2025年10月23日付で、山口大学学長谷澤幸生氏からの回答が、経営企画室の小笠原義人氏を介して届きました(正式受領は10月24日)。以下に「回答」を公開いたします。なお、以下の「回答」は、回答の文書を転載したものです。原本をPDF化したものはこちらからご覧ください。
令和 7 年 1 0 月 2 3 日
山口大学教職員有志 各位
国立大学法人山口大学
学長 谷澤 幸生
山口大学の授業料改定手続きに対する山口大学教職員有志の声明への回答
令和7年10月17日付けで受領した声明について、下記のとおり回答します。
記
Ⅰ 問題点への説明
1.及び2.について
この度の授業料改定に関する検討及び公表のプロセスについて、情報公開や対話の機会が十分ではなかったこと、また、決定・公表までの展開が急であったとのご指摘は、真摯に受け止めたいと思います。
しかしながら、この急を要する決断に至った背景には、学生の教育環境の維持・向上に重大な支障を来しかねないという、切迫した現状認識がありました。
今回の授業料改定に至った理由については、「学長メッセージ」(令和7年9月25日公表)でもお示ししましたが、本学の厳しい財政事情は、ここ数年ではなく、それよりも前から始まり、教職員の皆さんの協力の下、収入増及び支出抑制にも取 り組んでまいりました。しかし、それ以上に昨今の物価高騰、特に電気代の高騰や 賃上げといった社会情勢の変化はすさまじく、国か らの運営費交付金をはじめとする既存財源だけでは、学生の教育研究環境の維持・改善や整備・拡充ができず、学 生に不利益が生じると判断しました。
令和8年度の入学者から、在学期間中のより高いレベルの教育研究環境を提供するという方針を定める以上、令和8年度総合型選抜の合格発表前までには授業料改定の内容を決定・公表する必要があったことから、それに向けて、9月25日に「学長メッセージ」という形で、公表しました。
これは、単に手 続きを進めるためではなく、未来の入学者に対する責務を果たすため、国立大学法人山口大学の学 長として、経営面及び教学面から、不可避かつ責任ある決断であることをご理解いただきたく存 じます。
今後は、この度の経験を教訓とし、より丁寧に情報公開を進め、「対話と合意」を大切にしてまいります。そのための方策として、授業料改定分で進める教育研究環境の整備については、整備内容とともに整備に要した金額等についても、適時適切に本学ホームページ等を通じて、学生を含む学内構成員、さらには社会に対して情報公開を進めてまいります。また、整備に当たっては、当事者である学生の声に耳を傾け、要望を尊重してまいります。
3 . について
「学長メッセージ」の公表時期が、令和8年度総合型選抜の実施前という、受験生の皆様にとって大事な時期の公表となったことに関する見解は、前述のとおりです。今後、10月末を目途に改定内容を決定・公表する予定ですが、その際は記者会見を開き、私(学長)自ら説明します。公表後は、改定内容をホームページや入試ページを通じて受験生や志願者に速やかに伝えてまいります。
なお、「各高等学校等を訪問して状況を説明し意見をいただいた上で検討を進めていくべき」とのご指摘については、大学執行部でも既に検討した上で、公平性の観点から実施しないという結論に至ったものであり、決して安易な方法を選択したわけではありません。現実的には、ホームページという方法が広く世の中に普及していることからも、最も多くの方が情報にアクセスできるものとして、合理的かつ 効率的な方法であると考えています。
また、10月8日に開催した授業料改定に関する学生説明会は常盤地区で開催しましたが、それと同時に吉田地区及び小串地区にもオンライン中継をしました。加 えて、学生説明会に参加できない学生のため、当日の模様を動画で撮影し、修学支援システムを通じて10 月15日に公開しました。教職員に対しても、学生説明会の動画や、学内会議で配布した資料をオンライン(Moodle)で配信しています。対面会場としては、令和9年度からの博士前期課程で授業料改定に関して、直接関係 する学生は常盤キャンパスに最も多く在籍すると考えられることから選択したものです。
Il 要望への回答
1.について
前述のように学生の教育研究環境の整備に早急に取り組む必要性から、スケジュールの見直しは考えていません。
2.について
「学長メッセージ」の公表とあわせて「ご意見受付フォーム」を開設しています。 少しでも多くの方がご意見・ご要望等を寄せられる機会が得られるよう、期限を決定・公表の時期の直前にしています。いただいたご意見・ご要望等は、全て目を通すことにしています。また、準備が整い次第ではありますが、いただいたご意見・ ご要望等をまとめ、本学の考え方をホームページに掲載します。
繰り返しになりますが、10月末を目途に改定内容を決定・公表する予定です。その際は記者会見を開き、私(学長)自ら説明します。公表後は、改定内容をホームページや入試ページを通じて受験生や志願者に速やかに伝えてまいります。
以上