を植物社会学により体系化した『日本植生誌』全10巻の第1巻(1980年)を屋久島のみにあて、「日本列島の植生の縮図であり、要めである」と書いた。ただし、屋久島の冷温帯(標高約1000m以上)には落葉広葉樹林の代表樹種ブナ・ミズナラ等(北海道に多いシナノキ・ハルニレ・イタヤカエデも)はなく、代わりにスギ・モミ・ツガが優占し、ほぼ常緑樹のみからなる針広混交林が広がる。古く、今西錦司(1949)は「屋久島はその過去において(中略)温帯落葉樹や亜寒帯常緑針葉樹渡来を許さなかったような条件下に、おかれていた」と述べた。その後、吉良竜夫ほか(1976)は「最終氷期の最盛期にもブナ林が九州南部までしか南下しなかった可能性」について述べた。さらに、大沢雅彦(1993)は、屋久島が熱帯型垂直分布(落葉広葉樹林帯を欠く)の北限域に位置することを指摘した。


宮之浦岳(九州最高峰、1936m)山頂まであと少し(2014年5月30日)

ヤクシマシャクナゲ開花の当たり年

Summit of Miyanoura peak (1936 m asl) with Rhododendron yakushimanum flowers


標高600 mの照葉樹林(中央に開花中のスダジイ)から針広混交林と太忠岳(1497 m)を望む

Vegetation changes from evergreen broad-leaved forest (in front) to mixed conifer broad-leaved forest (in back) with increasing elevation

Flowering Castanopsis sieboldii in the middle


原生自然環境保全地域(スギ林)(標高1200m)25年目の調査(2018年10月11日)

Cryptomeria japonica forest (1200 m asl) in the Yakushima Wilderness Area

(撮影:吉良友祐)


原生自然環境保全地域(照葉樹林700m)35年目の調査のため花山歩道を登る(2018年9月22日)

Trekking through the mossy forest

(撮影:吉良友祐)


原生自然環境保全地域(照葉樹林)調査

540m調査区に行くため最後に小楊子川を渡渉する(2018年9月23日)

Crossing the river to access the study plot of broad-leaved evergreen forest (540 m asl)

(撮影:吉良友祐)


ヤクシマラン:例外的に放射相称の花を持つラン

Apostasia nipponica (Orchidaceae), an exceptional orchid with an actinomorphic flower.

2003年のクリスマス前日は雪の屋久島原生自然環境保全地域(1200m)で迎えた。

White Chritsmas of 2003 in Yakushima Wilderness Area.