講義スタイル

講義の出席

大学の講義は,学問(私の場合は経済学)を理解するためのものであり,単位を取るためのものではないと思っています。学部の学生でも私以上に経済学を理解している人は必ずいると思っています。そのような人は私の授業にでる必要はありません。学生が授業に出るか出ないかは,各学生が自分にとっての講義の限界便益と限界費用を勘案し,限界便益が限界費用を上回った時のみ出席すればよいはずです。最近の学生の限界費用(バイト代の高騰で機会費用が1時間1000円ほどになっているのでは)はかなり大きくなっているので,教員はそれを上回る限界便益を与えるような講義を行う義務があり,強制的に講義に出させることは戦時中の強制労働と何ら変わりません。

よって,私は出席点なるものは評価に加えていません。いかに講義内容を理解しているかを毎回のように行うレポート,試験,ノート提出などで評価します。そして,私より経済学を理解しているために出席しない学生のために期末試験を用意します。この試験は私より経済学を理解している学生用ですから大学院入院試験程度で試験時間内では私でも不合格になる程のものとなります。まあ,それに一回きりで15回×1.5時間の講義の理解度を評価するような高度な試験を作る才能は50年間の人生で不幸にして身に付きませんでした。それより経歴にあったように数々の入試に失敗し,逆にその不効用を受けてきましたのでね。

私の講義が,必修でありかつ他の必修科目と比較しても便益が無いと感じた学生は教務課,学部長などに私の講義を必修をはずすよう進言してください。また,必修でない場合は登録をはずしてGPAを下げないようにしてください。


授業態度の評価

私語には罰金 幼稚園から大学院まで授業中の私語ってのは何時の時代でもつきものです。各人は合理的に考え,私語の私的限界効用が私的限界費用を超えている限り私語をするんですね。ところが,私語市場の最適水準は私語の私的限界費用(多分2人でしゃべってるので2人分)と教室全体の限界費用が等しくなる私語量です。そこで,私は最適水準の私語量にするために,私語にピグー課税を課しています。本来は課金したいのですが,社会的問題?から,私語で注意した学生には出席者数×-0.1を加点します。

良い質問には補助金 私語は外部不経済で過剰になるのですが,対して講義に関して過小になる外部経済を持ったものもあります。それが講義中での質問です。自分の講義がどの程度学生に理解されているかは分かりにくいものです(情報の非対称性)。また,各学生も他の学生がどの程度理解しているかを分かっていません。学生は自分の質問によって得る私的限界効用(理解度の上昇)と私的限界費用(質問の時間の機会費用+恥ずかしさ)を勘案し,私的限界効用が大きいときのみ質問を行うわけです。さて,最適質問量は学生全員の限界効用と限界費用が交わったところですが,質問によって他の学生の理解度を上げることになれば私的限界効用より学生全体の限界効用は高く,各学生が合理的な行動をとった場合,質問は過小になるわけです。さて,この講義中の質問を最適水準にするためには質問にピグー補助金を与えます。ここでは,費用のように一定ではなく,その質問の内容によって加点を行います。全体の限界費効用を全くあげず,時間だけとる無駄な質問は仕事同じですからピグー課税を課しますので注意してください。

授業の進め方

さて,以上を前提として,私の授業ではレジュメをHPで配布し,基本的な内容をレクチャーした後,何度も何度も応用例を学生に解いてもらい,その回答を提出してもらいます。出席の項で書いたように,これも出せば何点かとれるというものではありません。当然,理解していないもの,特に講義内容とかけ離れた回答やお涙ちょうだい(この単位がないと卒業できないなどなど)は,私の時間を無駄に使ったことになりますのでマイナスとします。なお,講義に関する質問は受け付けますよ。

それでは,以上を承知の上で履修登録,出席を各人が責任を持って行うことを期待します。

(頑張ってね(^^)/~~~)