藻類生命科学研究室
Laboratory of Advanced Algae
研究室の紹介
恐竜と魚と藻類
研究室の紹介・説明
「藻類」というと何を思い浮かべますか?海苔や昆布などの「海藻」も藻類ですが、珪藻やクロレラなどの「プランクトン」も藻類です。核を持っていなかったり、アメーバ運動をする藻類もいます。藻類とは、水中を生活の場に光合成を行う(炭酸ガスを固定して有機物と酸素を作り出す)植物のことです。餌として、住みかとして、あるいは産卵場所として、海や川などに生育する生物の生活を支えているだけでなく、地球規模の炭素・窒素・硫黄・ヨウ素循環においても大きな役割を担っていることが近年分かってきました。
藻類は形や色も多彩ですが、物質代謝、生理特性、生活史、細胞動態なども実にユニークで多種多様です。海洋生物学研究室では、そのような藻類を生理・生態・分子生物・生化学・系統進化など様々な面から解析することで、藻類の生き方を理解するための基礎知見を積み上げるとともに、資源としての藻類の利用に少しでも貢献できるように努めています。
研究紹介
褐藻の形態形成と光に関する研究
陸上の環境と同様に、海の中でも光は植物にとって必要不可欠な物であるため、光を感受し、さらに光の強さや方向を適切に認識して、それに適応するように成長することや形態を変化させることは、海藻の生育において重要なことです。そこで大形藻類、特にコンブ、ワカメなどの有用藻類を含む褐藻植物がどのように光を感じ、どのような仕組みで光に適応するかを明らかにしたいと考えています
養殖場でのワカメ測定
珪藻進化に関する研究
珪藻はガラスの細胞壁をもつ単細胞の藻類で、10万種類以上が存在していると考えられている巨大なグループです。 珪藻は貝類や甲殻類などの種苗生産における初期餌料, 古環境復元や水質指標のツールとして重要であるだけでなく, 近年ではナノテクノロジーやバイオ燃料といった観点からも注目を集めていますが、 その進化の過程はあまり知られていません。そこで細胞形態や全ゲノム/トランスクリプトーム、生態や生殖様式などといった手掛かりをもとに、珪藻がどのようにして進化して今日みられる多様性を獲得したのかを明らかにすべく研究を行っています。
単細胞藻類の生存戦略や形態形成に関する基礎研究
一見単純に見える単細胞の生物も、実際には、変化する環境へ順応するために、細胞外の環境を感知し、細胞形態を劇的に変化させたり、代謝活性や生合成する物質を変化させたりと、多様な生存戦略を駆使して生きています。培養実験や現場調査によって、見逃されてきた単細胞藻類の生存戦略を見出し、環境変化に対する生態系の応答を予測したり、生物の持つ能力を有効活用したりすることに貢献したいと考えています。
新着情報
2022年
9月:M2中村君が「第55回日本原生生物学会大会 Best Presentation Award」を受賞しました。
7月:公開講座 身近で遠いミクロの世界を開講しました。
5月:M1中村君が学術研究活動等で活躍した学生への賞である「第10回福井県立大学つぐみ賞」を受賞しました。
3月:M1中村君が「海洋生物シンポジウム2022 学生優秀発表賞」を受賞しました。
3月:第46回日本藻類学会 オンライン福井大会を開催しました。
これまでの新着情報
2021年
2月:4年生大久保君が「第二十八回卒業論文発表会」でベストプレゼン賞第一位・インタレスティング賞第一位・エクスプレイン賞第二位・ベストスライド賞第二位を受賞しました。
2020年
2019年
4月:山田先生が助教として赴任しました
2017年
中村君が珪藻学会Diatom論文賞を受賞しました。
その他
学生・ポスドク募集:一緒に研究を行う大学院生や特別研究員生を募集しています