洪水を防げない「三峡ダム」を作った彼の国と、
論理的に不可能な「再エネ主力電源化」を唱える何処かの国も、どっちもどっちだ。
「三峡ダムの高い堤防は根本的に建設すべきではない。
建設工事を行うこと事体が国家と国民に災いをもたらすことになる。
もしそれを建設するならば、最終的には爆破で取り除かれることになるだろう。
どうか速やかに決議を停止してください。さもないと、
完成したダムが貯水を終えた後に必ずや大きな禍をもたらす事になります。」
黄万里(1911/8/20-2001/8/27)清華大学水利学部教授は、
死の間際まで三峡ダム建設に反対していた。しかし、・・・
三峡ダムはいつ、誰が、何の目的で作ったか?
中国における三峡ダム建設に関連した100年史
参考
★江沢民(1993/3~2003/3) ・李鵬首相
★胡錦濤(2003/3~2013/3)・温家宝首相
★習近平(2013/3~)・李克強首相
ダムの端から端までは2,309メートルもある。ダムの上からの写真(下図)を見ると、水門は500メートルと見える。ダムの高さは185メートルでこれ以上の水位になるとダムの貯水機能が破壊される。70万kWの発電機が32台設置されており、最大発電量は2,250万kWで、原子力発電の22機分に相当する。発電には一定以上の水圧が必要なため、適切な水位を保たなければならない。数日後に上流に豪雨が予想されていても、発電のために事前放水で水位を下げる事が出来ないことが上流の洪水の被害を大きくしている。
ゆがみ始めた三峡ダム
(出典)Google Earth 2020/9/2
最近の稼働状況
最大7万6千立法メートルの量で放水し始めた。
下流の武漢、南京、上海は大洪水になっている。
長江と三峡ダムの関連
長江の水源はチベット高原の崑崙(こんろん)山脈中にあり、延々と流れること6,380kmあり、最終出口は上海となっている。下流の1,000kmほどを揚子江とも呼ばれている。日本の最長の川は信濃川で距離は367km、長江の大きさが想像できる。日本の最北端北海道稚内の宗谷岬から青森、東京、大阪、下関、福岡、鹿児島を結んだ距離が約3,000kmである。鹿児島から更に飛行機で沖縄、台湾、フィリッピン最南端のダバオまで結ぶと長江と同じ6,000kmになる。想像を絶する距離である。
三峡ダムは下図の中央よりやや右側にあり、ダムより左側を上流、右側を中流、下流と呼ばれている。ダムから重慶市までを貯水池とされ、その距離は660kmある。東京から兵庫県姫路までの新幹線距離が644kmであることと比較すると、貯水池の大きさに驚く。重慶市と三峡ダムの標高差が187mであるから、660kmの貯水池は3.7kmにつき1mの落差となる。従って貯水池を流れる水流は極めてゆっくりである。
ダムから上海までは40kmにつき1mの落差しかないので、極めてゆったりした流れとなる。東京と名古屋が300kmであるから落差7.5mとなる。恐るべし。
チベットの崑崙(こんろん)山脈から最南端までを金沙江と言い2,000km程ある。落差が5千メートルもあるため流れも速い。この流域には洪水はほとんど発生していないそうだ。長江の周りには数多くの支流がある。一つの支流をとっても2,000km以上もあり、それらの支流は全て長江に注がれている。またそれらの支流にもダムが作られており、その数は10万ヶ所に近いとされている。
黄万里(こうばんり)教授の「三峡ダム12の予言」
この内、予言11までは予言通りとなっている。
予言1;長江は低い堤防のため、殆どが崩壊する
予言2;長江の航海を妨害する
予言3;住民の移住問題が発生する
予言4;土壌汚染が進み重大な問題となる
予言5;水質が悪化する
予言6;発電力が減少する
予言7;異常気象が頻発する
予言8;地震の頻発
(※三峡ダムは断層の上に建設されている)
予言9;住血吸虫症*が蔓延する
予言10;生態系が悪化する
予言1Ⅰ;上流は深刻な洪水が発生する
予言12;最終的には三峡ダムを爆発せざるを得ない
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予言11;上流は深刻な洪水が発生する
