<研究課題名> 自殺による院外心停止の頻度、特徴、および予後に関する疫学調査
<研究者名> 本郷 貴識
<所属機関名> 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 救命救急・災害医学分野
<研究概要>
院外心停止は社会的に重大な健康問題であり、本邦では毎年約11万人の院外心停止患者が発生している。様々な心肺蘇生に関する研究が行われているにも関わらず、現在も院外心停止患者の治療成績は十分には改善していない。院外心停止の原因のうちの1つの、自殺は世界中で、深刻な社会問題と認識されており、自殺による年間死亡者数は70万人を超えている。特に若年層では、死因の上位に自殺が挙げられており、自殺の予防は急務な課題である。自殺の手段としては、飛び降り、服薬、縊首等があるが、自殺の背景には身体的、精神的、社会的な要因が複雑に絡み合っており、心停止まで至る自殺の明確なリスク因子明らかなにはなっていない。これまでに、日本を含む世界各国で、自殺による心停止の大規模な疫学調査が行われておらず、その頻度、特徴、予後などの詳細な情報は明らかになっていない。本研究では、自傷・自殺未遂レジストリ(JAPAN Registry of Self‐harm and Suicide Attempts ; JA-RSA)に登録された自傷や自殺未遂により救急医療機関に搬送された患者を対象として、患者背景や予後について後方視的観察研究を行う。本研究の目的は自殺による院外心停止の疫学を調査し、自殺リスク因子を特定することである。
<データ利用承認日> 2024年3月21日
<公表について> 論文:Resuscitation plus
<ステータス> 研究終了 ⇒研究成果