<研究課題名> 小中高校および大学生における自傷・自殺未遂の特徴および予後に関する疫学調査
<研究者名> 問田 千晶
<所属機関名> 信州大学医学部 医学科 救急集中治療医学教室
<研究概要>
本邦では、特に若年層において自殺は主要な死因の一つであり深刻な社会問題となっている。自傷や自殺未遂の経験は自殺の最大のリスク因子であり、自傷・自殺未遂者へ適切に対応することは自殺対策において極めて重要である。しかしながら、本邦において自傷・自殺未遂者の特徴や予後に関する大規模疫学調査は行われておらず、その実態は明らかではない。近年では、小中高校および大学生における自殺率は増加しており、若年者層に対する自殺対策は喫緊の課題である。全国的かつ持続的な自傷・自殺未遂レジストリに登録されたデータを活用した疫学調査の結果は、自傷・自殺未遂者の支援に活用され誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現の一助となると期待できる。
本研究は、2022年1月1日〜2024年12月31日の期間に救命救急センターにおける自傷・自殺未遂例の登録システム「JA-RSA」に登録された症例のうち学生・生徒等に属する症例を対象とし、小中高校および大学生における自傷・自殺未遂の疫学調査から属性(小学生、中学生、高校生、大学生)ごとに自傷・自殺未遂者の特徴を明らかにし、若年者の将来において自殺死亡を防ぐための自傷・自殺未遂者支援のあり方を検討することを目的として実施する。
<データ利用承認日> 2024年9月24日
<公表について> 学会:日本臨床救急医学会 論文:Acute medicine & Surgery
<ステータス> 研究実施中
<研究課題名> 生活保護受給と自傷・自殺未遂との関連の評価
<研究者名> 本郷 貴識
<所属機関名> 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 救命救急・災害医学分野
<研究概要>
WHOの試算によると、世界の年間自殺者数は70万人を超えている。自傷・自殺未遂者は自殺既遂者の10〜20倍存在するとされ、自殺は遺族の悲しみをもたらすだけではなく、社会的資源の喪失や医療費の増大につながる公衆衛生上の課題である。自殺のリスク因子として、低所得者や生活保護受給者などが挙げられている。日本における年間自殺者数は約2万人とされている。令和4年度の生活保護受給者数は199万人で、そのうち同年度の自殺者数は805人と報告されている。生活保護受給者の自殺率は年間40.4人/10万人であり、全人口の自殺率17.5人/10万人と比較して高い。しかしながら、過去の研究では、生活保護受給と希死念慮・自殺企図との時間的前後関係は明らかになっていない。本研究の目的は、自傷・自殺未遂レジストリ(JAPAN Registry of Self‐harm and Suicide Attempts ; JA-RSA)に登録された患者における生活保護受給の割合と全国における生活保護受給の割合を用いて、生活保護受給者以外と比べた生活保護受給者における自傷・自殺未遂のリスク比を推定することである。
<データ利用承認日> 2024年12月20日
<公表について> 学会:日本臨床救急医学会、日本救急医学会、日本集中治療医学会など 論文:未定
<ステータス> 研究実施中
<研究課題名> 過量服薬や自殺のゲートキーパーのための企図者の特徴の探索
<研究者名> 永島 一輝
<所属機関名> 千葉大学大学院薬学研究院 先端実践薬学講座
<研究概要>
過量服薬(オーバードーズ)や自殺の兆候に気付き、患者に介入して傾聴することでこれらの防止に繋がることが分かっているが、兆候に気付くためのエビデンスは限られている。本研究は、過量服薬(オーバードーズ)や自殺の予兆に気付き、発生を予防するゲートキーパーが求めるエビデンスの構築を目的とし、JA-RSAデータの解析により過量服薬や自殺に気付くための患者背景や動機、検査値等の特徴の探索をおこなう。
<データ利用承認日> 2025年5月30日
<公表について> 学会:日本薬学会、日本医療薬学会(予定) 論文:未定