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重慶市の洪水発生結果
重慶市は三峡ダムの上流660kmにある。あえて上流が洪水になると言ったのは、さすが学者だと驚いている。ダムが決壊すると下流が壊滅的な洪水になるのは誰でも簡単に想像できるが、ダムを作っただけで上流が洪水になると予言したのである。
下図の3枚の写真は洪水後の20年9月2日に重慶市で撮ったものである。洪水の酷さが分かる。上段の写真は20mほど下に長江が見えるが、手前の欄干に泥が残っている(白破線) のが分かる。20mも増水した証拠となる。同様に下段左側の写真は同じような場所の写真であるが、遠くに長江がかすかに見えるが、手前の泥と、奥の3階建ビルの窓は全壊し、3階近辺までの洪水の跡が残っている。(白矢印)ここでも20m増水の証拠となる。
下段右側の写真は増水中のものである。ビルと川の水位が全く同じになっている。普段は上のほうにある交通標識が水面の少し上に見える。
武漢市(中流)の洪水状況
ダムはまだ決壊していないが、ダムの全水問放流が原因で洪水になっている。ダムが決壊してたらこんな程度では済まないことを想像しながら見て頂きたい。ウイルス発祥の地、武漢市が洪水真っ最中である。まるで水中都市だ。
上海市(下流)の洪水状況
最下流の上海も町中が水浸しである。オフィス街も洪水でオフィスの中まで浸水し、水の中で仕事をしているのも笑ってしまう。(笑うな‼)
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予言7;異常気象が頻発する。
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北京の洪水状況
長江や黄河とは遠く離れた北京や大連や瀋陽などでも異常気象が頻発している。8月に雪が降ったり雷雨で、この世の終わりかと思わせた。
南水北朝による渇水
洪水とは真逆の水不足状態が発生している。特に北京付近は慢性的水不足に陥っているため、南の水を北に移すプロジェクト(南水北朝)が進行しているが、そのプロジェクトが原因で水不足状態に陥っている地域もある。自然を甘く見た共産党の責任だ。
何故、この時期に、大洪水になったのか?
♦ ♦ ♦ ♦ 弊社独自の見解です ♦ ♦ ♦ ♦
原因1;地球全体が異常気象になっている。
地球全体で異常気象の規模は拡大傾向にあると思われるので、 数年後も、毎年のように、中国は大洪水に襲われるだろう。 一帯一路をやってる余裕などない筈た。
原因2;中共軍のチベット略奪でチベットの自然を破壊した。
♦♦♦♦ チベット活動家 マウラ・モイナハン氏の主張 ♦♦♦♦
★中共軍の原生林伐採で、チベットの保水力が無くなった
★中共軍がチベット氷河や永久凍土を破壊した
原因3;中国国内の洞庭湖のような自然調整池を農地化してしまった
通常期の洞庭湖の水面積は2,820km²(琵琶湖の約4倍)だが、増水期は20,000km²(関東平野=17,000km²、四国=18,000km²)の面積にも及ぶ広さになる。洞庭湖以外に1,000個の自然調整池があるが、可なりの池が農地や宅地に変わってしまったため、自然の貯水能力は全く無くなってしまった。
原因4;都市化に必要な治水事業を軽視している
★適切な規模の堤防や河川敷が施設されていない
★都市の下水道または側溝などの施設が小さすぎて、水はけが悪い
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原因2と原因4について次章で詳細を記述します
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原因2;中共軍のチベット略奪でチベットの自然を破壊した
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チベットの予言
『もし中共がチベットを略奪したら、雪山は真っ黒になり、アジアの水は血で染まるだろう』
