SSHオホーツク海調査
令和5年2月24日(木)、1・2年生の希望生徒を対象にオホーツク海調査を行いました。最高気温1.5℃の晴天という絶好の実習日和の下、1年生18名、2年生31名がオホーツクの環境についての理解を深めました。
昨年までは自然科学分野の実習のみでしたが、今年からは社会科学分野の実習も設け、2コースに分かれて活動をしました。
自然科学コースは、初めに濤沸湖で野鳥観察をしました。東京農業大学の白木彩子准教授から水鳥やワシ・タカ類の特徴についての講義を受け、その後双眼鏡やフィールドスコープを使って湖の鳥の種類や採餌行動を観察しました。次に北浜海岸へ移動し、北見工業大学の坂上寛敏助教から流氷のでき方や蜃気楼についての説明を受けた後、海水の塩分濃度の測定を行いました。水平線には蜃気楼が発生していたので「海から浮かぶ流氷」を観察できました。
社会科学コースは、北方圏民族博物館を訪問し、学芸員である笹倉いる美氏から講義を受けました。講義では、映像やぬいぐるみ、ラッコの毛皮などを提示しながら、北方に生きる海獣の生態や海獣の毛皮が高い保温効果を発揮する仕組み、イヌイトの人たち及び戦前の交易や漁業に携わる日本人やロシア人の生活の説明。『銀河鉄道の夜』の一説に触れての、宮沢賢治と北方の暮らしや、サハリンが日本であったことなど。自然、歴史、文化、文学と多岐にわたる学びを深めることが出来ました。その後、講義に出てきた内容の実物に触れるような形で、じっくりと博物館の展示の見学。イヌイトの子どもたちの遊び道具であるヨーヨー(イヌイトの狩りの道具を模したもの)の製作も行いました。
午後からは2つのコースに分かれて活動した生徒が合流し、オホーツク流氷館で北方圏の海生生物や漁業と流氷の関係について説明を受け、-15℃を体験できる部屋では過冷却の実験を行いました。
次に網走港方面へ移動し、流氷観光船おーろら号に乗船しました。おーろら号からは流氷上のオジロワシ、オオワシや海面を泳ぐホオジロガモを観察できました。船上では生徒たちの疑問について白木准教授、坂上助教から回答をいただきました。
参加した生徒からは「オホーツクの自然についてよく分かり、楽しい1日になって良かったです。」「オホーツクの雄大な自然環境、民族の歴史について触れることができて大きな学びになりました。」「オーロラ号で様々な鳥を近い距離で見れてとても良い経験になった。」などの声が聞かれました。
白木先生の講義
水鳥の採餌行動を観察しているようす
海水の塩分測定
蜃気楼の観察
海獣の毛皮に触れているようす
北方圏民族博物館内の見学
オホーツク流氷館で説明を受けているようす
おーろら号から見た流氷
海鳥の観察
実習を終え、大学教員とTAにお礼を述べているようす