<ステータス> 研究実施中
<研究課題名> 自殺企図後における負担感の知覚と希死念慮の推移
<研究者名> 東出 采子
<所属機関名> 大阪大学大学院人間科学研究科 臨床死生学・老年行動学講座
<研究概要>
自殺の最も重要な要因として,自殺未遂歴がある。将来の自殺未遂・既遂を予測する因子の研究により,自殺未遂直後の自殺意図の有無,強さが再企図を予測する因子として重要であることが示されている。従来の研究では,自殺未遂後の自殺意図について救命救急センター来院後24時間以内に確認するなど,未遂直後に一度のみ自殺意図について確認し,状態を扱っているものが多い。退院時や転院時は,環境の変化や精神状態の変化が生じ,自殺の危険性は変動する可能性があり、希死念慮の有無や強さについて把握することが再企図リスクを図るためには重要である。しかし,退院・転院時の希死念慮の有無とその背景要因に関しては実証研究は少なく,特に入院時の希死念慮と,退院・転院時の希死念慮の有無,その持続性について言及した実証研究は存在しない。そこで本研究は入院時・救命救急センター退出時の希死念慮に注目し、その有無・変化とその背景要因について検討する。
<データ利用承認日> 2025年9月26日
<公表について> 学会:未定 論文:自殺予防と危機介入
<ステータス> 研究実施中
<研究課題名> 精神科受診歴が自傷・自殺未遂患者に与える影響
<研究者名> 土田 拓見
<所属機関名> 北海道大学病院 救急科
<研究概要>
精神科に通院中でありながら自殺企図に至る患者も少なくないが、精神科未受診のまま自殺企図を起こす患者も存在する。これらの患者群の背景因子・自殺手段・動機・臨床転帰がどのように異なるかを明らかにすることは、自殺企図予防の介入方法を改善するためにも重要である。本研究では、精神科医療につながっている患者とそうでない患者の特徴や予後の違いを明らかにし、自殺企図の予防や再企図防止、精神科医療へのアクセス改善、救急医療と精神科医療の連携強化に役立つ知見を得ることを目指している。
<データ利用承認日> 2025年11月14日
<公表について>学会: 詳細未定(日本精神科救急学会など) 論文: 詳細未定(Psychiatry and Clinical Neurosciences など )
<ステータス> 研究実施中
<研究課題名> 救命救急センターにおける自傷・自殺未遂患者への支援介入の実施と患者及び施設要因との関連
<研究者名> 岩間 雄大
<所属機関名> 自傷・自殺未遂レジストリ運営委員会(いのち支える自殺対策推進センター)
<研究概要>
救命救急センターにおいて、搬送された自傷・自殺未遂患者に対する様々な支援介入(希死念慮の確認や精神科コンサルテーション、つなぎ支援、情報提供等)が推奨されている。各支援が実施されるか否かに関しては、患者の個人要因(年齢や性別、自傷・自殺未遂時の状況、外来時の転帰、重症度等)や施設要因(救命救急センターの受け入れ体制や精神科診療体制)が影響する可能性があるが、実態は明らかになっていない。本研究では、自傷・自殺未遂レジストリのデータを活用し、救命救急センターで行われる支援の実施状況と関連する要因を探索的に分析する。
<データ利用承認日> -
<公表について> 学会: 日本自殺予防学会、国際自殺予防学会 論文: 未定
<ステータス> 研究実施中
<研究課題名> 救急搬送されたこども・若者の自殺未遂者の支援に関する状況調査
<研究者名> 武藤 杏里
<所属機関名> 厚生労働省 社会・援護局自殺対策推進室
<研究概要>
自損行為による救急搬送の件数は年間4万人を大きく超える。特に、こども・若者の自損行為による救急搬送の件数は増加している。そこで、こども・若者と大人の自傷・自殺未遂者の状況を比較し、主に支援に関する観点から、「支援の端緒が生かされているか」「つなぎ支援は十分か」といった課題を明らかにし報告する。
<データ利用承認日> -
<公表について> 報告書:政府刊行物(リサーチペーパー、白書等)(予定)
<ステータス> 研究実施中
※ JA-RSAのデータを利用した研究をご検討中のレジストリ参加機関の方は、データ利用のページをご確認ください。