研究内容(業績に沿って) Under construction
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昆虫は自らの環境に適応し、食行動をユニークなものにしている種が多くみられます。その戦略は、非常に興味深いのですが、私たちは、昆虫が持っている本能的な行動に着目して研究しています。つまり、何を食べたいか?という食行動で重要なメカニズムを追究しようとしています。この研究対象には、宿主の決定や嗜好性の決定など化学生態学的なことが考えられます。
昆虫の中で、カイコBombyx moriはモデル生物として、多くの研究者に利用されています。その歴史は古く、養蚕業の発展とともに進展した分野です。私たちは、先ずカイコを使って摂食パターンを確認してみました。そうすると、概日リズムとは独立して、約2時間の摂食リズムが見られました(Nagata and Nagasawa, 2006)。
本能行動といえば、食行動、性行動、睡眠(行動)が3つの主要な行動と言われています。これらのメカニズムのうち、モチベーションにあたる制御にはホルモンがかかわっています。また、昆虫をはじめとする脱皮動物には脱皮行動も本能行動のひとつと考えられています。これも、一連のホルモンがかかわっています。
脱皮行動の研究のほとんどは、完全変態昆虫を使ったものです。私たちが主に用いているコオロギでは、脱皮行動がどのように制御されているかあまりよくわかっていません。脱皮行動の動機付けについては、コオロギではITP (イオン輸送ペプチド: ion transport peptide)がかかわっていることが分かりました(Zhu and Nagata, in press)。
Nagata and Nagasawa 2006 JIP
Zhu and Nagata, IBMB accepted.