1年生理数科「SSH阿寒巡検」
10月23日(水)、1年生理数科37名が参加してSSH阿寒巡検を行いました。この巡検は阿寒湖畔周辺の森林散策や見学、マリモ群生地における実習を通して地域の自然環境を理解することと、国際文化の理解を目的としたものです。この日は悪天候のためフィールドワークができず、予定を変更して屋内での聴講が中心となりました。
はじめに阿寒湖畔ビジターセンター(阿寒湖畔エコミュージアムセンターから改称)を訪れ、阿寒湖周辺の自然に関する展示を見学しました。
その後、あかん遊久の 里鶴雅へ移動し、3つの講演を聴講しました。
前田一歩園財団 森林保全課課長 酒井賢一氏からは阿寒湖周辺の植生や泥火山「ボッケ」についてプロジェクターを通したスライドや動画での説明を受けました。森林保全について、前田一歩園財団では原生の森の姿に出来るだけ近づけることを目指しており、皆伐をせず、針葉樹と広葉樹の割合を70:30にするため必要な植栽・保育事業を行っている。森に巣を作っているような動物や鳥を守りながらも、影響が大きいエゾシカによる被害状況やそれに対する対応策を具体的なデータや図表を交えながら説明していただいたことによって、生徒達は阿寒湖周辺の植生に関する課題を深くイメージすることができました。
阿寒湖畔ビジターセンターにて
前田一歩園財団森林保全課課長酒井賢一氏の講演
鶴雅グループ営業部副部長 高田健右氏からは英語での講話を聴きました。日本のおもてなしOmotenashi とManners、Hospitalityとの違いを日本の文化背景と照らし合わせた説明や、外国人観光客についての具体的なエピソードを事例とした謎解きも行われ、生徒達は強い関心をもちながら積極的に思考を深めていました。講師の独特のキャラクターの下で失敗や誤りがあってもいいので英語での対話を求められ、生徒は戸惑いながらも頑張って答えていました。将来は英語を活用する職に就きたいと考えている生徒もいて、そういった生徒達は特に強い刺激を受けた様子でした。
鶴雅グループ営業部副部長高田健右氏の英語による講話
釧路市教育委員会マリモ研究室次長 尾山洋一氏による講演では、マリモの生態や今回行くことができなかった生息域の現状や保全活動などがプロジェクターを通してスライドや動画で説明されました。尾山氏が持参したマリモはソフトボールよりも大きく、生徒達は「植物だったとは」「初めて触った」「ふわふわしていると思っていたが違った」「硬い」など、その感触に驚いた様子でした。
釧路市教育委員会マリモ研究室次長 尾山洋一氏による講演
マリモの生育環境について湖の温度、風の影響、川から流れてくる水の勢い水質等様々な事象が関係しておりこれらについて地道で継続した調査・研究がマリモを守り育てる上で重要であると述べていました。
巡検を終えた生徒からは
・自分も北海道の一員としてマリモや森林にできることがあったら、行っていきたい。
・おもてなしの講話では英語を聞いたことだけでなく、話し方や社会のことについても知ることができた。
・森林からの恩恵を改めて知ることができた。
・フィールドワークができないのは残念だったがとても貴重な話を聞くことができて良かった。
・今回の巡検を通して、ものや自然の見方の視点や人へのおもてなしなど、たくさんの学びがあり、とても自分の考えも深めることができた。
などの感想が寄せられました。