ハイエンターについてのメモ
【ゲルガーについて】
ゲルガーってなんだったんだろう。
まずあの翼の短さのハイエンターってメリア以外にいなかった気がする。
そしてアカモートにいる混血のハイエンターが普通に出歩いてるのにメリアがわざわざ帽子をかぶって翼隠したり仮面をかぶったりしないと人前に出られなかったりって、影妃の子ってだけじゃなくてやっぱりあれだけ翼が短いとホムスの血が濃くて目立つからかなと思って、となると同じくらい翼が短いゲルガーはメリア以上に混血という視線に露骨に晒されて生きてきたんじゃないかと思うんだよな。
ゲルガーがあれだけ純血を憎むのも、小さい頃からいじめを受けたり迫害されてきたりしたせいなんじゃないだろうか。
メリアは混血とはいえ皇族の血を引く者だし、多分混血への差別や偏見をよく理解していたとしても、表だって謗りを受けたりましてや暴力を振るわれることなんてなかったと思う。
でもゲルガーはそうじゃなかったんじゃないか。
それでもゲルガーは近衛の一人としてメリアの顔を見ることができるくらいの立場につくことができてたわけで、そういう偏見を跳ね返せるくらい優秀だったんだろう。
でも純血に受けた差別がゲルガーを歪ませてしまった。
だから純血への憎しみはきっとずっと持ち続けていて、そんなゲルガーの心中でメリアはきっと忌み嫌われるホムスの血と高貴な皇族の血を併せ持った最も尊ぶべき混血の象徴になってしまったんだろう。
さらにメリアがゲルガーのことを知らなかったってことから、ゲルガーは一応近衛ではありながらもメリアの近くに寄ることは許されない立場だったんだろうなということがわかる。(※1)
ゲルガーは"メリア"という一人のハイエンターとしての内面を知ることなく、"高貴なる混血"という理想を肥大化させてしまったんじゃないか。
だからゲルガーはメリアに対して初対面時あれだけ好意的に接したし、ハイエンターを導く者として賞揚したんだと思う。
町を出る前にゲルガーに話しかけたとき、「困ったときはいつでも言ってください」的なことを言うのが印象的だった。
ゲルガーはメリアの力になりたいと思っていたし、メリアが危険に陥ったときは助太刀するつもりで後をつけていたのもあるんじゃないか。
「道を阻む小石を取り除く」っていうのも、本気でメリアのためにやったことなんだと思う。
それがゲルガーなりの献身で、でも自分の理想だったメリアに拒絶されたからゲルガーは失望と憎悪をメリアに抱くことになったんだろうな。(ゲルガーってメリアの反転アンチなのかな)
ゲルガーの思想で一番よくわからないのは、メリアこそがハイエンターの始祖だっていうところ。
さすがにそれは無茶なのではと思うんだけど、ここでもう一度ゲルガーの出自を考えると、メリアもそうなんだけどホムスとの混血ってことは父親か母親かが多分亡くなってるはずで、ここからは割と妄想だけどメリアと同じ極端に短い翼を持つ・メリアに代わって皇主となることを宣言するって辺り、メリアと対比される存在として設定されていて、となるとゲルガーもまたメリアと同じように母親を亡くしていると考えられる。(※2)
そこであれだけメリアに執着していたことと合わせて考えてみると、もしかするとメリアに"母"を重ね合わせているんじゃないか。
だから、メリアを憧憬し崇拝する中で、自分のルーツ=母としてのメリアの姿を見出だし、それが"ハイエンターの始祖"としてメリアを祀り上げるに至ったのでは。
混血こそがハイエンターの真の姿であるっていうのも、この考え方と同一線上にある気がする。
町のみんなが「皇都を取り戻すために命を無駄にするな」と言われて里を出ていったと言ってるのにゲルガーは「マシーナがいるから」里に戻る気はないとか「マシーナが裏切ったせいで戦争が起きた」とか言うの、なんだかんだでハイエンターを大事に思う気持ちは強かったんだと思う。(※3)
それだけ血族を大切に思う気持ちが強かったからこそ、純血に蔑まれることが苦痛だっただろうし混血としての自分にもずいぶん苦しんだんじゃないだろうか。
【巨神教について】
これは高レベル前提のサブクエストを消化するとわかる事実も多いんじゃないかと思うけど現時点で思うこと。
巨神教の存在そのもの、多分古種族であるハイエンターにしか伝わっていない信仰だと思う。
というか、ロウランが秘密裏に伝え続けてきたんじゃないか。
立場的にも動きやすい位置だと思うし、何よりハイエンターがホムスとの交雑を続けてテレシアとしての機能を失うことはザンザの部下として絶対に阻止しなきゃいけないことだし、来るべきときに備えて純血のハイエンターを残し続ける役割を持っていたと見るべきだと思う。
