私たちは、物性物理について理論的に研究しています。
例えば学部生からすると、物性物理学は具体的イメージを持ちにくい分野かもしれません。ここでは、物性物理学について「多様性」、「創発性」、「普遍性」という3つのキーワードを紹介したいと思います。
多様性:読んで字のごとし、世の中には多種多様な物質が存在するということ。
創発性:ぱっと見では想像がつかないような性質が、物質から現れること。
普遍性:多様な物質に潜む創発的な性質が、普遍性をもっているということ。
つまり、「たくさんの物質があって、その中には驚くような性質をもつものがあり、そこに潜む物理は各論ではなくて広く共通した枠組みをもっている」という力強いメッセージです。皆さんと一緒に、広大な物性物理学の世界を楽しみたいと思っています。
私たちはとくに、
超伝導
量子臨界現象
トポロジカル物性
Dirac電子系
重い電子系
量子磁性体
スピン液体
などに興味を持っています。それぞれが広大な研究分野であり、多田がやっている研究についても、実験に近いものからモデル計算寄りのものまであります。解析的な計算や数値計算など、問題にあわせて様々な手法を組み合わせて取り組んでいます。
例えば、過去には、以下の解説にあるような研究をしてきました。
多田靖啓, 「カイラル超流動体における軌道角運動量は何によって定まるか?」, 日本物理学会誌, 第74巻 第2号 93-97, 2019. (PDF file)
多田靖啓, 「量子臨界点近傍の超伝導」, 研究会講義資料 2009. (PDF file)
広島大学理学部通信にて研究分野の紹介をしています。
多田靖啓「物性理論と聞いて何を思い浮かべますか?」, 理学部通信2025年3月号(PDF file)