南魚沼地域の発酵食
南魚沼地域の食から見た風土の特徴
南魚沼地域の食から見た風土の特徴
南魚沼地域は、山に囲まれた豪雪地帯です。豪雪で町の行き来もままならない生活環境となる長い冬に、人々が生きていくための食料を確保するため、食料を保存する技術(乾燥、塩蔵、発酵など)が発達しました。この地域の人々は、豪雪地帯で生きていくための知恵として発酵文化、保存食文化を継承してきました。
南魚沼地域の発酵文化
南魚沼地域の発酵文化
南魚沼地域では、かつて日常の副食の中心は、味噌と漬け物でした。豪雪に閉ざされた長い冬を越すための食料として、春、夏、秋に採れた山菜や野菜を漬け物にして保存していました。食材を保存し、より美味しく食べるために、発酵の力を利用します。台所には、漬け物置き場があり、その家の年寄りが嫁に漬物作りを指導します。漬け物上手は、やりくり上手で渡世もち(財布・家計)の良い母ちゃんと言われました。
発酵文化の中心「自家製の味噌」
発酵文化の中心「自家製の味噌」
南魚沼では、昔は、自分の家で味噌を作っていました。昭和40年代頃まで、囲炉裏に味噌玉を吊るして家庭で味噌を作っていた記録が残っています。豆を煮て、臼の中でよくつき潰し、これを子供の頭の大きさに丸めて、縄で吊るしておきます。乾燥した味噌玉の割れ目に、カビが見えてきた頃に、塩を混ぜて臼でつき、味噌樽に密閉し発酵させます。味噌は、食生活になくてはならないものなので3年分蓄えていました。