チベットの氷河「チャンタン」はアジアの9つの川の水源である
9つの川
①黄河
②長江
③メコン川
④プラズマプトラ
⑤インダス川
⑥サルウイン川
⑦ガンジス川
⑧ツアンポー川
⑨ ? 川
「世界の屋根」と称されるチベット高原は、総面積約250万平方キロメートルと日本の国土面積の約6倍で、世界の約14.5%の氷河を保有し、南極、北極に次ぐ「第三極」と呼ばれている。氷河の面積は日本の面積(37.7万km2) にほぼ一致する。また「アジアの給水塔」とも称され、アジアの20億人以上に淡水を供給している。中国の長江(揚子江)や黄河、チベットを横断し後にガンジス川に合流するツアンポー川、東南アジアを流れるメコン川、サルウィン川、インダス川など、複数の大河の源となっている。
しかし気候の変化によって氷河面積と草原面積は著しく縮小し、荒れ地が増えている。いくつかの河川は絶えず水位が下降しており、永久凍土も融解している。融解を促進しているもう一つの理由は、中共軍によるチベット森林の伐採がある。チベット森林の40パーセントが伐採されてしまったために、保水力がなくなり氷河の融解を速めていると、チベット活動家 マウラ・モイナハン氏の主張である。伐採された面積は、日本の2.4倍に等しい。日本の山の森林を全て伐採してしまったことを想像してください。
水位が下降している河川の多くは世界有数の大河川であり、中国やインド、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、カンボジアに流れている。チベットの一部の地域で既に水の供給が減少し始めている。
水道行政を管轄する中国水利部が2013年に公表した数値によると、2011年までに中国の2万8000もの小さな河川が消失したそうだ。
中国国営通信「新華社」は、チベット高原の18%の氷河(日本列島分に相当) は既に溶けてなくなり、一部の研究者は、ヒマラヤ山脈地域の氷河の大部分は20年以内に溶けてしまうだろうと予測している。
その溶けた大量の水が今年の洪水の原因の半分ぐらいを占めていると推定できる。何故なら、今年の洪水は6月末から9月末に発生した。1年のうちで最も暑い夏にである。内陸の夏は40度以上になるのでチベット高原も氷河が一番とけるシーズンである。
この分で行くと、来年もチベット氷河と永久凍土の融解で、大洪水は来年も、今後数年間は繰り返されるだろう。今年より大規模の洪水かもしれない。
中共軍自ら行ったことが、自分に跳ね返っている。全くお粗末な中国共産党である。
中國には堤防も河川敷も無い
長江沿いの全ての都市に共通していることは、川と住宅地(オフィス街)の境目に大規模堤防が全く無い(下図の上段、左右)ことだ。有ってもささやかな、堤防と言えない程度のものである。(下段、左)日本では、1級河川や2級河川にはその規模に応じた河川敷があるが、中国には全く存在していない。河川敷が作れない場合は、道路を水面より20メートルから30メートル上に作るなどの配慮が必要だが、中国では数メートル上に道路を作っている。極めて危険だ。(下段、右)
何故中国には堤防も河川敷もないのか?
中國王朝の存在期間は200年前後が多い。一番長かった王朝は唐王朝で289年、次が明王朝と清王朝で共に同じ276年だった。300年続くのは至難の業だったようだ。参考までに記すと有名な「三国時代」はなんと僅か96年、中国と言えば「漢」であるが前漢が214年、後漢が245年、始皇帝の秦は僅か37年であった。また、外敵侵略で植民地化されていた期間が、4王朝合わせると700年もある。2000年の内、なんと30パーセント以上が植民地化されていたのである。植民地化、別名奴隷化。奴隷にされた民衆が生きていくのは大変な苦労で、馬鹿正直では生きていけない。嘘、窃盗、脅し、脅迫が自然に身についてしまった。そんな中では正直さとか優しさなどは生まれない。人間性を大切にする文化も全く役立たない。
