エシカルと誠の島

与論島は周囲23キロほどのとても小さな島です。

この環境においてみんなで生き抜いていくには、助け合いの精神が当たり前に有りました。自分にできることで周りのお役に立てるよう精一杯取り組む、思いやりで成り立つ社会です。

与論島は別名「誠の島」とも言われ、誠をもって取り組めば、何も恥ずかしいことはない。と言い伝えられてきました。


何に対しても精一杯行ってきた誠実な想いは、誠の心として周りの方々のお役に立ち、「自分のできること」に価値がありました。

だから奉仕精神はいつも根っこに有り、自分のできることで成り立つことができたのです。


そして、奉仕精神で徳の循環を生み、社会を立て直した方といえば、二宮尊徳先生。

なんと与論島にも二宮尊徳先生の像が立っています。


どんなに厳しい島の暮らしであったときも、この「誠」の文化に基づいた「徳」の循環で今日があるのだと想います。


ーーーーーーーーーーーーー


◎万象具徳・報徳思想 ー二宮尊徳ー

恩恵に感謝し、人や物の持つ徳(よさ・長所)を活用して社会にやくだてていくこと。

個性を活かすも殺すも、周囲であり環境です。

素晴らしいことに、人間はそれぞれの個性を活かす智慧が備わっています。

なにより我々日本人は神道のもと、多様性を重んじてきました。

それぞれの個性(徳)を活かすことで、長年の平和を実現できたとも言えます。

二宮尊徳は、個性を活かすとは、個性に報いることだと考えました。これが報徳思想です。


下記は報徳博物館初代館長、佐々井先生の詩です。

将来を担う、すべての子どもたちに。


どんなものにも  よさがある

どんなひとにも  よさがある

よさがそれぞれ  みなちがう

よさがいっぱい  かくれてる

どこかとりえが  あるものだ

もののとりえを  ひきだそう

ひとのとりえを  そだてよう

じぶんのとりえを ささげよう

とりえとりえが  むすばれて

このよはたのしい ふえせかい

※ふえせかい(増え世界)とは尊徳の考えた世界観で、様々な価値が生まれ増えて、世界が広がること。


人間は、有限のもの(自然、土地など)の個性を引き出すことにより、無限にものを生み出すことができます。

すなわち、奪って豊かになるのでなく、新たな価値を生み出して豊かになっていく。

これこそが人間の徳だと尊徳は考えました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

◎新しい社会の構築への挑戦

農耕中心だった社会から大きく変わった現代社会。


様々な分野で疲弊の声が叫ばれているように感じます。この大きな要因の一つとして考えられることとして、「固意識」が基盤となり、行き過ぎてしまったからではないでしょうか。様々な分野で「分離」生まれ、近くの人、環境ですら分からなくなりつつあります。


持続可能な社会は、自然環境はもちろんのこと、人の豊かさも持続可能でなくてはなりません。

このような現代社会だからこそ、二宮尊徳先生が提唱された「徳」による社会システムの必要性と、民族性として根付いている与論島の「誠の島」という精神には大きな可能性を感じております。


そして現代語では「エシカル」という言葉もうまれ、倫理的な消費行動が表に出てくるようになりました。

人、地域、環境、社会に配慮した消費行動は今の選択を変えていきます。


今を変えれば未来も変わる❤


次世代へ繋ぐ持続可能な社会を実現し、世界の雛形としてお役に立てる与論島を目指せたらと想っております。