清水研究室で行われている研究内容
道徳性の発達
道徳性は,何歳から芽生えるのでしょうか?そして,養育者などの働きかけはどう影響するのでしょうか?
日本人とアメリカ人やドイツ人の子どもとその親を対象とした実験により,上記の問いについて探求しています。特に親の働きかけにはどのような文化固有の価値観が反映されているか,そしてそれが子どもの道徳性発達にどう影響するのかについて調べています。
赦しや感謝の発達
誰かを赦すことは,報復したり回避したりすることよりも,メリットがあることがあります。なぜなら,将来その相手との関係性から得られるはずだった利益を失う可能性を低めるからです。感謝も許しと同じく,他者との関わりを強化します。
しかし赦しや感謝の表出方法は,大人と子どもでは異なりますし,文化によっても違います。発達的・文化的違いについて,調査や実験によって体系的に明らかにすることを目指しています。
表情の認知
他者とやり取りするときに,その人表情からその人の内面を推し量ることは,とても重要です。この表情の読み取り方には,東アジアと欧米の間で違いがあることが分かっていますが,東アジアの中での違いはあまり調べられていません。私達は特に,表情変化をどのくらい敏感に認知するかについて,日米比較および日中比較を行っています。
ベビー・スキーマの知覚
赤ちゃんを「かわいい」と思うのはなぜでしょうか?
ベビーフェイスやぎこちない動きなどのベビー・スキーマへの反応は,大人だけでなく,まだ自らも世話を必要とする幼児にも見られるのです。それがなぜなのかについて,様々な角度から検討しています。
マンガやコミックの読書過程
マンガとアメコミは,実はそれぞれ,日本人とアメリカ人の視線の向け方を意識した構造で作られています。マンガのユニークさと,世界の人々を魅了している理由は,そのあたりに含まれていると考えています。
偶然アーティストの方とご一緒する機会があり,それ以来コミックの読みの過程を調べています。主に視線計測やオンライン調査を用いています。
主に実験や調査によって実施します。指標としては,研究目的や対象の年齢に応じて,言語報告・リーチング・注視などの行動指標のほか,脳波などの生理指標を用います。また,親に対するインタビューやアンケート,親子のインタラクションの観察なども,組み合わせます。
言語報告・リーチング
視線計測
脳波測定(EEG,ERP)
親子のインタラクションの観察