外敵の侵入で滅びる以外に最も多かったのは民衆の反乱であった。殆どの反乱は宗教結社の蜂起から始まっている。各王朝が力を入れたのはまず外敵を防ぐための長城の建設や補強であった。最大の外敵が作った元王朝をモンゴルへ追いやった明王朝が、最も力を入れたのが長城の修復と新設であった。その明王朝も外敵女真族の侵入で滅び、清王朝に覇権を盗られてしまった。各王朝が次に力を入れたのが民衆を抑え込むことであった。反乱は必ず宗教結社が中心になっているので、宗教を壊滅させたり抑え込む必要があった。太平道の教祖張角の信者が起こした黄巾の乱で始まる「三国志」や、白蓮教徒の信者が起こした紅巾の乱で元を滅ぼした朱元璋が明王朝の太祖となった、洪秀全率いるキリシタン集団・太平天国による太平天国の乱で清王朝を壊滅に向かわせた、など殆どの王朝を滅ぼすきっかけは宗教団体の信者だった。それに倣っているのが現在の共産党である。
そんなことで、各王朝、治水対策などやってる資金もないし、余裕もなかったのだろう。従って、民衆は住める所なら、たとえ近くに大河が流れていても、堤防も作らず、河川敷の余裕も全く持たずに住んでしまったのである。
日本の堤防
日本では1級河川の場合は十分な河川敷を作っている。そこでは、普段はスポーツやピクニックなどを楽しんでいる。同時に、河川敷広場を囲む大きな堤防も作られている。堤防は、大きい場合は高さが10メートル近くもある。その堤防には桜が植えられたりして、庶民の癒しの場となっている。中国は日本の50倍ほどの国土があるのに、土地の利用に余裕を感じさせない。これは中国4千年の歴史が織り込まれているのかもしれない。狭い国土の日本が、堤防を作ったり河川敷を作ったのは、弘法大師の時代から江戸時代、明治時代のご先祖様が心血を注いで、子孫に残してくれた賜物である。有難い有り難い。
中國の都市は水捌けが悪い
中国の都市では、いったん洪水が発生すると水捌けが極めて悪く、長期間、1カ月以上滞留することもあるそうだ。これは今に始まったことではない。ノーベル文学賞を受賞したパール・S・バックの「大地」(1931年出版)にも記載されている。その小説は、中国の安徽省に住む貧農の王龍(ワンルン)が、妻として地主の黄家の奴隷の阿蘭を娶る朝から始まる。阿藍は美しくなく、非常に寡黙であったが、勤勉であった。王龍の家は阿蘭が来てから経済的に恵まれるようになり、地主の黄家から土地を買っていった。子供にも恵まれた。しかし、洪水による飢饉で南の町(南京か?)に逃れなければならなくなり、王龍一家はそこで乞食や車夫をして貧困に喘ぐこととなった。その洪水は長江から大して離れていない。また小説中の洪水もなかなか水が引かないとあった。水はけの悪さは昔から変わっていないようだ。
長江周辺都市の重慶、武漢、南京、上海の間は40kmにつき1mの落差しかないので、水はけが悪いのはやむを得ないとも言えるが、そこは英知を集結して何とか解決するのが、中国共産党の役目ではないだろうか?落差がないという基本的問題とは別に、もっと喫緊の課題として下水道の設備が完備されていない事だ。その根拠は下の2枚の写真はマンホールから水があふれている写真である。中國の家庭のトイレは水洗になっているとはいえ紙類は流せないそうだ。紙を流すと下水が詰まるからだ。下水道が非常に小さいため、すぐに水があふれてしまう。中共は金のかかる大きな仕事には飛び付くが、目立たなく予算が少ないものには飛びつかない悪癖がある。予算の少ない仕事は汚職の財源として魅力がないからだ。喫緊の課題として下水道の拡大で水掃けを良くすれば、一帯一路より効果は大きい。
日本では都会地と言えども、巨大な地下貯水池を作っている。目に見えないところにもお金をかけるのが日本だ。
中国の大洪水は、
来年も、再来年も、また次の年も、
ほぼ同規模で襲ってくるだろう。
世界制覇の前に、三峡ダム崩壊が無くても
毎年の大洪水で、中国は水の泡の中に消えていく。
同様なことが我が国にも発生する。
『再生可能エネルギーの主力電源化は
今の技法では発電業者の倒産を増やすだけだ』
との主張に耳も貸さない我が国も、
中国と同様な悲劇に見舞われるだろう。
最後までご精読ありがとうございます。ご質問、ご感想、反論等
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