本研究室では北海道の針葉樹林・落葉広葉樹林から、九州南部〜南西諸島の暖温帯・亜熱帯照葉樹林、東南アジア熱帯の低地林から山地林まで、多様な森林を対象としてフィールドワークに基づく生態学的研究を行なっています。
本研究室の学生が現在までに取り組んだ(取り組んでいる)研究テーマは、大雪山針葉樹林の構造と動態、北限地域ブナ林の組成と構造、屋久島の樹木群集構造の標高による変化、キナバル山の異なる地質上の森林動態、モンゴルと北海道の高木性および低木性カバノキ属の生態などです。相場が2019年9月まで所属していた鹿児島大学(理学部地球環境科学科)で指導した学生の卒業研究では、地元の屋久島・霧島山・奄美群島の森林での野外調査に基づくものが多かったです。以下に研究テーマを示します。
本研究室は「汎針広混交林」概念で有名な北大農学部教授舘脇操(1899〜1976)の流れをくんでいます。伊藤浩司編著「北海道の植生」(1987)には以下のように書かれています(5ページ)。
舘脇は終生大学に講座をもつことができなかったが、その流れは、1977年新設された北海道大学大学院環境科学研究科生態系管理学講座に移された。ここでは環境問題解決のための手法として植物生態学が研究されている。
ちなみに舘脇操は1956年10〜11月に屋久島と霧島山で帯状区調査を行なっています(舘脇1957a, b)。
舘脇操編著 (1957a) 屋久島の森林植生:日本森林植生図譜(Ⅱ). 北海道大學農學部 演習林研究報告, 18(2), 53-148
舘脇操編著 (1957b) 南九州の森林植生:日本森林植生図譜(Ⅲ). 北海道大學農學部 演習林研究報告, 18(2), 149-207