評価項目・評価基準について
評価項目6について
病院グループに属していて、病院グループ本部の規程に沿って給与を支給している場合、病院グループ本部の規程を提出するという理解でよろしいでしょうか。
そのとおりです。
評価項目9について
現在、非常勤医師には雇用契約書を交付していますが、常勤医師は辞令のみで雇用契約書を交付していません。辞令には就業場所と業務については記載していますが、就業時間や賃金に関する事項等、その他の記載事項は明記していません。このような場合はどのように対応したらよいですか。
常勤医師に対しても非常勤医師と同様に雇用契約書(又は労働条件通知書)を交付するか、または、常勤医師に交付している辞令に記載していない労働条件について明示した書面を別途作成して交付する必要があります。
評価項目10について
当院では、就業規則や賃金規程だけでなく、勤怠管理の方法などのマニュアル類まで院内のポータルサイトに掲載し、いつでも医師が確認できるようしています。この場合はどのような資料を提出したらよいですか。
入職した医師に対して、院内のポータルサイトから就業規則のほか勤怠管理方法など各種情報を確認することができること及びポータルサイトへのアクセス方法等について案内した文書やメール、入職時オリエンテーションの資料等を資料として提出してください。常時閲覧できることをもって「達成している」とすることはできませんのでご注意ください。
評価項目11について
解説集改訂版の[提出資料]には、「宿日直許可書」、「直近1か月の宿日直の実績表」及び「同月の宿日直中の労働時間の記録」 とありますが、宿日直中の労働時間の記録は具体的にどのような内容が記載されている必要があるのですか。
宿日直中の労働時間の記録は、個人別に各月の宿日直日や宿日直中の労働時間などの勤怠情報が把握できる書類(データ)を想定しています。特に様式や項目に決まりはありませんが、当該記録に必要な情報は、出勤・退勤時刻など勤怠管理システムや出勤簿等に基づく労働時間に関する情報に加えて、概ね以下の情報が計上されているものが望ましいとお考えください。提出資料の作成にあたっては、解説集改訂版の参考資料(評価項目11-1)を確認してください。
・出勤日、休日、欠勤日、宿日直日
・宿日直許可の有無に応じた時間外・休日労働時間数、深夜労働時間数 等
なお、上記項目をすべて網羅していることが必須条件ではありません。いくつかの管理表に分かれて上記項目が別管理されていても、全体として勤退状況等を適正に把握できるものであれば結構です。
評価項目13について
「36協定を超えた時間外・休日労働が発生した場合の見直し方法があり、かつその方法に基づく見直しを実施している。」
→この見直しというのは、その都度36協定を新たに締結し直すということでしょうか。
この見直しとは、その都度36協定を締結し直すということではありません。万一36協定の上限を超える事案が発生したとしても、その原因を把握し改善に向けて勤務体制を見直して適正化する手順が、院内に仕組みとして手順書等により手続きが明確化されているかを確認します。なお、実際に当該事案が発生したときは、手順に従って見直しを行ったことが確認できる資料もご準備ください。
評価項目14について
解説集改訂版の[提出資料]には、「労働者代表を選出する際の手続きを示した手順書等手続きを定めた資料」、「労働者代表の選出結果が確認できる資料」 とありますが、36協定届の様式には、当該協定の締結に当たり、労働者代表の選出方法を記載する欄があり、過半数代表者であることを確認(チェック)する項目がありますので、「36協定届(最新のもの)」を提出資料としても問題ないでしょうか。
ご指摘のように、36協定届の様式には、労働者代表の選出方法を記入する欄と過半数代表者であることを確認するためのチェックボックスがありますが、この評価項目では、過半数労働者代表が適切なプロセスで選出されているかという点を評価します。したがって、36協定届(最新のもの)ではなく、「労働者代表を選出する際の手続きを示した手順書等手続きを定めた資料」、「労働者代表の選出結果が確認できる資料」の 提出をお願いします。なお、労働者代表が労働組合の場合は、36協定届の様式等で確認できる資料でも構いません。
評価項目20について
労働(滞在)時間を把握するよう求められていますが、新規の場合は出退勤時間のみ管理できていれば良いですか。例えば、時間外労働を含む労働時間は把握できていても、自己研鑽の時間は把握できていないという場合は評価保留の対象になるのですか。
この項目では、労働時間と滞在時間の両方を把握する仕組みを確認できる資料が必要です。
滞在(在院)時間=労働時間であれば問題ありませんが、多くの病院では滞在(在院)時間=労働時間とはならないため、労働時間の客観的把握のためには労働時間と休憩時間、自己研鑽の時間を線引きする必要があります。
評価項目22について
当院では副業・兼業の予定を申請するルールやマニュアルはありますが、その勤務実績を把握する仕組みはまだありません。このような場合は評価保留となるのでしょうか。
副業・兼業先での労働時間の実績を自己申告等により把握する仕組みがなければ評価保留となりますので、院内の運用ルールやマニュアルを整えてください。
評価項目22について
