水圏微生物生態学研究室
MICROBIOLOGY LABO
研究室の紹介
研究室での湖調査
水圏微生物生態学研究室では、水圏に生息する微生物を対象として教育・研究を行っています。微生物は極めて微細であり、その形をとらえるには、顕微鏡が必要であるため、一見、私たちの世界とは異質であるようにみえます。しかし、それらが増殖し、大きな集団になると、その水域に対して多大な影響をおよぼすことがあります。異常増殖して生態系を乱し、環境問題を引き起こしている微生物もいれば、自然界の物質循環や生物生産を支える微生物もいます。私たちの研究室では、物質循環を担う微生物や水圏における有害な微生物を中心に、これらの微生物の生理や生態について、研究を行っています。研究内容の詳細は担当教員のページを参考にして下さい。
研究紹介
嫌気性微生物の生理生態
海洋や湖沼などの水域における炭素や硫黄の循環過程と,それに関与する微生物の生態について研究しています。とくに,酸素が無くなる湖の底層や海の底泥中で働く嫌気性微生物の役割について,遺伝子解析や微生物を分離・培養することによって調べています。
日向湖から単離された嫌気性鞭毛虫
海洋ウイルスと原生生物の生理生態
海洋や湖沼などの水圏環境に生息する真核微生物やそのウイルスについて研究しています。水圏には膨大な量のウイルスが存在しており、宿主への感染/溶菌を通して生態系の物質循環や生物進化にも影響を与えています。しかし、それらのウイルス一つ一つのことは、まだあまりわかっていません。このような新奇性の高いウイルスについて、その生理・生態・分子機構の解明に挑んでいます。
細菌と原生生物の分布と環境との関係 &
室内培養実験での検証
陸域と海洋域を一連の生態系とした自然環境をフィールドに、環境中の微生物の群集組成や代謝能力と環境要因の関係を明らかにすることを目指しています。
単離株を確立して室内培養実験で詳細な検証実験をすることで、「環境中の微生物は何をしているのか?」という疑問に対する答えを導き出すことを目標に研究を進めています。
酵母アートby 岸上画伯
単離された原生生物
菅湖調査
卒論テーマ
日向湖環境中の水質と微生物群集の関係
原生生物の単離株の生理生態
原生生物の新種記載
微生物の全ゲノム配列決定
新着情報
2023年
論文受理:Kataoka and Kondo 2023 (Microbiology Resource Announcements)[2023年2月13日]
日向湖から新規に単離された硫酸還元菌(SYK株)の全ゲノム配列を決定しました。
論文受理:Kondo 2023 (International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology)[2023年2月5日]
日向湖から単離された新種の硫酸還元菌(SYK株)をPseudodesulfovibrio nedwelliiと命名しました。
2022年
論文受理:Kataoka et al. (Continental Shelf Research) [2022年11月28日]
これまでに真核微生物群集の研究例がない日本海(若狭湾)で、18S rRNA遺伝子の網羅的解析を行い4季節の群集構造比較と環境要因との関係をまとめました。
第7回ラビリンチュラシンポジウムが高尾先生がホストとなり小浜キャンパスで開催されました。[12月3–4日]
日本微生物生態学会第35回大会@札幌に参加しました。
近藤、高尾、片岡、村越(博士課程1年)
論文受理:Kataoka and Kondo 2022 (Microbiology Resource Announcements)[2022年11月5日]
これまでに情報がなかった系統の硫酸還元菌の全ゲノム配列を、超ロングHiFiリード(PacBio Sequel IIe)を取得することで決定しました。
2021年
論文受理: Funaki et al. 2022 incl. Kataoka (Harmful Algae) [2021年12月14日]
アンプリコンメタゲノム解析を用いて有毒渦鞭毛藻の分布を調べ、新しい系統群の存在を示した論文
論文受理: Mori et al. 2021 incl. Kondo (PeerJ-Life & Environment) [2021年8月10日]
論文受理: Murakoshi et al. 2021 incl. Takao (Microbiology Resource Announcements) [2021年6月10日]
大学院生の村越祐美さんが、ウイルスの全ゲノムを決定した論文を公表しました
論文受理: Yoshitake et al. 2021 incl. Kataoka (Scientific Reports) [2021年6月9日]
三陸沖で4年間の季節変動を網羅した海洋微生物のメタゲノムを構築した論文が公表されました
論文受理: Rybarski et al. 2021 incl. Kondo (European Journal of Protistology) [2021年5月18日]
水月湖で発見されたSuigetsumonas clinomigrationisを含むplacidid綱を再分類した論文が公表されました
2021年度の卒論生が決定しました [2020年9月30日]
これまでの新着情報
2020年
プレスリリース: 環境毒ミクロシスチンを生産する新種のシアノバクテリアを霞ケ浦から発見 [2021年3月4日]
2020年度の卒論生が決定しました [2019年12月1日]
2019年
論文受理: Kataoka et al. 2019 (Microbes and Environments) [2019年12月7日]
2020年度の卒論生が決定しました [2019年12月1日]受賞: 岸上達也くん(学部4年) がリケラボ賞を受賞[2019年9月12日]
論文受理: Kataoka and Kondo 2019 (Data in Brief) [2019年6月26日]
論文受理: Kataoka and Kondo 2019 (Estuarine, Coastal and Shelf Science) [2019年4月26日]
論文受理: Kataoka et al. 2019 (Microbes and Environments) [2018年12月13日]
2019年度の卒論生が決定しました [2018年10月1日]
2018年
論文公表: Kataoka et al. 2018 (Microbes and Environments) [2018年06月11日]
論文公表: Kataoka et al. 2018 (Archives of Microbiology) [2018年03月01日]
論文公表: Kondo et al. 2018 (Limnology) [2018年01月31日]
その他
一緒に研究を進める、研究員、学部生、大学院生を募集しています!!