で、ストーリー中で一番目立って巨神を信仰していたユミアだけど、サブクエスト中でタルコを生んだ理由がはじめ「巨神教の儀式として純血を残すために子を作る」っていうのが推測されてたけど、結局タルコは混血だったわけで、それはユミアが、巨神教を信仰しているからか皇家の人間だからかはわからないけど、ハイエンターがテレシア化してしまう事実を知っていたからそれを防ぎ自らの子を守るためにホムスと交わったからだって結論づけられてた。
そもそも子を作ること自体やめたらいいのではとも思うけど、巨神教の他の信者たちの建前上一応儀式を行ったって見せかけるのは大事なんだろう。(※4)
ただ気になるのが、ホムスとの血が混じってるだけじゃテレシア化を防ぐことはできないのか?ってこと。
光妃影妃制度がある以上、そして墓所での交雑率チェックがある以上、皇家には混血の血が受け継がれ続けてきてると思うんだけど、カリアンもテレシア化してるんだよな。
光妃の子だけが皇位を継いできたってことも考えられるけど、それだとメリアが交雑率50%を超えてることが通らないし、試練に成功したのか失敗したのかはたまた暗殺されたのかはともかく交雑率が8世代進化してるってことは少なくとも8世代前からホムスとの交雑は続けられてきたわけで、ソレアンやカリアンにもホムスの血自体は流れているってことなんじゃないのかな。
けどカリアンがテレシア化したということは、片方の親がホムスでないとテレシア化は防げない?
テレシア化したカリアンが頭だけハイエンターの形を保ってるの、ロウランがカリアンを気に入ってた説も考えられるけど、長年続けられてきたホムスとの交雑によって若干抑えられてる可能性がある。
【アルヴィースについて】
アルヴィースの正体はモナドであり元コンピューターだったけど、じゃあ代々予言官の家系っていう話は一体なんだったんだ?
そもそも三星自体年をとるのかとかどういう出自だとかが一切明かされてないけど、ディクソンがとりあえず昔は巨人族だったらしいという辺り、自由に姿は変えられると見ていいのか。
ロウランが高濃度エーテルを浴びてもハイエンターの姿を保ってたし、ザンザがシュルクを部下にするって言ったとき永遠の命を与えるとも言ってたし、多分巨神から生まれた他の生物たちとは構成が異なる生命体なんだろうと思うけど、となるとアルヴィースはどうやって「予言官の家系」に生まれることができたのか。
モナドに触れることが儀式として伝わっていたらしいけど、じゃあ14年前モナドが持ち出されてからは儀式はどうなってたのか、モナドを持つ勇者ダンバンの話も伝わっていたみたいだけど問題視されなかったのか。
家系のこともよく分からないし、シュルクが度々夢に見ていたアルヴィースとの会話はザンザに聞かれてなかったのか……。
アルヴィースがモナドだというのなら、メイナスの持つモナドもまたアルヴィースだったのか。
アルヴィースのことは謎が多すぎて疑問を並べることしかできない。
※1)もしかしたらそういう立場自体混血のハイエンターへの差別もあったのかもしれない。巨神が復活して次々とハイエンターがテレシア化していくシーンで、カリアンの側にいたハイエンターがほぼ全員テレシア化した辺り、要職につくには純血有利とかそういう風潮があったとしてもおかしくないと思う。
※2)ただ、これもかなり強引な話で、ゲルガーの対比としてもっと適当なのはタルコ。純血への憎しみから混血主義になったゲルガーと、純血主義として育てられたタルコ。でもどちらも自分が混血であることにコンプレックスを抱いていて、そのコンプレックスをもってメリアと対峙し、タルコはメリアと和解するけどゲルガーは自ら死を選んだ。もしかしたらエンディングでメリアに錫杖を渡すのはゲルガーだった未来もあったかもしれない。
※3)ゲルガーだけが他のハイエンターたちと違う理由で里を出ているってことだけど、誰もゲルガーについて言及しない辺り、全員混血とはいえゲルガーの主張はだいぶ浮いてたんじゃないかな。
※4)でも交わったあとのホムスは口封じに殺されてそう。だいたいホムスを汚れた血呼ばわりしてたし、秘密裏にアカモートのホムスや混血を捕らえてたりしてもおかしくないと思うんだよな……。ところで、上層にホムスが来ることってほぼないと思うんだけどコロニー6とコロニー9以外が全滅する前の時代に交わったりしてたとか、アルヴィースの家系のホムスだけがアカモートにいるとか(NPCは見かけないけど)、そういうことなのかな。