「評価項目22 副業・兼業先の労働時間の実績を、少なくとも月に1回は、申告等に基づき把握する仕組みがある」
以下の医師についても副業の時間を把握する必要はあるのでしょうか。
①スポットで1日だけ勤務した医師
②毎月に1日だけ勤務する医師
お問い合わせの①②の医師についても副業・兼業先の労働時間の実績を申告に基づき把握することが必要です。
評価項目25について
「勤務間インターバルの確保を実施できず、代償休息の付与の対象となる医師及び時間数を月1回は把握する仕組みがある」とありますが、現在、新たな勤怠システムの導入を進めており、その運用が開始されるまでは代償休息の対象となる医師及び時間数を把握することができません。このような場合、新たな勤怠管理システムの運用を開始するまで評価を受けることができないのですか。
新たな勤怠管理システムの導入を進め、都道府県による指定日の時点で少なくとも月1回、代償休息の対象となる医師及び時間数を把握することができていれば問題ありません。評価受審の際は、現在、導入を進めている勤怠管理システムを使用してどのように代償休息の対象となる医師及び時間数を把握するかを示した院内のルール・マニュアル等の案を作成し、提出してください。
ただし、新たな勤怠管理システムの導入が未定又は検討中の場合は、現在の労務管理体制で都道府県による指定日から少なくとも月1回、代償休息の付与の対象となる医師及び時間数を把握するためのルールやマニュアル等の案を作成することが必要です。
評価項目26について
解説集改訂版の[提出資料]には、「少なくとも月に2回、医師の労働時間を各診療部門の長又は勤務計画管理者に通知する手順書やマニュアル等 」とありますが、各診療部門の長又は勤務計画管理者が 日々、勤怠管理システムで確認できる状態にある場合、勤怠管理システムのマニュアルのみを提出することで問題ないでしょうか。
この項目は、各診療部門の長又は勤務計画管理者が管理下にある医師の労働時間の状況を把握する仕組みを確認するものです。
したがって、現在稼働運用している勤怠管理システムのマニュアルを提出する場合は、単なる操作方法ではなく、各診療部門の長又は勤務計画管理者が管理下にある医師の労働時間を少なくとも月に2回確認できる仕組みがマニュアルに記載されていることを確認できることが必要です。手続き上の仕組みが確認できる箇所を「下線」や「印」で明示してください。
評価項目35について
解説集改訂版の[提出資料]には、「長時間労働医師に対する面接指導実施マニュアルや規程等(一定の時間を超えた時点で面接指導対象医師を把握するルールを含むもの)」 とあります。毎月、衛生委員会で報告している月80時間超の医師のリストを資料として添付すれば項目を達成していると考えて良いですか。
この項目は、長時間労働の医師(面接指導対象医師)への面接指導が確実に実施されるよう、月の時間外・休日労働が100時間に達する前までに面接指導対象医師を把握する仕組みを確認するものです。そのため、現在、衛生委員会などで報告されている長時間労働医師のリストのみでなく、一定の時間(月50時間や月80時間等)を超えた時点でタイムリーに 面接指導対象医師を把握する仕組みが定められたルールやマニュアル等を整えることが必要です。
評価項目42について
解説集改訂版の[提出資料]には「長時間労働医師に対する面接指導実施マニュアルや規程等 (155時間を超えた時点で対象 医師を把握するルールを含むもの) 」とありますが、勤怠管理システムのマニュアルを資料として添付すれば良いですか。
この項目は、月の時間外・休日労働が155時間以上になる医師を管理者や所属長等が月単位で確実に把握する仕組みを確認するものです。
したがって、確認資料としては、勤怠管理システムのマニュアル(機能・操作手順)に月の時間外・休日労働が155時間を超えた時点でタイムリーに通知する仕組みが定められていることが必要です。
評価項目61について
解説集改訂版の[提出資料]には「院内で定められているタスク・シフト/シェアに関する方針やルール」とありますが、具体的にどのようなものでしょうか。
医療機関全体でタスク・シフト/シェアに取り組み、それを医師の勤務負担軽減に繋げていく医療機関としての組織的な仕組みを確認できる資料を想定しています。多職種からなる役割分担推進のための委員会や会議などで検討されたルール、例えばタスク・シフト/シェアする業務の範囲、選定方法、手順などを取り決めた運用基準や実施計画などをお示しいただくものとお考えください。
なお、医療機関として方針やルールを定めていない場合は、実施するタスク・シフト/シェアについて検討する委員会(多職種からなる役割分担推進のための委員会等)の規程等(設置目的や検討事項が確認できるもの)を提出していただくことが必要となります。
評価項目65について
タスク・シフト/シェアの実施に当たり、関係職種への説明会や研修を行うことになっていますが、誰に対して、どのようなことを行えばよいのでしょうか。
医療機関内で実際にタスク・シフト/シェアを行う業務を担う職種に対して、説明会や研修会等を実施し、タスク・シフト/シェアを行う業務についての手順等を具体的に説明していることが必要となります。
なお、タスク・シフト/シェアの制度全般に関する説明会や職種ごとのスキルアップ研修では、本項目を達成していると評価ができませんのでご留意ください。