社会論・論文07

公務員のお金の使い方を改めさせる

2023.03.25.



1.ここまでの論文で、破綻することのない、持続可能な社会システムの構築を目指すべく、予算の「ムダ遣い」を見直すべきことを考えてきましたが、ここでは、そもそも、予算を行使している公務員自身の「ムダ遣い」について再検討していきます。


公務員のお金の

使い方について考える


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2.公務員が、与えられた予算を「ムダ遣い」している・・・ということは、明らかではないでしょうか。(そして、国の借金は、どんどん増えており・・・)。国民であれば、だれでも、そのようなことは知っているはずです。であるにもかかわらず、それはそのまま放置され、見逃されているのです。これは、監視する立場にある国民の側にも一定の落ち度があると言えるでしょう。とはいえ、そういう、監視し、指摘するという仕組みがないのですから、「分かっているけど、どうしようもないじゃないか」ということになることもまた、事実です。


3.ですから、そのような「国民が、公務員の予算の使い方を監視・指摘できるシステム」を新たに作るべきです。確かに、今でも、各省庁・役場が、その予算の内容を公表してはいます。しかし、それは、「〇〇費」などといった、かなり大雑把なものです。それでは、「どんぶり勘定」です。それで、その「〇〇費」の中の、さらに細かく、具体的に、一体何に、どれぐらい使ったのか、非常に細かい詳細を、例えば、ボールペン1本の購入に至るぐらいのレベルで、すべて出させます。


4.その上で、では、誰が、その詳細を見るのか・・・。こうします。まず、年度末に一度にどっと詳細を出すのではなく、毎月、その月に費やした経費の詳細を出させるとします。そして、インターネット上で、詳細を公表し、それを国民であるユーザーが見て、もし、指摘した箇所が見直された場合、「懸賞金」がもらえるようにするのです。そのまま見過ごされていたら、その後、数年、数十年、そのままムダ遣いがされていたところを、一回の懸賞金で改善できるのであれば、安いものです。


5.きっと、「懸賞金」目当てのユーザーがこぞって、嬉々として、その詳細を、もう、重箱の隅をつつくかのようにして、漁るように確認し、どんどんツッコミを入れてくれることでしょう。その後、「査問委員会」を設けて、指摘された点を吟味します。その委員会には、市民側(専門家も含む)から数十名(指摘する側)、そして、査問の対象が、市役所であれば、市の職員(指摘される側)が出席します。市の職員(公務員側)は、指摘されている予算の使い方に関する正当性をきちんと説明しなければなりません。指摘された点について、公務員側がその非を認めて、それを取り下げるのであれば、それで良しです。しかし、取り下げない場合は、その点について、市民からジャッジを受けさせます。インターネットで公表し、一人一票で、賛否を問い、多数決で、その件(複数件)を決定します。


6.ついでに、インターネット投票について述べておきます。率直に言うと、今時、いちいち紙投票するのは、コストも時間もかかり過ぎます。せっかく、マイナンバーカードも普及させてきたわけですし、これからは、投票も、インターネットで行なえるようにすべきです。すでに、インターネットバンキングとか、クレジット決済などが実用化されているのですから、技術面でも、セキュリティー面でも、十分に実行可能であるはずです。しかし、インターネット環境のない人もいると思いますので、銀行やコンビニなどのATMで投票できるようなシステムを付加させるのはどうでしょうか。


ボールペン1本の購入に至る

までの詳細を公表させ、

国民によるチェックを受けさせる


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7.・・・と述べておいて何ですが、上記はいわば、「警告」です。実際に、査問委員会は開きます。しかし、その2年前に、猶予を与えます。その2年間の間に、国や市の職員は、数年後に予算の詳細を公表し、大々的に指摘(バッシング)されることが分かっているわけですから、それはもう、一生懸命に見直しを図り、とても公表できるはずもないような点も含めて、自主的に改善をし、予算圧縮に努めるでしょう。これは、「武士の情け」です。そのようにして、彼らの面子、名誉が保たれるようにします。しかし、その次の年に、予算がガクンと減った場合、あっ、やっぱり・・・・、となるかもしれませんが、そこは見逃してあげましょう。改善されれば、それで良いのです。


