浦佐地域に息づくサウンドスケープ

サウンドスケープ(音風景)とは

サウンドスケープ(音風景)とは、1960年代にカナダの作曲家・音楽教育家であるR.マリー・シェーファーによって提唱されたもので、音を取り巻く環境を「音の風景(Soundscape→Sound+Landscape)」として捉えた概念です。この考え方を用いて地域を捉えた時、それまで気づかなかった「地域の音」に対する新たな一面や意味づけがなされることがあり、地域への理解を深める一助となる可能性を秘めています。

浦佐地域の音風景はどのようなものか

門前町、宿場町、舟運による物流の中継地。 浦佐の町の歴史とともに、音風景も育まれてきたのではないでしょうか。毘沙門堂にまつわる音、越後三山の雪解け水にまつわる音、交通の要衝で聴こえる音など、浦佐の風土を構成する要素からは、見た目の風景だけではなく、耳から聴こえる風景というものも、確かに存在します。

浦佐地域の音風景の特徴とは

浦佐地域づくり協議会が行なっている 浦佐フットパス の道中では、数々の音風景を味わうことができます。実際に歩いた所感、地域の人たちの声、地域に関する文献調査を踏まえると、

①普光寺の鐘の音 ②水の音 ③自然音と人工音の調和

という3つの要素が地域の音風景の特徴となっていると考えられます。

※ 浦佐フットパス(旧三国街道コース)を歩きながらフィールドレコーディングした音風景を、こちらのページにまとめていますので、ぜひ聴いてみてください。

浦佐地域の音風景にどんな価値や可能性があるのか

研究においておこなったアンケート調査から、自然の音と人工物の音が調和し遠くの音も鮮明に抜ける浦佐の音風景に「ふるさと」を感じる声が多数ありました。これは、音を隔てるビル群や雑多な人工音に囲まれた都会の環境と大きく異なります。地域の風土を、普段使わない聴覚を中心に捉えることで、見える景色からだけではわからなかった「浦佐らしさ」が垣間見えるのではないかと考えています。

※ 音でスローに浦佐を味わうコンテンツ聴く、浦佐フットパス(YouTube)を試作しました。