感情が動かされる恋愛や笑いをテーマに、その物語や方法や原理を知るトピア
⇒トピア認定クエスト(RANK:★★★)
※Pトピアの4つの棚につき、それぞれひとつ以上のクエストを達成した者にのみ挑戦資格が与えられる上級クエスト
現代ではLGBT社会運動や同性愛婚の合法化などが進んできている。その一方で家族や学校、組織などの小さなコミュニティ内での、認知や受容、理解はまだ偏見が伴っている状況であろう。また、社会的規範から外れた恋愛である不倫や特殊性愛についても、マスメディアやインターネットでは容赦ない糾弾が浴びせられる。なかには、シニア世代の老いらくの恋にも眉をひそめるものもいるだろう。 ジェンダー、多様性(ダイバーシティ)が重要視される社会の中で、多様な性のあり方や恋愛の形を模索する。現代の社会課題が集約された書棚。
恋は何かを誰かに「乞う」つまり欲する感情から発露するもので、人を動かす力でもある。なかでも初恋は「初」であるために、未知の相手、経験、感情といったあらゆる未知とつき合うことになる。未知ゆえに希求する衝動的エネルギーが大きく、未知ゆえに起こる誤解、過失がドラマを成立させる。 恋が求めるがまだ叶わない感情の状態であるとすれば、愛とは求めたものと一体化する精神や行為である。恋が愛に変わると、何が失われ、何が残るのか。また純愛ブームという現象や憧れは、現代人にどんな夢を見せているのか。「恋愛」をテーマに、社会学、歴史学、文化人類学の視点から新書、文庫と読み連ね、現代を理解する一助としたい。
マンガ上の「エロス」の流れを俯瞰すれば、春画と印象派に類似する劇画ジャポニスムがある。近年ではヨーロッパを中心に再発見が進んでいる。また、日活ロマンポルノが多くの映画監督を誕生させたように、「エロマンガ」から数々の才能が生まれてきた。エロでなければならないという規制が、表現の自由を生んできたのである。性が男性の消費物とする社会に抗して、女性が描く「性と死」がマンガでも大きな潮流をつくっている。最後に法的な観点からみれば、表現の過激さから規制される「有害コミック」問題は、現代社会が「性と死」の問題に蓋をしてきたということを象徴している。真の実学には、都合の悪い「性と死」の問題が避けて通れない。
4コマは画期的な「日本という方法」である。俳句の五七五と同様に凝縮された編集技術がそこにはある。4コマギャグマンガに加えて、本面では、ギャグを世界文学とも通じる3テーマ(「ナンセンス」「パロディア」「不条理」)に分類し、メディエーションと方法の工学化を深く考察する。 一般常識といわれるコモンセンスに対してナンセンス、パロディアとは日本流にいえば「本歌取り」。リメディエーションすることで笑いや風刺して新しい見方をつくる方法である。西洋的思想、哲学を背景にした不条理ジャンルのマンガも次々と生み出されている。方法によって、世界を再編集する野心に満ち溢れた書棚。