8.一応、言っておきますが、予算の中に「飲食代」とか「接待費」とかは、あり得ませんので・・・。ただ、その分を飲み食いした本人の給与からきちんと差っ引くというのであれば、構いません。例えば、取引先との会合等は、国や市の公の施設で、面談するだけで済むはずです。それを料亭などで行なう必要はありません。したければ、自費でお願いします。


9.また、「交通費」もしかり。バカスカと、安易にタクシーを利用したりせずに、できるだけ安くで済む交通機関を使うようにすべきです。公費だから、つまり、他人のお金で、自分のお金ではないから、そういう無駄な使い方をするのでしょうか。そうではなく、逆です。公費だから、他の人たちから預かった大事なお金だから、慎みをもって大事に用いるべきなのです。公務員は、そのように、多くの国民からの信託を受けて、公のお金を預かっているのですから、その信頼にこたえ応じるべく、その用い方も節度があって然るべきです。もし、それができない、というのであれば、その人は、「横領」っ気のある人であって、「信頼できる公務員」としては、失格であると言わざるを得ません。


まず、公務員自身の手で、

予算の見直しをさせる


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10.もう一度、まとめると、まず、2年後の市民との査問委員会の開催を前提に、まず、2年間で、公務員自身の手で、予算の見直しに着手します。そして、その2年後に市民によるチェックと審議、インターネット投票によるジャッジがなされます。大体、3、4年で、完了するでしょう。その結果、かなりムダをなくし、予算の圧縮ができるようになると思われます。その上で、その後は、その予算の額のサイズを標準として、数年ごとに度々チェックを入れ直せばよいでしょう。


11.例えば、ある市の予算が、数年後に、3割カットできたとしましょう。かなり余裕のある運営ができるようになると思います。今までの市債も返済できるようになるでしょう。また、国家予算が、3割減となれば、もはや、国債の発行の必要がなくなります。それに加えて、論文01でも述べたように、「(個人・企業の)所有財産の上限」が定められれば、要するに、富豪や企業・銀行の持つ国債の多くは、国に返納されて、事実上、チャラになります。今は、国債の返済だけで、2割強支払っていますので、その必要がなくなったなら、国家予算も大幅にサイズダウンでき、かなり余裕のある国家運営が可能となるでしょう。つまり、本当に必要なところに、お金が回せるようになるのです。あるいは、国民の支払う税金が、その分引き下げることも可能となるかもしれません。


12.ところで、論文01~04で、私が提案した改革案というのは、つまり、格差是正のために、「金持ち(=有力者)が大損をする」ことによって初めて実現可能となります。その点で、公務員改革が、まず第一に実行されなければなりません。さもなければ、他の人たちが納得しないでしょう。


13.最後に、予算、予算と、お金の話ばかりしてきましたが、そもそも、公務員(政治家を含む)の本質というのは、「金を使う」ことを第一にするのではありません。そうではなく、国や地域の現状を正確に把握し、それに応じた適宜、適切な指示を国民に出す・・・ということにあります。先に述べた「マスク騒動」(論文05の16~19節)のように、ムダに金の力に頼るのではなく、適切な号令をかけることこそが、本命・本題なのです。その点を肝に銘じつつ、かつ、公金の賢明な使い方を心掛けるなら、公務員・政治家は、国民からの信頼に応え、余裕のある国家・地域の運営を実現できるでしょう。


どの社会改革にも先立って

公務員改革を行なうことが必要


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追加:


14.公務員の給料について。現在、公務員は非常に厚遇されています。ゆえに、彼らは、国民の最底辺にいて生活に喘いでいる人たちの苦しみが分かりません。厚遇されているうちは、本気で、国民の貧困を改善することはないでしょう。それで、公務員の給与は、「国内の最低時給と同額」にさせるべきであると考えます。まさに、「背水の陣」というわけです。公務員自身が、その当事者となることで、最低時給を上げることに本気で取り組むようになるでしょう。