異質との出会いをテーマに、神話や伝承、未知への憧れと畏れをあつかうトピア
⇒トピア認定クエスト(RANK:★★★)
※Aトピアの4つの棚につき、それぞれひとつ以上のクエストを達成した者にのみ挑戦資格が与えられる上級クエスト
人類の歴史は、神と人の関係性の変化の歴史でもあった。古来より人は天変地異、集団の意志を超えたモノ・コトに畏怖を感じ、それを神とした。神とのコミュニケーションとして呪術が生まれ、その記録が神話や伝説となり、宗教として体系づけられていく。その過程において天国と地獄、天使と悪魔も生まれていった。 無数の神々たちの系譜、宗教の成立とその創始者の伝説。編集されてきた神と人間の物語を、マンガは換骨奪胎してファンタジー作品やバイオレンス活劇として、さらに再編集をしてみせている。その物語の奥に潜む、神話の原型を新書、文庫で読み解いていきたい。
人は生来の不具や病で生じた身体の欠損を忌み嫌う一方、聖なるものとして崇めてきた。醜さと引き換えに、超自然的な力をもったと考えられた。死への恐れから、生者と死者との間に様々な異形者を人は想像する。日本人は妖怪を見出し、西欧は魔女を、西インド諸島ではゾンビを生み出した。 マンガでは、妖怪は時に親しい隣人として描かれ、魔女は自身の異能力に思い悩む少女となり、ゾンビは論理が通用しない直線的な存在として描き出される。異形者の描き方が三様であるのは、我々の異文化に対する見方の現れでもあろう。すべての他者は異形の者なのである。
神と同等の力を手に入れたいという欲求が超能力を、神の力を感じる環境に身を置きたいという欲求が超自然を生む。制御不能な力は人体への痕跡、変容として現れることもある。 それは決して近づくことができない憧憬の対象であると同時に、忌避すべき対象ともなる。異能者は人ならざるものとして社会の外におかれるのである。我々は再現可能かつ自分自身も獲得可能と想定しうる能力や世界にのみ共感をしめすのだ。しかし、超能力はかつて我々が失った能力であるかもしれない。原能力、異能力、超能力の物語から、その歴史と研究と将来まで考察する書棚。
未知なる死を恐れると同時に、死を疑似体験したいという欲求が、ホラーという禁忌の根源にある。ジュリア・クリステヴァの言葉でいえば、おぞましさのもとにある「アブジェクシオン(abjection)」になぜ引きつけられるのか。身に迫るおぞましいものを棄却しようとしている一方で、その棄てたものが自分にとって実は身近なものであったりする。理不尽なものに恐怖しながら魅力を感じ、暴力に怖れを抱きながら魅了される。この棚では、不可解であるが目を離せない人の行動や心理に向かう。